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秋冬は要注意!「乳児股関節脱臼」放置すると歩行への支障も。原因と起こりやすい子の傾向【チェックリストあり】

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赤ちゃんの脚のつけ根がはずれる「乳児股関節脱臼」は、その多くが後天性。しかし、医療の現場では、今も「先天性股関節脱臼」と呼ばれることがあるそうです。後天性にもかかわらず先天性と呼ばれる理由と、なぜ起きるのかについて、整形外科医の西須孝先生に聞きました。

同じ病気なのに異なる病名で診断されることも!?

写真左:乳児股関節脱臼のX線写真。左股関節が矢印の方向に脱臼。 写真右:左右の脚の開きや太さが違うことから受診した6カ月の女の子。装具をつけて26日目の様子。

「乳児股関節脱臼」とは、赤ちゃんの脚のつけ根の関節がはずれる病気です。痛みはないものの、放置すると歩行への支障が出ることがあるといいます。乳幼児健診などでは「先天性股関節脱臼」と診断されることもあるそうですが、なぜ名前が違うのでしょうか。整形外科医の西須孝先生に聞きました。

「『乳児股関節脱臼』と『先天性股関節脱臼』は同じ病気です。関節がやわらかい新生児期に見つかることが多いため先天性とされていたのですが、研究が進み、現在では多くは後天性であることがわかりました。先天性という言葉が生まれつきの障害というイメージが強いことと、病名から生後に加入した医療保険のトラブルが多いことなどから病名を変える必要があったものの、なかなか進まなかった事情があります。最近やっと『乳児股関節脱臼』という病名が普及するようになってきました」

なお、『発育性股関節形成不全(はついくせいこかんせつけいせいふぜん)』と呼ばれることもありますが、わかりにくいとされ、あまり普及していないそうです。

ひざを伸ばした状態での育児が発症の最大の要因

後天性が多いとはいえ、起こりやすい子の傾向はあります。女児は男児よりも関節がやわらかいため約8倍発症しやすく、家族歴や妊娠中の骨盤位(こつばんい:さかごのこと)も関連します。しかし、最大の要因は低月齢期の育児にあるといいます。

「赤ちゃんの理想的な脚の位置はМ字開脚です。関節がやわらかい新生児期に、ひざを伸ばした状態で育児することが発症の主な要因です。そのため、防寒のため下肢を衣類などでくるみがちな秋・冬生まれの赤ちゃんの発症が多くなっています(※1)。

赤ちゃんの脚は、つねに自由に動かせるようにしてあげましょう。抱っこは、ママ・パパと赤ちゃんのおなかを合わせたコアラ抱っこが理想的です。おむつ替えのとき、腰を浮かせることや首すわり前の向き癖を直さないことが原因になるという考えもあるようですが、その程度では発症しません。

また、『乳児股関節脱臼』は、遅くとも6カ月までには見つけておきたいのですが、最近は、歩き始めたあとに歩き方がおかしいことで、1才以上になって見つかるケースも増えています(※2)。

予防啓発が進んで患者が減少したことで、乳幼児健診に整形外科医が入らなくなり、診断もれが生じるようになったことも発見が遅れる一因です」

現在、患者は1000人に1〜3人の割合で推移。なお、6カ月までに診断されれば装具によって整復できることが多いのですが、それを超えると、全身麻酔の切開手術やギプスが必要になることが多いといいます。コロナ禍で乳幼児健診が遅れがちになる今、上の表1を見ながら家庭でもチェックしてみましょう。


(※1)10〜3月生まれに多く、最も多いのは12月生まれ。

(※2)1才以上が全体の15%。ともに「日本小児整形科学会MCS委員会DDH全国他施設調査報告」より

お話・監修/西須孝先生 イラスト/福士陽香 取材・文/岩崎緑、ひよこクラブ編集部

※掲載している情報は2021年11月現在のものです。

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