小さい子どもがいてもできる在宅ワークを教えて!職種は?給料の相場は?在宅ワークの実態
今回のテーマは在宅ワークについてです。
リモートワークを導入する企業が増えたことで、家で仕事をする人も増えたように思います。特に、出勤の時間を取られない上、時間の調整がしやすい在宅ワークは、子育て中のママやパパにとって魅力といえるでしょう。
そこで今回は、口コミサイト「ウィメンズパーク」のママたちの在宅ワーク体験談をお届けします。また最後に、働き方コンサルタントである椎葉怜子さんに最新の在宅ワーク事情について聞きました。
自営型は融通がきくけれど時給換算すると低賃金だという声も
――まずは在宅ワークをしているママの声からご紹介します。
■ とにかく在宅ワークを斡旋するサイトに登録してみては?
「在宅ワークのサイトがあるので、在宅ワークを希望しているのであれば、一度登録をしてみるのもいいと思います。
仕事もいろいろ、手数料もいろいろです。技術や特殊な能力、才能があれば、そこそこに稼げますが、アンケートやテレビの感想など、誰にでもできる案件は単価も安いです。
怪しい求人や詐欺もあるので、私は本人確認の有無や実績などをしっかり確認してから、契約をするようにしています」
■ コールセンターの仕事は研修後、在宅可能
「先日、副業をしようとコールセンターのお仕事に応募しました。研修後は在宅勤務も可となっています」
■ 通信添削の仕事をしています
「在宅で通信添削の仕事をして4年目になります。
最初の1~2年こそ仕事量が少なかったものの、最近は増えて、かなり忙しくなってきました。月の下旬~翌月上旬は特に忙しいので、学校の用事などもやりくりが必要です。
在宅ワークがベストかというと、人それぞれではないでしょうか。家でできて通勤がない分、光熱費と通信費がかなりの負担になります。また顔の見えない相手とのコミュニケーションはしなくてはならないので、神経が擦り減る場面も多いと思います。」
■ テープ起こし、データ入力などがありますが、営業や事務のスキルも必要
「以前、在宅ワークのセミナーへ行きましたが、月に5万円稼げたらスゴイという感覚です。
ライティング、デザイン、テープ起こし、データ入力などの業務が多く、セミナーで説明をしていた方は、日中と夜に作業をしていました。安定した受注がないので、どうやったら新しい仕事を開拓できるかに私は頭を悩ませています。
結局、個人事業主なので、営業もスキルも自分で考えて身につけていかなければなりません。売上に対する経費を考えたりと、お金の知識も必要です。
私はデザイン業なので、有料のフォントや素材の会員費、ソフトの契約料などの支出も多いです。
見積もりやスケジュール作成、工程管理もやるので、いろいろと付随してやることが多いということは知っておいたほうがいいと思います」
■ WEB記事のライターをしていますがパートのほうが効率いいと思う
「在宅ワークでwebライターをはじめて4、5年です。
最初は1記事250円からスタートし、頑張って月に50記事以上書き、1年半ほどでスタッフに昇格しました。資格は必要ありませんが、忍耐とセンス、スピードと謙虚さが昇格の決め手だったと言われました。
現在は1記事1500〜2500円くらいで、この他に、10分250円の時給換算でスタッフ業務もしています。すべて在宅でです。
月の収入は扶養内におさめており、できる時にだけと決めて仕事をしています。実際スタッフとして、何十人も新人ライターさんを担当してきましたが、とにかく忍耐が必要。細かな添削にもくじけず、失敗を次のバネにしてスキルアップした人が、徐々に単価アップし、月に千円、数千円、数万円と稼げるようになっているのだと思います。
子どもが小さかったとき、クラウドソーシング系サイトで子育て記事のライティングもやっていました。継続的に月数万円くらいになっていたと思いますが、時給換算だと普通のパート以下だったかもしれません。
それでも家にいて都合のいい時間に多少でも稼げたので良かったです。ただタイピングが苦手だと、時間効率的にはイマイチですが」
■ ノーメイクで過ごせるし通勤はないけど、〆切命です!
「私はある理由でパートは断念し、ずっと在宅仕事をしています。ノーメイクで、通勤もないから在宅万歳!です。
『子どもが小さいから』『子どもが病気しました』は通用しません。何せ、『締め切り命!』ですから。クライアント様と信頼関係が形成されるまでは、こちらの都合は言っていられません。また月に何万円という保証もない仕事ではあります」
在宅ワーク希望派には、現在追い風が吹いている
子どもが寝ている間や自分のペースで仕事ができるのはありがたいことですが、時給換算にするとかなり低いという声も多かったです。それだけに、仕事内容や契約内容については、しっかりと見極めたいもの。
そこで、働き方コンサルタントとして多くの女性の相談にのってきた椎葉怜子さんに、在宅ワークを始める際に気を付けるといいことや、不確かな情報の見分け方などについて、教えていただきました。
「コロナを機にテレワークが一気に広まりました。自宅でできる仕事を探しているママたちにとって、まさに追い風です。
関心の高い『在宅ワーク』に加え、ママ向けの求人が増えた『在宅勤務』のトレンドについてもご紹介します。
厚生労働省の定義では、『在宅ワーク』は『自営型テレワーク』に分類され、会社に雇用されている人が自宅で仕事をする『在宅勤務』とは異なります。
在宅ワーカーは個人事業主なので、最低賃金法が適用されません。簡単にできる案件では、時給換算すると最低賃金を下回ることも。
収入を増やすには、『〆切厳守』と『スキルアップ』による実績と信頼の積み重ねが欠かせません。パソコンが苦手な人はパートのほうが向いていると思います。
仕事紹介の条件として、高額な登録料や受講料・教材費などを請求してくる業者には要注意です。悪徳業者の場合、会社名や所在地・電話番号などが偽の情報である可能性があります。
厚生労働省が運営する『自営型テレワークに関する総合サイト』では、在宅ワークのトラブル対策に関するEラーニングを提供しています。ぜひ、チェックしてみてください。
最近のトレンドとして、在宅ワークでできる『オンライン秘書、経理、人事などの事務系業務の案件』も増えています。実績を積めば、社員として登用されるケースもあるようです。
会社と雇用契約を結んで在宅勤務を行う『雇用型テレワーク』の分野では、在宅勤務を前提とした派遣社員の求人が急増しています。
募集職種は『テレフォンオペレーター、事務、営業、デザイン』など多岐に渡ります。さらに、『フルリモート(完全在宅勤務)』と呼ばれる出社不要の契約・正社員の求人も増えています。
自宅で働くといっても、自営型の在宅ワークだけでなく、派遣社員、契約・正社員として働ける選択肢が広がっています。ご自身の仕事経験や仕事ができる時間帯などを考慮しながら、幅広く仕事を探してみられてはいかがでしょうか」
(お話/椎葉怜子さん)
家で仕事をしたいと考えている人にとって、選択肢の広がりはうれしい環境の変化です。
自営型にするか、雇用契約を結んだ上での在宅勤務にするかは、本人のもっているスキルに加え、資質や環境、子どもが成長してからの働き方なども考慮して、じっくりと選べるといいですね。
(取材/文・橋本真理子)
※文中のコメントは口コミサイト「ウィメンズパーク」の投稿を再編集したものです。
※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
椎葉怜子さん
PROFILE
(株)ルシーダ代表取締役社長、(一社)日本テレワーク協会客員研究員。テレワーク、働き方の未来、女性の働き方、キャリアデザインをテーマに活動する「働き方コンサルタント」。共著に『テレワーク導入・運用の教科書』(日本法令)など。