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赤ちゃんのあざ、心配しなくていい?治療すべき?最新レーザー治療情報も【専門医】

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乳児 血管腫
※写真はイメージです
RuslanaQuispe/gettyimages

赤ちゃんにあざがあると「病気かな…」「ずっと残るのかな…」と不安に思ってしまう人は少なくないでしょう。妊娠中の超音波検査などでわかることもなく、生まれたときに驚いて自分を責めるママもいるといいます。赤ちゃんによく見られるあざの種類や最新の治療方法について、あざ治療に詳しい形成外科専門医の矢加部文先生に話を聞きました。

子どもの体のあざ…これって病気? 自然に治るもの?

異所性蒙古斑の治療例。写真左上は治療前(3才)、右下はレーザー4回照射治療後(4才6カ月)。

――赤ちゃんのあざはなぜできてしまうのか、原因はありますか?

矢加部 子どもに現れるあざには、赤あざ、青あざ、茶あざ、黒あざなどがあります。青あざや茶あざは、皮膚内部にあるメラニン色素が必要のない場所に多く集まることが原因です。赤あざは真皮内に不必要な毛細血管が増えることで皮膚が赤く見えます。黒あざは母斑細胞(ぼはんさいぼう)という黒色の細胞が表皮から皮下脂肪まで増えている状態です。

これらのあざが赤ちゃんにどのくらいの割合で現れているのか正確な統計はなく、原因もわかりません。あざが病気ではないか、と心配する人は多いですが、ほとんどのあざは悪性化しません。

クリニックを受診するお母さんの中には「妊娠中に風邪をひいたから…?」「薬を飲んだから?」と自分を責める人もいますが、そういったことはまったく関係ありませんし、特殊な例を除いて遺伝性もありません。

――赤ちゃんのあざが心配な場合、治療をしたほうがいいのでしょうか?

矢加部 自然に目立たなくなるあざは治療の必要はありませんが、場所や大きさによって治療を行う場合もあります。主に、以下のように分けられます。

【1】自然に目立たなくなるもの
[赤あざ]
・サモンパッチ
・ウンナ母斑(時に成人まで残ることも)
・いちご状血管腫(小さめで目立たない場所にあるもの)
[青あざ]
・蒙古斑(もうこはん)

【2】顔や目立つ場所にある場合、早めに治療を考えてもいいもの
[赤あざ]
・いちご状血管腫(大きくなっているもの)
・先天性血管腫・ポートワイン母斑
[青あざ]
・太田母斑(おおたぼはん)
・異所性蒙古斑
[茶あざ]
・扁平(へんぺい)母斑
・表皮母斑

【3】病院で成長の経過を見ながら、場合により切除手術や皮膚移植手術をしたほうがいいもの
[青あざ]
・青色母斑(大きなもの)
[黒あざ]
・色素性母斑(巨大色素性母斑)
・巨大有毛性色素性母斑

【1】の場合は経過観察をします。【2】はあざの大きさや場所によって、乳幼児期のうちにレーザー治療を行うと目立ちにくくなる効果が高いです。【3】は手術による切除を行います。黒あざは広範囲の場合、皮膚移植手術が必要なこともあります。

また、いちご状血管腫は7才くらいまで75%のケースで自然消失しますが、1才ごろまでに急激に大きくなることがあり、尿道やまぶたをふさいでしまうなど体の機能に影響がある場合は、「β(ベータ)ブロッカー」という内服薬で増大化を防ぎながらレーザー治療を行います。

レーザー治療は乳児期から可能で、効果が高い

青あざや茶あざの治療を行う“Qスイッチルビーレーザー”。

――あざのレーザー治療はどのように行うのですか?

矢加部 赤あざ、青あざ、茶あざの基本的な治療はレーザーによる治療です。
赤あざには真皮内の不必要な血管を破壊する色素レーザー機器を、青あざや茶あざには皮膚内部に増えすぎたメラニン色素を選択的に破壊するレーザー機器を使います。どちらの場合も、3カ月以上の間隔をあけて数回の治療をします。治療の頻度や金額はクリニックによっても異なりますが、厚生労働省が承認したレーザー機器で治療する場合は保険適用でき、自己負担は治療費の0~3割となります。

レーザー治療は回数を重ねるほど効果が高くなるわけではなく、やりすぎると治りにくい傷や傷あと、色素沈着などを生じるリスクもあります。
薄いあざをレーザー治療しすぎると色が抜けた白いまだら(白抜け)になってしまうことも。そのため、目立たない場所にある、色が薄いあざなどは、本人が気にしないなら無理に治療をする必要はないと考えていますし、お母さんやお父さんにもそのように説明をしています。

――大きく目立つあざは、なるべく乳幼児期のうちから治療したほうがいいのでしょうか? 

矢加部 そうですね。自然消失しないタイプのあざは、成長しても濃さはそのままで範囲が大きくなります。範囲が小さいうちのほうが治療時間は短くてすみます。また、赤ちゃんのうちに治療を行うメリットは、皮膚が薄く、あまり日焼けもしていないことです。皮膚内部に増えすぎたメラニン色素や血管にレーザーが届きやすいため治療効果が高く、色素沈着ややけどのリスクが少なく行えるからです。
再発性が高い濃い茶あざも、1才までに治療を始めることで6~7割のケースで目立ちにくくなります。

――レーザー治療の痛みはどのくらいなのでしょうか?

矢加部 実際の痛みは輪ゴムで皮膚を「バチッ」とはじいたときの痛みに似ています。そんなに激しい痛みだとは思いません。ただ、小さい子どもの場合、治療のために体を支えられることを嫌がって泣くことが多く、わずかな痛みも強く感じてしまうので、麻酔テープや麻酔クリームを施して処置を行います。
治療は範囲によって数十秒〜3分くらい。直径7〜8cmくらいのあざでも、当院では3分程度で終わります。治療が終わると、ケロッとして「バイバーイ!」と元気に帰っていく子どもが多いです。広範囲のあざの場合は全身麻酔でレーザー治療を行います。

あざは“人と違う個性”。欧米ではバースマーク=幸運の印といわれることも

――矢加部先生自身も、背中に茶あざがあるそうですが、悩んだりしたことはありますか?

矢加部 私には背中の半分ほどに茶あざ(扁平母斑)があります。10代の思春期のころに大学病院を親と受診したものの、当時はレーザー治療も一般的でなく、全身麻酔治療になるが再発性が高いといわれ、治療はしない選択をしました。今はまったく気になりませんが、思春期のころは学校の体育で着替えるときなどに友だちに見られないようにしていたと思います。
背中だったので自分ではあまり見えず、小さいころは気にしていませんでしたが、母が「あざがあってごめんね」と事あるごとに口にしていたので、「自分にはあざがある」と強く意識し始めたように感じています。

自分の経験からも、お母さんやお父さんが子どものあざを不安に思う気持ちはとてもよくわかります。クリニックを受診するお母さんやお父さんには、子どものあざを「かわいそう」「いじめられるのでは」と過度に心配しすぎる人や、「何か悪い運命につながるかも」という人もいます。しかし、そういったネガティブな言葉は決して子どもに伝えるべきではないと思います。
親からそのような言葉をかけられてしまうと「自分はかわいそうだ」と子どもの潜在意識に強く根づいてしまうと考えられるからです。自分の失敗をあざのせいにしたり、卑屈な考え方につながったりしてしまうのは、とても残念です。

――そのようなとき、先生はどんなふうに声かけをされるのですか?

矢加部 あざのある子どもから「どうして自分には色がついてるの?」と聞かれるときには「神様がかわいい子をすぐに見つけられるように特別なしるしをつけたのよ」と伝えています。すると、お母さんやお父さんも笑顔になってくれます。治療で目立ちにくくなるとはいえ、あざは一生ともに生きていかないといけないこともあります。そういうとき、できるだけ前向きな気持ちでとらえてほしいのです。
欧米ではあざを持って生まれると「バースマーク=幸運のしるし」といわれることもあるそうですよ。

もちろん、あざが目立つ場所にあることで精神的負担を感じている人には、必要であればレーザー治療や手術を行います。地域によっては、赤ちゃんのあざを治療できることがあまり知られていないこともありますので、適切な時期に治療するためにも、心配ならぜひ専門医に相談してみてほしいと思います。

お話・監修・画像提供/矢加部文(やかべあや)先生

取材・文/早川奈緒子、ひよこクラブ編集部

現在のあざ治療は、10〜15年前に比べてレーザー治療機械が進化し、痛みの軽減、治療スピードが上がり乳児期の治療も安全に行うことができるそうです。全国的にもあざ治療の専門クリニックは限られてはいるそうですが、気になる場合は専門医に相談してみましょう。

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