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<危険>ボタン電池等の誤飲は命が危ない! 短時間で子どもの消化管がただれる可能性が【小児科医】

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ボタン電池等(※)の誤飲は、2011年~2015年の5年間に国内で939件起きています。中には食道に穴が開き、長期入院をした子もいます。子どもの事故に詳しい、小児科医 山中龍宏先生は、ママやパパにボタン電池を誤飲したときの危険性を伝えるために実験をしました。実験の詳細やボタン電池の誤飲を防ぐ方法を聞きました。
(上の写真は、山中先生たちが行った実験。ボタン電池に触れると電流が流れて、1時間で魚肉ソーセージがただれ、溶け出す)
※ボタン電池等とは、コイン形リチウム電池およびその他のボタン形電池をいいます。

ボタン電池が魚肉ソーセージに触れると30分で黒くただれ、1時間で溶け出す結果に

白い背景にリチウムボタン電池
●写真はイメージです
Antonio Carlos Soria Hernandez/gettyimages

山中先生が外来研究員を務める産業技術総合研究所では、子どもがボタン電池を誤飲したときの危険性をママやパパにわかりやすく伝えるために、魚肉ソーセージを使った実験を行いました。実験を行った理由は、ボタン電池の危険性が広く知られていないためです。

「以前、ボタン電池を誤飲すると、子どもの体の中で、どのようなことが起きるのかがわかるアニメーション動画を作ったことがありました。保健所の担当者からは好評でしたが、乳幼児健診で動画を見たママやパパにアンケートをとると、十分に危険性が理解されていませんでした。
そのため目で見て、すぐに危険だとわかるように魚肉ソーセージを使った実験をすることにしました」(山中先生)

実験は、輪切りにした魚肉ソーセージの間にボタン電池をはさみ、時間の経過とともに魚肉ソーセージの変化を確認するというものです。魚肉ソーセージを、子どもの消化管に見立てています。

「ボタン電池を誤飲すると、消化管に接触したボタン電池から電流が流れます。すると電気分解によって、電池のまわりにアルカリ性の液体が発生し、短時間のうちに消化管がただれた状態になるのです。
実験では、魚肉ソーセージの間にボタン電池を1枚はさんだところ、30分で魚肉ソーセージが黒ずみ、ただれが起きることがわかりました。45分、1時間と時間の経過に伴い、ただれは悪化して、魚肉ソーセージが溶け出すことも確認できました。
ボタン電池を誤飲すると、こうしたことが子どもの体の中で起きるのです。誤飲に気づかず放置するとただれが悪化し、消化管に穴があいてしまうこともあります。
もしボタン電池を鼻の穴につめたことに長時間気づかないと、鼻の粘膜がただれ、軟骨が溶けることもあります」(山中先生)

魚肉ソーセージを使ったボタン電池の実験

魚肉ソーセージが黒くなっているのは、ボタン電池の電流によって生じたただれ。時間の経過とともにただれは悪化し、1時間後には魚肉ソーセージが溶け出している。

また山中先生は、大きいボタン電池ほど注意が必要と言います。

「小指の先端ぐらいの小さいボタン電池は、万一、誤飲しても、食道を通って胃に入ります。胃はスペースがあるので、1か所に電池が押し付けられることはありません。ほとんどは、消化管を通過して便とともに排出されます。
しかしコイン形のボタン電池は、食道に引っかかってしまいます。食道にとどまると粘膜がただれ、やがて消化管に穴が開いたりします。コイン形のボタン電池の誤飲に長時間気づかなければ亡くなることもあります」(山中先生)

ボタン電池等の誤飲が疑われたら、すぐに受診を

万一ボタン電池を誤飲した場合は、早期発見・早期受診が第一ですが、誤飲したことに気づかないケースもあります。

「うちのクリニックにも、8~9カ月の健診に双子を連れたママが来ました。私が“これからは誤飲事故が増えるから注意してください”と話して健診を終え、家に帰った矢先、クリニックに電話があり“先生、もしかしたら子どもがボタン電池を誤飲したかもしれません! 誤飲したところを見ていないのでわからないけれど、時計の電池ケースのふたが開いていて、電池が見当たらない”と言うのです。すぐにレントゲン撮影ができる病院を受診してもらったところ、1人の子がボタン電池を誤飲していました。

誤飲した瞬間を見ていないというのは多々あることなので“電池カバーが開いていて、電池がない”などおかしいと思ったら、すぐに受診してください。勘違いでも構いません。ボタン電池等の誤飲の処置は、一刻を争います。
また元気だったのに急に吐く、顔色が悪い、いつも以上によだれが多いときも、ボタン電池等の誤飲を疑って、電池カバーが開いていないかなど確認しましょう」(山中先生)

事故を防ぐには、電池カバーをしっかりテープで止めるなど対策を

ボタン電池等の誤飲事故を防ぐため、2017年一般社団法人 電池工業会ではガイドラインを設けて、各社、ボタン電池等のパッケージは子どもが手で開けられないような仕様に変更しています。
また海外のメーカーも、ボタン電池等の誤飲を防ぐ対策を考えています。

「ボタン電池等の誤飲事故は、海外でも起きています。海外では、ボタン電池に赤い色素を塗っておき、子どもがボタン電池を誤飲すると、赤い唾液が出てきて誤飲に早く気づいたり、ボタン電池がケースからはずれると、ボタン電池を覆っていたプラスチックの羽が広がって誤飲ができないようなしくみも考えられていますが、まだ試作の段階です。
そのためボタン電池等の誤飲事故を防ぐには、家庭での対策が欠かせません。
①電池カバーはテープでしっかり留める
②ボタン電池等のストックやボタン電池等で動くものは、子どもの手の届かない場所に置く
③電池がはずれていないかこまめに確認する
④子どもの前で電池の交換をしない

ことを実践してください」(山中先生)

お話・監修・写真提供/山中龍宏先生

取材・文/麻生珠恵、たまひよONLINE編集部

山中先生は、子どもの誤飲事故で最も命に関わる危険性が高いのはボタン電池だと言います。キッチンタイマーなどを触っているうちに、ボタン電池を誤飲した子もいるので、家庭での安全対策を見直しましょう。

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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