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5歳以上の新型コロナワクチン、アメリカはもうすぐ接種開始?日本ではインフルとどちらが優先?【小児科医】

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※写真はイメージです
FamVeld/gettyimages

アメリカでは、ファイザー社製の新型コロナウイルスワクチン(以下新型コロナワクチン)の接種対象を、5歳から11歳の子にも広げるのではないかと報道されています。日本でも近い将来、5歳から新型コロナのワクチン接種が始まるのでしょうか。
子どもの感染症と予防接種に詳しい、新潟大学医学部小児科学教室教授 齋藤昭彦先生に、2021年10月18日現在でわかっている、5歳からの新型コロナワクチンの接種と今年の秋冬のインフルエンザの流行などについて聞きました。

アメリカで有効性・安全性が確認されれば、日本でも5歳から接種の可能性が

5歳からの新型コロナワクチンの接種が、少しずつ動き始めています。

――アメリカでは新型コロナワクチンの接種対象を、新たに5歳から11歳も加えるようにFDA(食品医薬品局)に申請したと発表されました。日本でもこの先、同じような流れになるのでしょうか。

齋藤先生(以下敬称略) 現在、日本では小児の新型コロナワクチンの接種対象は12歳以上です。これは、アメリカで同年齢を対象にした治験で、有効性や安全性が確認されたためで、日本でも2021年5月末に公的接種の対象となり、接種が始まりました。
アメリカでの接種対象が5歳から11歳にも拡大されれば、日本でも接種対象について議論が始まると思います。

12歳から15歳を接種対象に加えたときは、アメリカで承認を受けた約3週間後に日本でも承認されました。そのため5歳からの新型コロナワクチンの接種もアメリカで承認されれば、12歳から15歳の時と同様に短期間で日本でも承認される可能性が高いと思います。私は申請データに大きな問題がなければ、アメリカでは早々に5歳からの接種が承認されると考えています。


――日本でも、5歳から11歳の新型コロナワクチンの接種が承認された場合、接種回数は大人と同じように2回接種でしょうか。

齋藤 はい、2回です。新型コロナワクチンは、新しいタイプのmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンです。mRNAワクチンはウイルスの一部のタンパク質を体内に投与することで免疫ができるしくみですが、1回の接種では不十分で、2回接種することで抗体が大きく上がり、予防効果が発揮されます。
また1回の接種量は12歳以上は0.3mLですが、アメリカの治験では5歳から11歳では、ワクチンの濃度を減らした上で、量は、2/3の0.2mLで行われています。
これは年齢が低い子ほど、少ない抗原量で接種後の抗体が高くなることがわかっているためです。

――5歳から11歳の接種は主にどの様に行われるのでしょうか?

齋藤 これは1つの課題になると思います。5歳から11歳の子どもでは保護者が付き添っており、また、多くが嫌がって泣いたりするため、かかりつけ医による個別接種が理想的であると思います。

日本でも、基礎疾患がないのに新型コロナウイルスで重症化しICUに入院した子どもも

小児は、新型コロナウイルスに感染しても無症状か症状が出ても軽症が多く、重症化はまれといわれています。それでも子どもに新型コロナウイルスのワクチン接種が必要な理由を聞きました。

――第5波で、新型コロナで重症化した子は増えたのでしょうか。

齋藤 第5波では、感染力が強いデルタ株の流行によって子どもの感染が増えました。感染者数が増えると、一定の割合で小児でも重症化する子が増えます。

――重症化しやすいのは、基礎疾患がある子でしょうか。

齋藤 先天性心疾患、免疫不全、ぜんそくなどの呼吸器系の慢性疾患、糖尿病などがある子は注意が必要です。また肥満や低出生体重で生まれた子も重症化のリスクがあります。

しかし日本でも、基礎疾患がない元気な子が新型コロナウイルスに感染して重症化した例があります。私が知っている一例をお伝えします。その子は14歳で、病院に救急搬送されるまで新型コロナウイルスに感染している認識はありませんでした。
発熱、せきや鼻水に加え、息苦しさがひどく、救急搬送後に、新型コロナに感染しており、心筋炎と心膜炎を併発していることがわかりました。心臓を包む膜の中に水がたまり、血圧が低下する「心タンポナーデ」の状態でした。治療を行うためにICU(集中治療室)に入院し、その液を抜くことで元気に回復しました。
このように基礎疾患がない子でも重症化することは、まれにあります。どんな子が重症化するかわからないのが、新しい感染症である新型コロナウイルス感染症の怖さです。
その子は、友だちからうつったのですが、友だちは重症化していません。またその友だちは、大人からうつっていました。

新型コロナの重症化を防ぐには、やはりワクチンが有効です。ワクチンは、感染を防ぎ、もし感染しても人にうつしにくいメリットがあり、また感染してしまっても重症化を防ぐことができます。

ごく一部の若い男子に見られる心筋炎、心膜炎の副反応は、どう捉える!?

子どもが新型コロナワクチンを接種する場合は、やはり心配なのが副反応です。

――新型コロナワクチンの接種後の副反応で、10代、20代のごく一部の男子に心筋炎、心膜炎が見られます。もし5歳から11歳で接種が始まると、そうした副反応を心配するママやパパは多いと思います。

齋藤 新型コロナワクチンは、緊急事態を回避するために急きょ、開発されたワクチンです。世界中で治験は行われていますが、10万人や100万人に接種して初めてわかる副反応もあります。
接種が進んでいる中でわかった心筋炎や心膜炎の副反応も、その1つです。

――子どもに接種するのは不安と思ったら、どうしたらいいのでしょうか。

齋藤 まず1つは、かかりつけの小児科医に相談して正しい情報を得ることです。
また子どもは大人から感染することが多いので、ママやパパはできるだけ新型コロナワクチンを接種したほうがいいです。

今シーズンのインフルはどうなる? 子どもにはコロナとインフルどちらが心配!?

秋冬、季節性インフルエンザが心配される季節になりました。日本感染症学会は、今シーズンのインフルエンザ流行について「大きな流行を起こす可能性がある」と注意喚起をしています。齋藤先生の考えを聞きました。

――今シーズンは、インフルエンザは流行しそうでしょうか。

齋藤 インフルエンザは、南半球で流行したものが、東南アジアを経由して、日本でも流行することがわかっています。2021年の6-8月には、南半球ではインフルエンザの感染者数は極めて限定的でした。
しかし南アジアの地域であるインドやバングラディシュなどではインフルエンザA型、B型の流行は見られています。現在、コロナ禍で、海外からの渡航は制限されていますが、万一、その地域から日本にインフルエンザウイルスが持ち込まれれば流行する可能性があります。

昨年、インフルエンザが流行らなかった分、多くの人は免疫が低くなっている可能性があります。ひとたびインフルエンザが流行すれば、子どもの間ではとくに流行が拡大する恐れがあります。そのためインフルエンザワクチンが受けられる子(6カ月以降)は、受けたほうがいいと考えます。子どもにとって、新型コロナウイルス感染症よりも、インフルエンザのほうがかかりやすく、またより重症化しやすいことは忘れないでほしいと思います。

――ママやパパは、新型コロナワクチンとインフルエンザのワクチンを両方受けたほうがいいのでしょうか。

齋藤 はい。両方受けるのが望ましいです。新型コロナも子どもの感染は主に大人からですし、コロナもインフルエンザも大人が感染対策をすることが子どもの感染対策にもつながります。
インフルエンザワクチンは6カ月未満は受けられませんし、新型コロナのワクチンも現状では11歳以下は受けられません。ワクチンで感染対策ができる世代はしっかり受けてほしいと思います。
ワクチンは2週間、間隔をあければ受けられます。新型コロナワクチンを2回受けてから、2週間以降にインフルエンザワクチンを受けます。
医師と相談してスケジュールを決めてください。

お話・監修/齋藤昭彦(さいとう あきひこ)先生

取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部

秋冬は、新型コロナとインフルエンザの同時流行が起こる可能性があります。そのためこれからの季節は、新型コロナとインフルエンザから子どもを守ることが大切です。

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