フリーアナ・登坂淳一 わが家流離乳食は“食の楽しさ”がテーマ。ベビーフードも活用
現在50才で、生後7カ月となった(2021年12月現在)娘さんのパパでもあるフリーアナウンサーの登坂淳一さん。この連載では、娘さんとの育児の様子や、夫として・パパとしての思いなどを登坂さんのご本人の言葉でつづってもらいます。連載2回目となる今回は、離乳食についてのお話です。生後6カ月のとき娘さんの離乳食を始めるにあたり、パパとママが気をつけたこととは…?
「登坂パパ50才 家族ファースト主義」第2回
寝言の声の様子から、娘の1日のできごとに思いをはせる
うちの娘は、とてもよく寝ます。今は、夜から朝にかけて10時間から12時間は寝ます。時々、寝言のような声を出すことや、布団の上を時計の針のように回転していますが、朝までほとんど目が覚めることはありません。
すやすやと眠る娘を見ていると、とても穏やかな気持ちになります。とくに、寝ながら笑顔になっていると「何という幸せ」かと疲れも吹き飛びます。ところが、たまに、悲しそうな声を出すことが…。
赤ちゃんも寝ているときに夢を見るといわれているようなので、脳が一生懸命に働いているんだろうと思いつつも、私は、その日にあったことや娘の様子などを思い返してみます。妻にも聞いたりして、娘にとって刺激的だったことは何だろうと考えます。「散歩の帰り暗い場所を通って怖がっていたな」とか「遊んでいるときに興奮していた」など。悲しそうな声の原因を突き止めたいのではなくて、娘にとってどんな1日だったかを私の記憶に残したいという感じです。
同じことを毎日繰り返していても、娘が違う反応をしていることがあります。“小さな変化”を見つけると、それをヒントに、娘が好きなことや苦手なことなどを踏まえて、私も違うアプローチをするようにしています。もちろん、うまくいったり、いかなかったり、いろいろなのですが、そういう試みをするのが、私はとても好きです。
離乳食準備は大人が笑顔で食べる姿を見せることから
10月27日で、娘は6カ月になりました。ちょうどその日から、離乳食を始めました。その前にわが家では、離乳食に向けて助走期間を2週間ほど設けました。夫婦で食事をするときに娘を抱っこして、食べる姿や料理を見せて、まずは興味を持たせようとしてみました。最初は抱っこされていることで満足しているだけでしたが、数日すると、娘は、食べ物を口に運ぶのをじっと見るようになりました。これをきっかけに、「パパが今食べるのはごはんだよ。お米、おいしいよ」と、見せて、話しかけて、それから食べる。気をつけたのは、笑顔で食べることです。笑顔は、何かうれしいことだと、娘はわかっているからです。
離乳食を始めたころ、私も妻も食べさせることに夢中になっていたら、娘がプイと横を向いて食べないことがありました。夫婦で「ハッと」顔を見合わせ、娘に謝りました。「全然楽しくなかったね」。そしてやり直しました。笑顔で「おかゆだよ、甘くておいしいよ」と口に運ぶと、パクッと食べてくれました。食事は楽しいひとときだと伝えたいと考えているので、娘のこうした反応はうれしく感じます。
米炊きが特技のパパ、おかゆ作りで本領発揮!
離乳食を始める際に、たまたまですが、ひよこクラブの付録の冊子を参考にしました。「食べていいもの まだダメなもの」は基本的なことが確認できて役立っています。
炭水化物の基本、お米。私自身、お米が大好き。北海道で勤務していたときに、ブランド米作りについて、田植えから収穫までコメ農家を取材した経験があります。そのときお世話になったコメ農家の方から、新米の季節に「ゆめぴりか」をいただいています。名人が作ったお米を、ごはんをおいしく炊くことが特技の私が炊き、妻がそこから娘のおかゆにしています。
娘は、おかゆを口に入れると、最初はゴクッとすぐに飲み込んでいましたが、最近では味わってから飲み込むようになっていて、日に日に好みなんだなとわかるようになりました。
食器は、離乳食に合わせて新たにそろえることはしませんでした。普段使っているものの中から、料理に合わせて選んでいます。たとえば、朱色の小さな器に白いおかゆをのせる。鮮やかなコントラストなら、娘にもわかるかなと試みています。
離乳食作りの心強い味方とは…?
あるもので、やりくりしていくのがわが家流ですが、ひとつ新たに入手したものがあります。ブレンダーです。おかゆの裏ごしに苦戦して、やはり使ってみようとなり、妻が「まだポイントが残っている」と東京都の出産応援事業のポイントが残っていることを思い出し、早速手続きをしていました。なるほど、こういうときには助かるなと実感しました。子育て支援の政策は、自治体ごとに工夫していることも知りました。
娘が生まれる前は、まったく知らなかったのがベビーフード。スーパーの棚に並ぶ商品を見て、その充実ぶりに驚きました。いくつか買ってみました。どんなものかと一口食べてみたら、「大人でも食べられる」とさらに驚きました。娘には、裏ごしした「コーン」を食べさせてみると、わかりやすく喜んでいました。まだ少ししか試していませんが、離乳食の心強い味方になりそうです。
最近気になったことがありました。娘は食べるときに、毎回、手や足をバタバタさせます。抱っこしていると足を伸ばしてテーブルにつけようとします。食べさせにくいので、押さえるとさらに動かします。これは何のサインだろうと考えました。うれしくて興奮しているようではなさそう…。何日かして、ようやく不安定で食べにくかったんだと、気がつきました。ひとり座りができるようになったら、娘のイスを買いたいと考えています。
文・画像提供/登坂淳一 構成/ひよこクラブ編集部
寝言や、離乳食を食べる姿など、娘さんの日々の変化をとてもよく観察している登坂さん。少しの成長の変化も喜び、楽しく子育てしている様子が目に浮かびます。次回も登坂さんのパパ目線での子育てをご紹介します。お楽しみに!
登坂淳一さん(とさかじゅんいち)
Profile
1971年生まれ、東京都出身。1997年NHK入局、初任地は和歌山放送局。
その後、2003年からは東京アナウンス室へ異動し「おはよう日本」などを担当。35歳で白髪染めを中止し話題になる。2018年にNHKを退社し、現在はフリーとして活動し、オフィシャルブログ『白髪のパパ』で子育ての様子を発信している。