今回はマンガ家あるある?確定申告のお話【御手洗直子のコマダム日記】
今回は確定申告について。一大センセーションを巻き起こした「婚活コミック」著者、御手洗直子さんが結婚して2児の姉妹の母に。あいかわらずのつっこみどころ満載の日々、渾身のひとコママンガ&エッセイでお送りします。「つっこみが止まらないコマダム日記」#95
コレ書いてる時点で書類の提出すら終わっていない
確定申告の時期である。会社勤めであれば、会社がやってくれるのであろうが自営業は自分でやらなければならない。初めて確定申告へ行った時はものすごいざっくりとした申告書を作って税務署へ行き、なんかおかしなところがあったら税務署の人に直してもらおうと思って相当ナメた態度で臨んだのだが、想像以上に税務署で『大変申し訳ありませんでした。もうしません。』という状態になった。なんもわからんド素人がガバガバな申告書を携えて行ったため、税務署の人に『経費全然入ってないじゃん、大丈夫なのコレ????』とめちゃくちゃ心配されてしまったのである。
おじさんは『領収書とかレシート持ってきた?!出して!』と私に資料を出させ、『これも経費になるしこれも入れられるし、これは控除になるやつだし…』とその場で計算してくれ、『ちょっと直してもらおう』どころではなくほぼそのおじさんが作った書類で申告を終えたのであった。私の持ってきた書類はそのまま破棄された。無念。経費とか入れずにそのまま提出させれば納税額が上がりアホな若者から余計に税金をむしり取れたというのに、おじさんはアホな若者が心配すぎるあまり自分の仕事を余計に増やしてまで(いやそれが元来正しいお仕事ではあるが)助けてくれたのである。本当に大変申し訳ありませんでした…。
その年の確定申告はそれで終了してしまったが、私は反省した。税務署のおじさんに他の仕事を放棄させた上で酷使してしまったからだ。来年は、おじさんの手を煩わせず自分の力で申告をせねばならない…。
反省した私は5万円ほどで納税ソフトと確定申告の本を購入し、勉強した。そして自分で書類をまとめデータを入力し始めた。しかしわからね~~~~~のである。外税とか内税とか棚卸とか売掛とかなんとかかんとか、その場で『これってどうするんですかね?』と聞ける人がいないと都度ググるしかない上にググッても結局わからないのだ。どうにもこうにもならんので、その会計ソフトが主催している確定申告講座に申し込み、受講することにした。とくと見よこの意気込みを。私は反省し、学び、さらなる飛躍を遂げ経理もできる個人事業主へと転換するのだ。
そして二時間の受講が終わったところで、私は講師を務めていた税理士の先生にそのままその年の確定申告の依頼をした。無理無理無理の無理である。むり。先生。お願いします。
それから数十年、一回も自分で申告していないのであった。会計ソフトを活かしてやれなくて無念。(おわり)
御手洗直子
Profile pixivで大人気。累計閲覧数1100万を誇る爆笑コミックエッセイスト。なんでそんなにネタ満載人生を・・・という謎の人。既刊に「31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる」「31歳ゲームプログラマーが婚活するとこうなる」(共に新書館)、「腐女子になると、人生こうなる!~底~」(一迅社)、「つっこみが止まらない育児日記」「さらにつっこみが止まらない育児日記」(ベネッセコーポレーション)など。たまひよのサイトで、数話限定公開中。
御手洗直子twitter:@mitarainaoko