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鈴木おさむ「僕が育休をとったのは、妻を早く仕事に帰したかったから」周りの理解にも感謝

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放送作家として、ドラマや映画など数々のヒット作を生んできた鈴木おさむさん。息子さんが赤ちゃんのころに育休も取り、家族との時間を過ごした鈴木さんに、自身の育児について聞きました。

妊活・出産を通じてまわりに助けられていると実感

――息子さんが赤ちゃんのとき、育休を取ってお仕事をセーブされましたが、当時、どんな思いで育休を取られたのでしょうか。

鈴木さん(以下敬称略) 育児をしようというよりは、妻を早く仕事に帰したかったんですよ。妻が妊活で休みたいと言ったとき、妊活というゴールの見えないことにもかかわらず、まわりが受け入れてくれたんですよね。まずは(森三中の)黒沢(かずこ)に休みたいと伝えたんですけど、当時は村上(知子)が育休中で、妻が休むと黒沢が1人になっちゃうタイミングだったんです。
さすがに嫌がるだろうと思ったけど、黒沢は「わかった」ってひと言でOKしてくれて。

僕はもう、それを本当に感謝しているんですけど。テレビ局も、番組の卒業という判断もできるのに、「待ってます」って言ってくれたんですよね。そうやって、待ってくれている人がいるから、仕事に戻ることが妻の責任でもあると思ったんです。

そのために、自分ができることは何かを考えて、育休を取ったんですよね。もちろん、子どもが0〜1才の間にたくさん時間を共有したいっていう気持ちもありました。でもとにかく、妻が安心して仕事に行くためにはどうしたらいいのか、試行錯誤した時期でした。妊活や出産を通して、世の中は人と人のバランスで成り立っていて、いろいろな人に助けられて生きていることを実感しましたし、それに感謝しないといけないって、あらためて思いました。

妻を仕事に戻すことが自分の自信につながった

――息子さんが0才のころ、鈴木さんはどんなパパでしたか?

鈴木 育児をするというより、息子との時間を楽しもうと思っていました。妻がバラエティー番組に復帰したのが出産から半年後、1月18日だったんですけど、その日に初めて息子と2人きりになったんですよ。トレーニングはしていたんですけど、最初はドキドキでした。でも息子と2人きりでいると、だんだん友情が生まれてくるんですよね。2人で思い出をつくりたくて、よく散歩にも行きました。

ママの抱っこがいちばん安心できるお布団だとすると、自分の胸もソファくらいにはなるだろう、くらいの感覚でいましたね(笑)。この人といるとママとは別の面白さがあるって思ってくれないかなって。それから徐々に妻は僕に任せても大丈夫と思ったようで仕事に行く日を増やしていって、5日間の出張にも行って…妻を仕事に戻そうとすることが、自分の父親としての自信にもなっていきましたね。

――妊活も育児も夫婦の問題ながら、片方に負担がかかることもありますが、その状況を変えるには何が必要だと思いますか?

鈴木 子どもを育てることって、自分に返ってくると思うんです。僕は常々、子どもと一緒に成長しようって思っていて。僕は好奇心がめちゃくちゃ旺盛なので、子どもを通して知らなかったことを知れるのがすごく楽しいんです。自分もこうやって育ってきたんだとか、自分自身を知ることにもつながるし、育児はすごく勉強になるから、それを一緒にやっていかないのはもったいないと思います。もし、あなたのパートナーが妊活や育児に積極的ではないならば、それを伝えてほしいですね。


撮影/なべ 取材・文/川辺美希 構成/ひよこクラブ編集部

「子どもを通して知らなかったことを知れるのがすごく楽しい」と言う鈴木さん。ママもパパも一緒に赤ちゃんに関わり、楽しみや勉強になることを一緒に見つけていけるといいですね。



参考/『ひよこクラブ』2022年3月号「鈴木おさむさん SPECIAL INTERVIEW PLUS」

※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

鈴木おさむ(すずきおさむ)

PROFILE
1972年、千葉県生まれ。19才で放送作家デビュー。バラエティーを中心にテレビ番組の構成・演出を手がけるほか、映画・ドラマの企画・脚本・監督や舞台の作・演出、小説の執筆でも活躍。2002年に森三中の大島美幸さんと結婚。1児の父。

『僕の種がない』

テレビ業界で生きる主人公を中心に、妊娠・出産をめぐり悩み、生きる人々の姿や男性不妊治療の実情をリアルに描く、著者渾身(こんしん)の物語。(1650円/幻冬舎刊)

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