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コロナ禍であらためて重要性が増したかかりつけ医。どうやって見つけたらいいの?【専門医に聞く】

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医師が医療処方箋を書く
demaerre/gettyimages

新型コロナウイルス感染症が流行って、症状が表れたときに言われた「まずはかかりつけ医に」という言葉。みなさんにはかかりつけ医はいますか。コロナ禍で必要性を感じた家族みんなのかかりつけ医の見つけ方について、口コミサイト「ウィメンズパーク」のママたちの声を紹介するとともに、家庭医療専門医である岡田唯男さんにアドバイスいただきました。

子どもが小さいうちは、かかりつけ医はあったけど…

まずは、ママの声から紹介します。

■ 小児科・内科クリニックは親子で通えて安心
「近所に小児科・内科クリニックがあり、そこへ家族で通っています。子どもは発熱や喘息、予防接種などの折に、親は数年に一度、発熱か胃痛で受診するくらいですが、親子で先生とも面識があるので安心感があります。受診した病気以外のちょっとした心配事が相談できるのもいいですね」

■ 子どもが小さいうちはあったけれど、病院へ行く機会が減りました
「子どもが小さいときは、耳鼻科と小児科のかかりつけ医がいましたが、今は病院に行く機会がほとんどないです。今回のコロナ禍のような場合は、何か症状がある場合に、かかりつけ医がいれば相談しやすいと思います。長く通っていれば体質なども理解してもらえて、薬の処方も的確になると思いますし。些細な相談もできるようになる関係性が築ければいいと思います」

■ 診療科と症状ごとにかかりつけ医がいます
「歯科、皮膚科、内科のかかりつけ医がいます。ちなみに、親子バラバラです。自分にはあまり必要性やこだわりはありませんが、子どもには必要だと思います。いちいち説明しなくても、既往歴、体質、個性など把握してもらっている利便性と、子どもが安心して受診できるので」

■ 親子2代でお世話になっているクリニックがあります
「内科で親子2代にわたってかかっているクリニックがあります。遺伝性と思われるアレルギーがあるので、家族全員の情報があるのはいいと思いました」

■ コロナ禍で要性を痛感しました
「今まで私自身は皮膚科と婦人科しか通っていなかったので、コロナの検査をしてもらう身近な病院がなくて焦りました。内科にはほとんど行ったことがなく、必要性も感じていませんでしたが、オンラインで気軽に質問できて、いざという時にすぐ行ける病院があったらいいのに、とコロナ禍になって感じました」

患者の心身、家族、生活の状態を総合的に診るプライマリ・ケアの必要性

「何かあったときのために、家族みんなが受診できる医師の存在があるといい」と考えている方が多いようですね。
そうした医師はどのように見つけたらいいのか、家庭医療専門医である岡田唯男さんに伺いました。


「世界的には、プライマリ・ケア機能を提供する医療者の数が多い地域ほど死亡率などの健康指標が良い(つまり地域の健康度が高い)と言われています(一方でその他の医療者の数と地域の健康とは関連しない)。

そのため、プライマリ・ケアが提供できる医師を見つけることをおすすめします。

プライマリ・ケア機能とは、以下の4つとされています。

【1.窓口機能】何かあったらまずそこへ相談することができる(症状や相談内容を問わない、利用者がどこに相談すればいいか考える必要がない。とりあえずコンビニ行けばなんとかなるだろう、という感覚です)

【2.個別化された長期的ケア】患者さんの生活背景(価値観や性格、家族状況、経済状況、仕事など)を知っており、それらを考慮した医療を継続的に提供してくれる

【3.包括性】幅広い問題に対応可能(どのような相談をしてもxxは対応できないのでxx科へと言われることが少ない)

【4.ケアの調整】その人に必要な医療や関わる医療、福祉関係者が多い場合、その優先順位や、重み付けをして、わかりやすく整理し、負担を減らしてくれる(紹介状書いてそっちに行って、そのことはxxさんに聞いて、で終わりにしない)

こういう対応ができる医師のことをプライマリ・ケア医、家庭医、総合診療医などと呼びます。
これは、いわゆるかかりつけ医と似ていますが、かかりつけ医は皮膚科のかかりつけ、内科のかかりつけなどと1人が複数持つことができる一方、健康上のメリットが証明されているのは1人の医師が、上記の1~4のような「身近にあって、何でも相談にのってくれる総合的な医療」を全てを担う場合のみとされています(1つの医療機関が担う場合は大病院は含まれません)。

では、そのようなプライマリケアのできる医師はどこで見つけることができるのでしょうか?

日本プライマリ・ケア連合学会では、公開に同意をした専門医取得者のリストを提供しています(参考※1)が、まだその数が十分ではありません。

地域で開業をされているお医者さんは、日本プライマリ・ケア連合学会の専門医と同じ高いレベルで診療をされている人もいれば、その真逆の人もいます。
今のところは口コミに頼るしかないように思います。
また、残念ながら、いわゆる標榜科(ひょうぼうか)からプライマリ・ケア機能が提供できているか判断する方法はありません。
※標榜科(ひょうぼうか)とは、医療機関が「内科」「外科」など看板などに記載することのできる診療科名のこと

日本プライマリ・ケア連合学会の専門医が近くにいない場合は、口コミで良さそうなところにかかってみることになるでしょう。何度かかかってみて、『合う、合わない』の肌感覚も重要です。
その後、その医師の標榜科や専門分野以外の内容について『こんなことを聞いて良いのかわかりませんが…』と前置きして相談をしてみてください(内科の先生なら、あえて、子どものことや、皮膚のこと、月経のことなど)。
そこで事務的に、『それは専門外です』とか『xxクリニックに紹介します』という回答が返ってくる場合は、わからないものをわからないと言える点では誠実ではありますが、地域の健康度を上げることが証明されているプライマリ・ケア機能を提供している医師ではない可能性が高いです。

またプライマリ・ケア機能の専門家は『内容を問わず』地域のよくある日常的な問題の『大半』に対応可能ですので、現在の日本で『コロナワクチンの接種を行っていない』『発熱などの症状の相談ができない』というところは、プライマリ・ケア機能を提供していないと考えられます。

一方、そのお医者さんが、あなたがどの辺りに住んでいて、どのような方法で通院しているのか、家族構成がどうで、仕事が何で、どのような性格や価値観なのかなどに興味を持ってそれらについての質問をされる場合は、あなたや家族の健康指標を高めてくれる医師の可能性が高いと考えて良いと思います。

そのような医師にとってあなたのことについての諸々の『雑談』は、実は、あなたのために個別化された最適な医療を行う上で重要な価値を持つ情報の一つなのです。

(お話/岡田唯男さん)

参考) 日本プライマリ・ケア連合学会専門医一覧(※1)

日本プライマリ・ケア連合学会 プライマリ・ケアとは(一般の方向け)

「1人の先生にあれもこれも相談するのは気が引けて…」と考えてしまいますが、様々な情報がその人の健康を守るためには大事なのですね。安心して相談できる医師を身近で見つけたいと実感しました。(取材/文・橋本真理子)

※文中のコメントは「ウィメンズパーク」(2022年1月末まで)の投稿を再編集したものです。
※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

岡田唯男さん

PROFILE
鉄蕉会 亀田ファミリークリニック館山 院長。在沖縄米海軍病院、京都大学医学部付属病院、米ピッツバーグ大学メディカルセンター付属シェイディサイド病院を経て2006年6月より現職。専門分野は家庭医療学(日米の家庭医療専門医)、公衆衛生学、予防医学、総合診療など。

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