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災害時に重要なのは、食べ物だけではない!子育てファミリーが備えておくべき3つのもの【防災士】

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いざ地震や豪雨の時に避難しようと考えてみると「荷物を抱え赤ちゃんを抱っこして避難できるのか…」「避難所で子どもの泣き声が迷惑になりそう」と不安に思う人もいるのではないでしょうか。コロナ禍での避難は感染症の面でも心配です。現在小学3年生と10カ月のお孫さんのお世話もしているという、イラストレーターで防災士の草野かおるさんに、子育てファミリーの備えについて話を聞きました。「身近なもので備えるアイデアを4コマまんがで発信しています。目で見たイメージをいざという時に思い出してもらえたらうれしいです」と草野さんは言います。

コロナ禍では在宅避難の備えを

食料は家族がいつも食べている食品を多めにストックして(草野かおるの4コマ防災より https://ikinokoru.info/?p=212)

――草野さんは防災のことを描いた4コマまんがのブログが話題になりました。どのようなきっかけで防災活動に取り組むようになったのですか?

草野さん(以下敬称略) 独身のころは防災についてまったく考えていませんでしたが、家庭を持ち、娘2人がまだ乳幼児のころに阪神淡路大震災が起こりました。東京在住でしたが、ニュースでの悲惨な状況を見たり、友人が被災したりして、防災について関心を持つようになったんです。子育てしながら、PTAや地域の自治会の活動で防災の勉強会や訓練などの活動をするようになりました。

その後2011年の東日本大震災のあと、メディアから流れてくる災害情報を、忘れないようにメモしながら簡単な4コマを描いてまとめていたんです。当時大学生だった長女がそれを見て「せっかくなら発信してみれば」と提案してくれ、ブログを始めてみました。それが話題になり『4コマですぐわかる みんなの防災ハンドブック』という本を出版することに。そのときには180本以上の防災ネタの4コマを描き、2011年、50才を過ぎてまさかの著者デビューとなりました。その後2018年にはきちんと防災知識を学び直そうと、防災士の資格も取得しました。現在は半径5メートルの防災に特化して、身近なもので備える工夫などを研究したり発信したりしています。


――コロナ禍である今、もし災害に見舞われたら、子育てファミリーは在宅避難が中心になるのでしょうか?

草野 そう思います。私には10カ月の孫がいますが、最近コロナ禍で保育園が休園になったために、共働きの娘夫婦のサポートとしてお世話をしています。小さい赤ちゃんと生活してみるとやっぱり大変。阪神淡路大震災で被災し、小さな赤ちゃんを連れて避難所で過ごした知人から、赤ちゃんの泣き声をうるさがられ心がへし折られてしまった、という体験も聞きました。優しい人もたくさんいるけれど、実際小さい子を連れて避難所で過ごすことは難しい面が多いです。
自宅がある地域が津波や浸水、土砂崩れなどのリスクがある場合は避難が必要ですが、自宅が安全であるなら、子育てファミリーは在宅避難を想定した備えが必要です。

乳幼児には2週間分のミルク、水、おむつ、カセットコンロ、ガスボンベ、レトルトの離乳食やお菓子などの備えは必要です。ガスボンベは強火で使うと1時間持ちませんし、非常時はすぐに売り切れます。赤ちゃんがいる家庭では消毒などに必要な場合もあるので、1日1〜2本使うつもりで準備するといいでしょう。
カセットコンロとガスボンベは、被災した方から「あってよかった」という声が多いアイテムです。

食べ物よりも重要なのはトイレの準備

家のトイレを非常用トイレに仕様変更する方法

――そのほかに必ず備えるべきものを教えてください。

草野 【1】明かり【2】水【3】トイレ です。【1】明かりは、夜間の災害時に100円ショップで売っているヘッドライトが便利。首から提げれば両手が使えるので、小さい子を抱っこしても使えます。【2】水は、最低でも2リットルの6本入り1ケースは準備しておきましょう。水は重いので給水所から運ぶのも大変です。

そして、あまり知られていないのが【3】トイレの問題です。災害時、公園などに仮設トイレが設置されるのは発災から3日後くらいが多いうえに、地震などで下水管が壊れた場合、残り湯などを使ってトイレを流すこともできなくなります。また、電気のスイッチで流すトイレは停電時に流せなくなるものも。ライフラインが止まった時には、家のトイレを非常用トイレに仕様変更しましょう。トイレは我慢できませんから、食べ物よりもトイレの準備が重要だと思います。

――非常用トイレはどのように準備するんですか?

草野 まず、便器に45リットルのゴミ袋で下地袋をかけ、養生テープで固定。その上から排便袋をかけ、便座を下ろします。排便袋には凝固剤やペットシーツなどを入れて水分を吸収させます。下地袋はライフラインが復旧するまでそのままにし、用をたしたら排便袋だけ取り出して空気を抜いてしばり、指定のゴミの日に廃棄します。
以前孫にも試してもらったら、ビニール袋におしっこをするとあちこち飛び散ることがわかりました。ペットシーツを敷いておくと、飛び散りにくくなると思います。トイレに限らず、防災用品などは一度使って試してみることは大事です。

非常時のトイレ用に、45リットルのゴミ袋は100枚くらいの予備があるといいですね。トイレ凝固剤は価格が高めなので、100円ショップで売っている10枚入りのペットシーツがおすすめです。1枚で人間のおしっこ2回分くらいは吸ってくれるので20枚ほど準備しておくといいと思います。ほかに赤ちゃんの紙おむつや古着を利用する手もあります。
自宅でのトイレの準備が大事なのは、災害時の仮設トイレなどでは性被害が少なくないからです。草むらで用をたそうとして被害に遭うことも。あまりニュースにはなりませんが、女性の尊厳を守るためにも、トイレのことは重要に考えてほしいと思います。

子育てファミリーこそ、いざという時のシミュレーションを

――草野さんが子育てする中で、こんな備えをしていてよかった、というものはありますか?

草野 トイレットペーパー、ティッシュペーパー、ウェットティッシュ、マスクなどの衛生用品は1カ月の備蓄が必要です。経済産業省も1カ月分は各家庭で備蓄するように呼びかけています。なぜなら、日本の製紙会社の多くは東海地方にあるため、南海トラフ地震が発生すると工場が回らずに供給不足となり、復活するのに1カ月程度かかるといわれるためです。わが家ではSARS(新型肺炎)の流行以来必ず備蓄をしているので、今回の新型コロナでも助かりました。感染症予防の面でも衛生用品の備蓄は大切です。

――では、子どもも一緒にできる防災アイデアを教えてください。

草野 わが家では地震速報などがあった日に、点検も兼ねて備蓄の缶詰やレトルトを食べる防災デーをやっていました。防災ピクニックなどもいいですね。公園でレジャーシートを敷いて防災食を実際に食べてみると、子どもと一緒の時にどんなことに気をつければいいかもわかると思います。
以前PTAの防災イベントで小学校の体育館に一晩泊まったことがありますが、体育館ってすごく寝づらいし、音が響くし、夏だったのですごく暑かったんです。一度経験しておくと、不便さや必要なものがわかりやすいでしょう。

また、普段から子どもと自然に親しみ体験することも大事だと考えています。私は雨の日に孫と公園に行き、道に川のように水が流れる様子や、泥の水たまりができる様子を一緒に観察します。このような体験も、自然は人の力が及ばないもの、と知ることができ、防災を意識することにつながると考えています。

大切なわが子を守れるのは親です。災害時を想定して一度試してみることはすごく大事です。あとは頼りになる人をリストアップして、できれば頼んでおくこと。避難が必要な地域に自宅がある場合は、安全な地域にある実家や親族、友だちの家に避難させてもらったり、ホテルなどの選択肢を考えておくと心の保険になるし、いざという時にパニックにならずに対応できるでしょう。車に乗るときにシートベルトを締めるのと同じように、防災の備えは自分や家族の命を守るシートベルトとなってくれると思います。


お話・監修・イラスト/草野かおる 取材・文/早川奈緒子、ひよこクラブ編集部

大切な家族の健康や命を守るためにも、日常の延長でできる備えをしておくことが大事です。子育てファミリーは災害時にも必要な物資を買いに行けないなど、すぐに動きにくいもの。ミルクやベビーフード、紙おむつ、おしりふきなども多めに備えておくと安心です。

※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

草野かおるさん(くさのかおる)

PROFILE
イラストレーター・防災士。
自治会などの防災活動に16年間かかわり、東日本大震災後に4コマイラストの防災情報をブログで発信。2018年に防災士の資格を取得。小学3年生と10カ月、2人の孫の子育てをお手伝い中。近著に『おうち避難のためのマンガ防災図鑑』(飛鳥新社)がある。

『おうち避難のための マンガ防災図鑑』

日常生活に防災の視点や備えを加えたおうち避難のための防災本です。スーパーや100均などで手に入るアイテムが“役立つ備え”に変身!!自宅で避難する時代、コスパを意識した防災対策で万全に!

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