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子どものつらそうなゼーゼー・ヒューヒューのせきに効果あり!“テープ剤”について正しく知ろう【小児科医】

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冷え子
takasuu/gettyimages

小児科医として、長年ママ・パパと赤ちゃんを支えてきた陽ちゃん先生。今回のテーマは、日々の診療の中で聞かれることも多い“せき止めのテープ剤”のこと。陽ちゃん先生がママ・パパに伝えたいこととは―――?

赤ちゃん、ママやパパにいつもやさしく寄り添う陽ちゃん先生こと、小児科医の吉永陽一郎先生が、日々の印象深いできごとをつづります。先生は育児雑誌「ひよこクラブ」でも長年監修として活躍中です。「小児科医・陽ちゃん先生の診察室だより」#38

気管支拡張剤のテープ剤は、ゼーゼー・ヒューヒューのせきに効果あり

子どもたちの薬には、いろいろな形のものがあります。シロップ、甘い粉薬、甘くない粉薬、座薬(ざやく)、塗り薬、そのほかもろもろ。近年、気管支拡張剤(きかんしかくちょうざい)をしみこませたテープ剤が開発され、多くの小児科で使われています。

気管支拡張剤ということは、ゼーゼーヒューヒュー(喘鳴:ぜんめい)の薬です。
ゼーゼーヒューヒューのときには、空気の通り道(気管支)が狭くなっています。大事なことは、見かけのせきを止めることではなく、気管支を広げてあげることです。その結果、せきも軽くなります。吸入や飲み薬、点滴などが使われますが、テープ剤もその一種です。

テープ剤のメリットは、夜~朝まで効果が続くこと!

子どもがゼーゼー・ヒューヒューの状態になるのは、多くの場合、夜や寝起きが多いです。ぜんそくの子が発作を起こすのは、決まって夜中。この時間帯は、病院の小児救急も大忙しです。
ところが、夜に飲んだ薬は、時間がたつとおしっこやうんちとして出て行ってしまい、朝まで効いている薬がありません。これを薬の「モーニングディップ」と言います。朝に薬を効かせたいなら、夜明けごろに親も子も起きて、薬を飲まないといけません。

そこで、朝方にも薬の効き目が切れないようにと、少しずつじわじわと薬が体内に入るようになっているテープ剤が開発されました。

テープ剤はすべてのせきに効くわけではないことを知っておこう

ただし、このテープ剤が効くのは、ゼーゼー・ヒューヒューによるせきだけです。それ以外のせきには効きません。
よく、受診に来る保護者の方から「せき止めのテープもお願いします」と言われることがあります。でも、風邪などで出るせきを止められるテープではないのです。

小児科医は、問診や診察から、ゼーゼー・ヒューヒューのせきなのか、そのほかのせきなのかを判断し、年齢や薬が飲めるかどうかなどの情報をふまえて処方を決めているので、安易に「せき止めのテープください」と言わないほうが、先生との意思の疎通がしやすいと思います。

また、実際にゼーゼー・ヒューヒューの症状があって、テープ剤を処方してほしい場合は、症状を一緒に伝えるといいでしょう。
「夜間にせきをしたとき、息を吐くときにゼーゼーいっていたから、気管支拡張剤のテープも処方してほしい」「夜や朝に明らかにせきが強いなどの症状があったから、気管支拡張剤のテープも処方していただけますか」など、症状とともに医師に伝えると、きちんと処方してもらえると思います。

RSウイルス、ヒトメタニューモウイルスなども流行することがあります。これらのウイルスの時のせきはゼーゼー・ヒューヒューです。大切な子どもに使う薬ですから、ちゃんと知って、賢く使い、わが子のつらい時間が少しでも短くなるように、損をしないようにしたいものです。

文・監修/吉永陽一郎先生

構成/ひよこクラブ編集部   

 ●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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