腰痛、尿もれ、産後の体型もどしに効果抜群!産前産後のエクササイズ
体力と筋力をつけてお産に臨みましょう
安産のためには、体力はもちろんのこと、腹筋や骨盤底筋など、赤ちゃんを産み出すための筋力が必要です。妊娠中から適度な運動を習慣づけて、体づくりをしていきましょう。
妊娠中はおなかが大きくなるにつれ、肩凝りや腰痛に悩まされたり、気分がすぐれなかったりと、不快な症状が起こりやすくなります。
また、出産に向け、ホルモンの働きで女性の体は大きく変わります。赤ちゃんを産むために関節が緩むことも、その一つです。
関節がやわらかいと姿勢が崩れたり、骨盤がゆがんだりしやすくなります。そうしたことを防ぐなど、マタニティエクササイズにはいいことがいっぱい。
つわりがおさまり体調が落ち着いたら、エクササイズを始めましょう。1日10分でも、毎日続けられるといいですね。
骨盤のゆがみを整えるエクササイズをひとつ紹介します。
両足を前に伸ばし、手は床に置いて体を支えます。肩は水平を保ちながら、わき腹の筋肉を使って、「片方の座骨で座る→もう片方の座骨で座る」を交互に繰り返します。おしりを片方上げるときに骨盤底筋をキュッと締めるのがポイントです。
いすに座ったり、産後は赤ちゃんを抱っこしながらでもできるので、ぜひ試してください。
尿失禁や腟のゆるみに効くトレーニング
骨盤底筋とは、文字どおり、骨盤の底の腟や肛門のまわりの筋肉のことです。産後気になる腟の緩みや尿もれと深いかかわりがあるのが、骨盤底筋です。
骨盤底筋は常に内臓を支え、妊娠中は重たい子宮を支えています。出産時には緩んで胎児を通しますが、産後は以前のように収縮できるように速やかに回復する必要があります。回復には、次のようなトレーニングとストレッチが効果的です。
足を肩幅よりやや広めに開き、手は腰に。つま先はやや外側に向け、背筋を伸ばしたまま、ひざをゆっくり曲げます。次に、両手でおなかを下から抱き上げるようにして支え、ひざを伸ばし、内ももを締めます。
コツは、「息を吐きながら骨盤底筋を緩める→息を吸いながら骨盤底筋を締める」こと。腰痛、尿失禁、腟の緩み、産後の体形戻しに効きますよ。
また、産後はホルモンの影響による関節の緩みで、体全体が緩みやすくなります。毎日の抱っこや授乳、おむつ替えでは、できるだけ正しい姿勢を保つよう心がけましょう。
骨盤を起こし、腹筋と背筋を使って背中をまっすぐ伸ばすと、自然とおなかも引き締まります。毎日の赤ちゃんのお世話も姿勢とやり方次第でエクササイズになります。自分のペースで無理なく行いきましょう。
市川香織 先生
文京学院大学保健医療技術学部看護学科准教授 一般社団法人産前産後ケア推進協会 代表理事 日本助産師会出版 取締役、助産師
大学病院、助産師学校教員、厚生労働省、日本助産師会事務局長等を経て、2014年4月より現職。大学での教育・研究活動のほか、産前・産後の女性のケアをはじめとした、女性の生涯の健康を支援する活動を行っています。
※この記事は「たまひよコラム」で過去に公開されたものです。