AIスピーカー[Google Home]は育児に使えるか?2才児父が導入してみた
グーグルから10月6日に発売されたスマートスピーカー「Google Home」は、グーグルのAI(人工知能)「Googleアシスタント」を搭載し、話しかけるだけで天気やニュースを教えてくれたり、音楽を流してくれたり、部屋の照明を調整してくれたりする画期的な製品です。
発売前日に都内で開かれた記者発表会では、リビングとキッチンでの利用を想定したデモンストレーションが披露されましたが(写真下)、「これって育児にも使えるんじゃない?」と思った記者(1児の父)が、早速自宅にGoogle Homeを導入してみました。育児グッズとしての実力やいかに?
セットアップは難しくないが、子どもを「静かにする」のは難しい
Google Homeの使用を開始するには、スマートフォンやタブレットなどによるセットアップが必要です。ほとんど画面の指示に従うだけなのでスムーズにいけば数分で済むのでしょうが、近くにいた子ども(2才)がたまご形のスピーカーに強く興味を抱いてしまったため、やや時間を要してしまいました。それでも10分ほどで完了。
Google Homeに向かって「OK Google」と話しかけるとGoogleアシスタントがさまざまなタスクをこなしてくれるというので、早速「子どもを静かにさせて」とお願いしてみましたが、「すみません、お役に立てそうにありません」と断られてしまいました。
子どもの好きな音楽を流してくれる
世界の最先端を行くグーグルのAIでも、さすがにそこまではまだ対応できないようです。そこで、お願いする内容を変えてみました。
「子ども向けの曲をかけて」と話しかけてみると、Google Homeが「Google Play Music」のラインアップから「子どものためのクラシック」を選んで再生してくれました。このあと、NHKの子ども番組の曲をリクエストすると子どもは大喜び。
コンパクトな割に音質はクリアで、重低音もしっかり鳴っています。これは、搭載している「高出力スピーカー」の特徴なのだそう。音楽好きの人も納得する音質だと思います。10月23日には、Google Home(税別1万4000円)よりもリーズナブルなGoogle Home Mini(税別6000円)が発売されますが、部屋で音楽をかけっぱなしにしておきたい人にはGoogle Home がおすすめです。
マルチタスクのママ、パパに便利
「Google Home」を導入しておよそ1週間。便利さを感じるのは、「ほかの作業中に両手が取られない」という点です。たとえば妻は、子どもにその日どんな服を着せるか、天気予報と気温を調べてから決めています。しかしスマホで調べようとすると両手も視線も奪われてしまうので、キッチンから筆者の仕事部屋に「今日の天気調べて!」と“指令”が飛んでくることもしばしば。Google Homeは、「今日の天気は?」と声をかけるだけでその日の天気を教えてくれるので、筆者が呼び出されることもなくなりました。人に聞くよりGoogle Homeに聞いたほうが、返答もすばやいのです。ちなみに「3分後に教えて」と話しかけるとキッチンタイマー代わりにもなります。
Google Homeは、子どもの遊びや知育、寝かしつけなどにも使えます。たとえば、「ゾウの鳴き声は?」と聞くと、「パオーン」という実際の音声が流れます。「りんごを英語で言うと?」と聞くと「apple」が正しい発音で再生されます。寝かしつけたい時は「子守うたを聴かせて」と言えば、静かな音楽を流してくれます。
子どもがしゃべるようになったら、大人といっしょに
主に利点を紹介してきましたが、注意すべきこともあるでしょう。Google Homeを育児で使用する際の注意点を、グーグル広報部の坂井真理さんに聞きました。
「小さなお子さまがインターネットに触れる際、大人の方といっしょであるか、大人が見守りながら使うというケースが多いと思います。Google Homeもインターネットにつながっていますので、お子さまおひとりでは使わず、大人の方がそばにいて一緒に利用することを推奨しています。また、Google Homeの本体上部をタッチして操作することもできるので、お子さんが触ることで音量が大きくなってしまうということがあるかもしれません」
便利さばかりに目が行ってしまうと、「インターネットにつながっている」ということを忘れがち。子どもがしゃべれるようになったら、意図せぬ使い方をされないように注意しましょう。
まだGoogle Homeを完ペキには使いこなせていませんが、手を使わずにいろいろな調べ物ができるというのは、育児中の人なら大助かりだと思います。赤ちゃんを抱っこしながら、おむつを替えながら、その日の天気を調べたり、Googleカレンダーの予定を確認したり。ただ、こちらの「聞き方」によっては答えを出せないことも多く、まだまだ万能というわけではないようです。その点は、Google Homeが時折「もっと勉強して改善します」と言うように、AIの進化に期待したいところです。(取材・文/香川 誠、ひよこクラブ編集部)
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