「遊んでばかりで宿題が進まない」こんなときどうする?1000組以上の親子をサポートしてきたでんちゃん先生が実践「わが家のルールはたった1つだけ」
楽しい夏休みの悩みの種といえば、なかなかはかどらない子どもの宿題。「勉強したの?」「まだ終わってないの?」と、イライラをつのらせてしまうママやパパもいるのでは?
今回は、でんちゃん先生のInstagramでも人気のコンテンツ「ベビーシッターが声かけしてみたシリーズ」から、宿題をしない子が遊びをやめて、勉強をはじめる声かけのコツを教えもらいました。さて、どんな“魔法の言葉”が飛び出したのでしょうか。
<プロフィール>
でんちゃん先生
3児の保育士パパ&ベビーシッター
大学卒業後、保育職に就き、保育園・幼稚園・障害児支援施設にて10年間勤務。2021年4月より、ベビーシッター業を開始。同時期に始めた育児ノウハウを紹介する(@denchan_family_)では、フォロワー数3.6万人越えの人気インスタグラマーに。プライベートでは6歳の長女、4歳の長男、2歳の二男を育てる。
子どもを動かすポイントは「宿題=楽しいもの」と認識させること!
自身のInstagramで、ゲームに夢中だった子どもが、自ら進んで宿題をはじめる声かけを披露してくれたでんちゃん先生。子どもの心を動かすポイントは、「子どもに興味をもってもらうこと」だと話します。
「低学年の子どもには、『この宿題楽しそう! ちょっとだけでいいからやらせて!』と、宿題=やらせるものではなく、宿題=楽しいものという態度で接するといいですね。もし『ママがやって~』とお願いされたら、パパやママがやってOK。ただし、直接ノートに書くのではなく、別の紙を用意して取り組んでください。親が楽しそうに宿題をする姿を見せれば、子どもも興味を持つようになるはずですよ」(でんちゃん先生)。
また、高学年の子どもの場合は、「この前の宿題、ていねいに書いていたよね! 感動しちゃった」と、前回頑張ったことを先に褒めてあげるとやる気がUP。「ダメなところではなく、いいところにフォーカスするのがポイントです」とでんちゃん先生。さらに中学生になったら、「将来、何になりたいのか」を聞いて、宿題=人生の選択肢を増やすために必要なことだと教えてあげるといいのだそう。
「宿題をやらない子ども」に対して避けたい親の言動は?
なかなか宿題をやらない子どもに対して、「まだやってないの?」「早くしなさい!」と口走っていませんか? でんちゃん先生は、できるだけポジティブな声かけを心がけてほしいと言います。
「パパやママが料理を作る前に、『料理を作りなさい!』と言われるより、『パパ/ママの料理って本当に絶品だよね』と言われた方がやる気になりますよね? 宿題も一緒です。『宿題やりなさい!』と叱るよりも、『今日はどんな宿題が出たの? ママ興味ある!』『〇〇くん/ちゃんの音読、いい声だから聞いてみたいな』と前向きな言葉で誘った方がやる気になりますよ」(でんちゃん先生)。
時として、「できない」「もう終わりにする」と宿題を途中でなげだしたときにこそ、「頑張ったね」などと声をかけてほしいとでんちゃん先生。大切なのは「あとどれくらい」よりも、「ここまでどのくらい頑張ったのか」に目を向けることです。「難しいのによく解けたね!」と褒めると、「もうちょっとやる」と頑張れる子も多いそうです。
でんちゃん先生が実践する「宿題のルール」とは?
3人の子どもを育てるでんちゃん先生のご家庭では、宿題をするときに心がけているルールがあると言います。
「我が家のルールは、ただ1つ。『親が子どものやり方に口を出さない』です。宿題をするとき、解き方が遠回りだったり、答えが間違っていたりしても指摘しません。『そのやり方はおかしいよ!』『間違ってるよ!』と伝えると、子どもはやる気を失ってしまいます。どんなやり方であっても、その子なりの理由があります。子どもが考えたやり方を否定しないように、我が家では意識していますね」(でんちゃん先生)。
でもどうしても、親としてアドバイスしたい瞬間も……。そんなとき、でんちゃん先生は「なるほど! そんな考え方もあるのか!」の声かけを最初に付け加えているそうです。子どもの考えを否定せずに意見できる、ぜひ見習いたい魔法の“ワンクッション”ですね。
インタビューでは、「子どもの宿題は、人生の選択肢を増やすために必要なこと。親の宿題は、子どもを信じて見守ることかもしれませんね」と語ったでんちゃん先生。この夏休み、お子さんの宿題がはかどらずにイライラしたときは、この言葉と、でんちゃん先生の魔法の声かけを思い出してみてはいかがでしょうか。
取材・文/佐藤 文子