そりゃそうなるよね、高級品も子どもにかかると…【御手洗直子のコマダム日記】
今回は直子の胸が痛んだお話。大センセーションを巻き起こした「婚活コミック」著者、御手洗直子さんが結婚して2児の姉妹の母に。あいかわらずのつっこみどころ満載の日々、渾身のひとコママンガ&エッセイでお送りします。「つっこみが止まらないコマダム日記」#82
秘蔵品の末路
高校生の時ファーバーカステルというメーカーの36色色鉛筆を買った。ファーバーカステルは水彩色鉛筆をはじめとしたちょっと良い画材のメーカーである。かなりの高級品を奮発してお小遣いで買ったのだが、もったいなくて使えないままずっと保管していた。
新品の36色セットをたまに引っ張り出しては眺めてまたしまうということを繰り返し、結局カラーイラストを描く画材もデジタルへ移行してしまったため未使用のまま20年以上熟成されていたのだが、このたび娘達が使っていた12色色鉛筆を使い切ったり無くしたりでちぐはぐになってきたのでその36色セットをそのまま渡すことにした。
『ウワァ~~~!あたらしいいろえんぴつだ~~~!』『いっぱいあるね~~~!』と大喜びである。もったいなくて20年死蔵したが、喜んでくれる人に使ってもらえてよかった…。と思いつつ、覚悟をしてはいたが使い方が荒い。
柔らかく優しい書き味が特徴の色鉛筆だが、グッリグリのゴッリゴリである。
アーーーーーーーーーーーーー繊細な筆致に定評のあるファーバーカステル様やぞなんつー使い方しとんねん。思わず関東人が演じるあやしい関西人になってしまう。今調べたら36色で10000円もする。マジで…?トンボなら1600円だというのに。高校生になってから渡したほうがよかっただろうか…?っていうか本当はコレ水彩色鉛筆なのでコレで塗ったあと水のついた筆で塗ると水彩画になるというすごい色鉛筆なのだがそれを教えるとわーいやりたい!!ふでとおみずをだそう!!とテーブルおよび周辺が水だらけになってめんどくさいことになるので秘密だ。ブランドファーバーカステル水彩色鉛筆のアイデンティティだが黙殺させてもらう。すまないファーバーカステル。サイトを見返すと絶対に使わないけど水彩色鉛筆120色木箱セット55000円とかが欲しくなる。絶対使わないけど。
思えばコピックもトーンもだいぶ処分してしまったがとっておいてあげればよかった…?しかしいまだにペン軸と大量のペン先は処分できずに手元にあるので娘達がいつペン入れしたくなっても安心である。
親がオタクだと英才教育の環境がすぎる。(オタク限定)おわり
御手洗直子
Profile pixivで大人気。累計閲覧数1100万を誇る爆笑コミックエッセイスト。なんでそんなにネタ満載人生を・・・という謎の人。既刊に「31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる」「31歳ゲームプログラマーが婚活するとこうなる」(共に新書館)、「腐女子になると、人生こうなる!~底~」(一迅社)、「つっこみが止まらない育児日記」「さらにつっこみが止まらない育児日記」(ベネッセコーポレーション)など。たまひよのサイトで、数話限定公開中。
御手洗直子twitter:@mitarainaoko

