「妊娠生活が辛すぎて2人目は考えられない」「夜泣き対策を教えて」ママのお悩みにベテラン助産師がアドバイス
「たまひよ」アプリユーザーに、「子育てのことで、専門家に聞きたいこと、悩んでいることはありますか?」と、質問。たくさんのお悩みが届きました。そこで総合病院・クリニック・助産院など様々な場所に勤務し、これまでに数千人の母子のケアに携わられた助産師の濵脇文子先生にアドバイスをいただきました。
Q マイナートラブルに凹む妊婦生活のお悩み
「妊婦生活が辛すぎて二度と妊婦になりたくない……と思ってしまいます。産んだら忘れるものなのでしょうか」(てんちゃん)
濵脇先生の回答「辛いものは辛い。なので視点を未来へ移しましょう」
案ずるより産むがやすし! です。とはいえ辛いものは辛いですよね。しんどいと、どうしても目先のことに視点をおきがちですが、「もうすぐ赤ちゃんとの生活が始まる」「楽しいことがいっぱい待っている」と、視点を未来に移してはどうでしょう。
妊娠生活はいずれ終わります。「しんどい、しんどい」と、言っていた妊婦さんが、出産後に「なんか寂しい」「しんどかったけど、今ではいい思い出」と、話すのはよくあること。おなかの中で赤ちゃんを育むという、貴重な時間を味わってほしいと思います。
Q なんで泣くの~、泣きたいのはママよ~。夜泣きのお悩み
「生後4ヶ月になり夜泣きが始まりました。夜泣きをしなくてすむように対策があれば知りたい」(りぃママ)
濵脇先生の回答「赤ちゃんを、無理して泣き止ませる必要はありません!」
まず、泣く=ネガティブ と考えることをやめましょう。真面目なお母さんほど「泣き止ませなきゃ、なんとかしなきゃ」と、思ってしまうのですが、赤ちゃんが泣くことは成長するうえで必要なことであり、なんなら無理して泣き止ませる必要はありません(笑)
そもそも「夜泣き」は、脳の発達過程で起きる生理的な現象。誰もが通る道であり、成長とともにやがて収まります。
ただ生後4ヶ月ならばサーカディアンリズム(体内時計)を整えたい時期。
お布団に入る→部屋を暗くする→子守唄を歌う、などの寝る前のルーティーンを確立し、夜中の授乳は薄暗い中で→朝になったらカーテンを開けて日差しを浴びせる、余裕があったらお昼にお散歩するなどして、昼夜のリズムをつくり、睡眠を促すホルモン「メラトニン」をしっかり分泌させて、睡眠の質をあげることも夜泣き対策のひとつの手段といえそうです。
ちなみにスマートフォンなどの青い光(ブルーライト)は脳を刺激し、「メラトニン」の分泌を抑える働きがありますので、気を付けましょう。
Q 「わからないことがわからない」毎日の生活で感じるお悩み
「1人目だから全てが分からない」(ドナちゃん)
「赤ちゃんとの普段の関わり方をどうしたらいいか知りたい」(kzs)
濵脇先生の回答「赤ちゃんが0歳ならママ(歴)も0歳。わからなくて当たり前なんです」
わからないって不安になりますよね。でも、赤ちゃんのことがわからない、知らないということは当たり前なこと。なぜなら、世の中には「赤ちゃんと一緒に生活したことがない」という人が、当たり前にいるからです。
赤ちゃんは毎日成長します、毎日変化します。しかも育児書通りにはいきません。なので「必要か・不必要か」と考えるのではなく、「赤ちゃんが笑った・赤ちゃんがご機嫌なった」を基準にしてはいかがでしょう。頑張りすぎると空回りしてしまうのが育児です。「我が子と一緒に経験を積んで、一緒に学んでいけばいい」と、肩の力を抜いて育児をすることをおすすめします。
濵脇文子(はまわき ふみこ)
助産師・保健師・看護師。大阪大学招聘准教授。星薬科大学非常勤講師。総合病院・クリニック・助産院など様々な場所に勤務。母と赤ちゃんの笑顔が大好きで、数千人の母子のケアに携わります。産前産後ケアセンターの立ち上げに参加したり、民間企業での事業開発など多方面で活躍。自治体の講演や各種メディア執筆では、ひとりひとりのペースにあわせた母に寄り添う姿勢と、明るく軽快な語り口で人気を博します。
文/和兎 尊美
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※記事の内容は2023年6月の情報で、現在と異なる場合があります。