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〈注意〉かくれんぼ、想定外の場所で窒息事故が…。穴・すき間…子どもの好奇心が大きなトラブルに【小児科医監修】

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手に包帯を持つ子供
※写真はイメージです
Hakase_/gettyimages

消費者庁 子どもを事故から守る!プロジェクトでは「vol.585運転中の縦型全自動洗濯機の下に手を入れ怪我をする事故に注意!」というリリースを出して、洗濯機の事故防止を呼びかけています。消費者庁のリリースによると2歳の子が大けがをしています。子どもの事故に詳しい、小児科医 山中龍宏先生に洗濯機に関する事故について話を聞きました。

運転中の縦型全自動洗濯機の下に手を入れて薬指の一部を切断

消費者庁のリリースでは、かさ上げされた防水パンに設置された縦型全自動洗濯機下部のすき間から2歳の子が手を入れてしまい、回転部に巻き込まれて薬指の一部を切断し、骨折した事故が報告されています。事故の詳細は、日本小児科学会のHP「傷害速報」でも報告されています。

――事故の詳細について教えてください。

山中 2020年7月、2歳8カ月の男の子が自宅で、運転中の縦型全自動洗濯機の下に手を入れて、大けがをしました。洗濯機は2013年に製造されたもので、購入もそのころでした。
家族は家の中にいたのですが、男の子はリビングと洗濯機がある洗面所を行ったり来たりして遊んでいるうちに、事故が起きました。
洗濯機からガガガという音がして、男の子の泣き叫ぶ声が聞こえて、パパがかけつけると指から出血。救急車を呼んで、すぐに処置をしたのですが、左薬指の第一関節ぐらいのところから、辛うじてつながっているぐらい傷が深かったため緊急手術を行い、薬指の一部を切断することとなりました。

――事故にあったのは2歳8カ月の子ですが、こうした事故は何歳ぐらいから注意したほうがいいのでしょうか。

山中 はいはいを始めて、1人で動くようになったら注意が必要です。子どもは好奇心旺盛で、すき間や穴に興味を示し、指を入れたり、手を入れたりするものです。

――縦型全自動洗濯機の下の構造は、どのようになっているのでしょうか。男の子は、突起部分に指をはさんだりしたのでしょうか。

山中 縦型全自動洗濯機の底には、洗濯槽を回転させるモーターがついています。男の子も回転しているモーターに指をはさんでいます。

縦型全自動洗濯機の底

縦型全自動洗濯機は、平面に設置した場合には、底面のすき間から手や足が入らない構造となっていますので、ふたなどはなく回転部が露出しています(画像の洗濯機と実際の事故は関係ありません)

――事故を防ぐには、どうしたらいいのでしょうか。

山中 家庭でできる対策としては、防水パンと縦型全自動洗濯機の間にすき間ができないようにすることが大切ですし、すき間がある場合には、専用プレートなどでしっかりすき間をふさぐことが必要です。メーカー側も、洗濯機の下のほうには「本体の下に手足などを入れない(手足を切るおそれ)」などシールを貼って注意喚起していますが、手足が入らないような構造を考えてほしいです。

――この事故は、大人でも起きているようですが。

山中 落とした洗濯物を拾うために、運転中の縦型全自動洗濯機の下に手を入れて指を骨折したり、切ったりしている報告もあります。子どもだけでなく、ママやパパも注意が必要です。

ドラム式洗濯機の中に、閉じ込められて窒息する事故も後を絶たず

2018年大阪で、5歳の男の子がドラム式洗濯機の中に入ってしまい、亡くなっています。ドラム式洗濯機の事故も後を絶ちません。

――大阪で起きたドラム式洗濯機の事故では、5歳の男の子が亡くなっていますが、何歳ぐらいまで注意が必要なのでしょうか。

山中 前述のとおり、子どもはすき間や穴に興味を示します。2018年大阪で起きた事故は5歳の子ですが、小学1年、2年生になっても体が入るうちはこうした事故は起こります。またかくれんぼなどの遊びで、下の子をドラム式洗濯機の中に入れてしまうこともあります。

――ドラム式洗濯機の中で亡くなるのは窒息が原因とのことですが、どのぐらい閉じ込められると亡くなってしまうのでしょうか。

山中 子どもの体格や気密性などで多少異なりますが、2015年、小2の男の子がドラム式洗濯機の中に入ってしまい、亡くなった事故では、閉じ込められていたのは最長で約3時間です。
午後11時ごろに、子どもがママに「おやすみなさい」と言っています。約2時間後、部屋に行くと子どもが見当たらず、午前2時にドラム式洗濯機の中にいる子どもを発見しています。
このように発見が遅ければ窒息で亡くなりますし、発見が早くても酸素欠乏症で脳の機能低下などの後遺症が残る可能性もあります。

――ドラム式洗濯機の事故を防ぐには、どうしたらいいのでしょうか。現在販売されているモデルは、中に閉じ込められても内側から押せば開けられる構造に改良されていますが、現在使っている製品の中には、そのような構造でないものもあります。

山中 運転していないときも、チャイルドロック機能を使って、子どもがドアを開けないようにすることです。

――子どもは好奇心旺盛で、穴やすき間に興味を示すとのことですが、手足が入ったり、体が入ったりするような穴やすき間に注意するといいのでしょうか。

山中 公園にある回転式遊具の回転軸部分のボルトがはずれている穴に、子どもが指を入れてしまい、切断した事故もあります。
たとえば直径14㎜の丸い穴だと、1歳の子はほぼ全員、人さし指の根元まですっぽり入ります。直径15㎜の丸い穴だと、2歳の子はほぼ全員、人さし指の根元まですっぽり入ります。
動くものの中に手や指を入れる危険性をママやパパには、あらためて認識してほしいと思います。

「穴やすき間に手や指を入れるのは子どもの特性」と、山中先生は言います。ママやパパができるだけ危ないところ、危ないものについては子どもに伝えるようにしましょう。しかし、ママやパパがいくら言い聞かせても事故を防ぐのは難しいことも。家庭の中では、危険な穴やすき間をチェックして、手足や指を入れないように対策することが第一です。

お話・監修/山中龍宏(やまなかたつひろ)先生

協力・写真提供/消費者庁、一般社団法人 日本電機工業会、公益社団法人 日本小児科学会、取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部

※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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