「おむつも取れてない! 会話もままならない!」早生まれの子どもの入園が心配なママたちへ【専門家】
早生まれのお子さんの幼稚園入園を不安に思うという声が多く聞かれます。そこで口コミサイト『ウィメンズパーク』のママたちの体験談とともに、発達心理学が専門の青山学院大学教授の菅野幸恵さんのアドバイスをお届けします。
焦らないこと、比べないこと、相談すること
――まずは早生まれのお子さんのママたちに幼稚園入園のエピソードを紹介します。
■その子なりのスピードで成長
「2月末生まれです。4月生まれの子と比べたら、園で作る作品などのクオリティーは雲泥の差です。でも、1年近く年齢差があるのだから仕方ない。給食も1学期はほとんど食べず、パンだけ、牛乳だけという日が続きました。けれども夏休みの預かり保育で突然食べるようになり、先生もびっくりしていました。入園すれば、子どもなりのスピードで成長していくものですね」
■園の先生からの言葉で不安も消えました!
「不安だった私が安心できたのは、幼稚園の先生から『教室や保育室は、どんどん失敗していいところ!です』と言われたこと。オムツが外れなくても、替えのパンツをたくさん持たせてくれればOKと言われました」
■集団生活の中で少しずつ成長
「3月生まれです。大丈夫!すぐに月齢が早い子たちにいい意味で引っ張られて早生まれなんて関係なくなります。プレや児童館のイベントで集団遊びの経験はありましたが、初めは1人で園庭で遊びたがりました。でも、入園してみたらきちんと自分の席に座り、園庭での活動もちゃんと参加できるように。集団生活で小さいながらもみんなや先生に合わせなければならないと察して動くことを覚えたようです」
■風邪で休みがちな次女も年中には元気に登園
「2月末生まれの次女は、オムツが取れていませんでした。背の順番も前から2番目。幼稚園はお弁当でしたが、好き嫌いも激しく、お弁当のおかずは、ほぼ毎日同じ。年少さんの頃は、上の子と比べて、風邪で幼稚園を休むことが多かったです。でも、すぐにオムツも取れて、お友だちもできて、年中さん以降は風邪で休むこともなく楽しそうに通園していましたよ」
■ひとりっこの早生まれで不安も問題なし!
「うちはひとりっこの早生まれなので、きょうだいとの関わりもない中ので入園で心配でした。他の子と比べて幼いと感じることもありますが、今のところ問題は起きていません。オムツのまま入園しましたが、1カ月くらいで外れて、夜もおねしょをしないです。トイレトレーニングや生活習慣など、お友だちを見て学んでくれるんじゃないかと思います」
■焦らず気長に見守るということ
「第1子は2 月、第2子は4月1日の究極の早生まれ。第1子の時の方が『うちの子は劣っている?」と気にすることが多かったです。けれども、同じ早生まれの子のお母さんと仲良くなり想いを共有する中で意識が変わりました。『クラスの子ができるようになったら、我が子も半年後にはできるはず』と思うように。焦らず気長に見守るということ、親にできるのはコレだけです」
■同級生やきょうだいと比べないことが大事
「2人の子ども達が3月生まれです。幼稚園の先生があたたかく見守って下さったお陰で、親もカリカリせずにすみました。親としての気構えは、『同級生やきょうだいができることが、我が子にできなくても気にしない!』ということに尽きるかと。毎日ニコニコ笑って楽しそうに登園してくれるだけでOK!と、親として思えたら大丈夫なんじゃないかな」
焦らない!ことが大事 早生まれの親の心構え
幼稚園入園を控えたママに向けて、発達心理学が専門の青山学院大学教授、菅野幸恵さんからアドバイスをいただきました。
「最近の幼稚園は3年保育が当たり前になってきましたが、早生まれであってもなくても3歳の子どもにとって、集団生活は家庭生活とは大きく異なり、馴染みにくいことがあるのは当然です。ましてや、3歳になったばかりの早生まれのお子さんたちにとってはそのギャップは大きく感じられるでしょう。
大事なのは、他の子どもと比べないことです。同じ早生まれでも発達のスピードは異なりますので、『うちの子はうちの子』の精神でいることが肝要です。
入園までにこれをしておいたらということはありません。食事のことを心配されているママもいらっしゃいますが、残さず食べる、つまり『食べられた!』という経験をすることが大事なので、量や質にこだわらず、お子さんが好きなものを食べられる量だけ、お弁当に入れてあげるといいと思います。
オムツは、子どものためにも早くとれるに越したことはないですが(重たいオムツをつけるのは負担ですし動きにくいですから)、入園までに間に合わせようと焦っても取れるものではないので、様子を見ていくしかないと思います。
園の先生たちはその道のプロですから、不安なことがあったら早めに相談するのがいいですね。ママたちの感想にもあったように先生の言葉で安心できることもあると思います。
親の不安は子どもにも伝わります。ついていけるか心配だったら、思い切って2年保育という選択をすることもアリだと思います。最近は早く集団生活に入れた方がいいと思う方が多いようですが、子どもたちが仲間を意識できるのは年中くらいからなので、2年保育でも仲間意識は十分育ちます。
3年保育に入れると決めたのなら、子どもを笑顔で送り出し、笑顔で迎えましょう」
(お話/菅野幸恵さん)
幼稚園入園は子どもたちにとっても、送りだすママたちにとっても不安がいっぱいです。ママは笑顔で送り出し、不安な時はその道のプロである先生に相談することが大事ですね。
(文・酒井範子)
※文中のコメントは口コミサイト「ウィメンズパーク」の投稿を再編集したものです。
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