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共働きで多忙な毎日でも英語環境はつくれる! 無理せず、ゆるーく育んだ姉弟の英語力とグローバルマインド

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幼児期からの英語教育に関心はあるけれど、現実には日々の仕事や家事、育児で手一杯。子どもにとって理想的な英語環境をなかなかつくってあげられない……そんなもどかしさを感じているママ・パパもいるのではないでしょうか。

2児の母である青木千佳子さんは、お子さんたちがまだ幼い頃から、無理なく自然と英語に触れられる環境をつくってきました。忙しい日々の中で、親も子も負担を感じることなく英語力やグローバルマインドを培うことができた秘訣とは? 長女のアミさんと長男のヒナタさん、それぞれ異なる形で実現した英語との関わりについて、詳しくお話を伺いました。

外国人と関わる中で、自然と英語に親しんだ長女

──青木さんには、現在社会人の長女アミさん、高校生の長男ヒナタさんという2人のお子さんがいらっしゃいます。アミさんは幼児期から英語に触れていたそうですね。

 はい。私が育休中で余裕があったこともあり、アミが1歳になる直前くらいから週1回、近所のリトミック教室に通わせました。私自身、英語を「勉強して身につけた感」が強かったことから、子どもにはより自然な形で英語に触れさせたいと思っていたんです。

 リトミック教室には外国人のお子さんやハーフのお子さんも来ていました。教室は1年ほどでやめてしまったのですが、その後もみんなで集まる機会がありました。そうした場には積極的に参加するようにし、アミは外国人のお子さんやそのご家族と関わる中で英語に親しんでいきました。

 3歳で幼稚園に通い始めたときには、プログラムに英語をとり入れている園を選びました。ほかに英語教材を使ったり、教室に通ったりは一切しませんでしたが、小学校に入る前から英語を当たり前のように吸収していったと思います。

 アミが5歳のころ、親子でカナダに2週間留学する機会がありました。滞在中は現地の保育園に通うことになったのですが、当時はまだ「英語が話せる」というレベルではなかったので心配しました。ところが、まったく問題なく過ごしていて、お迎えに行くと「まだ帰りたくない!」とだだをこねるほど(笑)。ホストファミリーとの会話でも、相手の言うことをある程度は理解できていたので驚きました。

英語教材は無理せず、日常生活に取り入れた

幼いころのヒナタさん(写真提供:青木千佳子さん)

──ヒナタさんも、アミさんと同じような形で英語に触れていたのでしょうか?

 ヒナタはリトミック教室に通わせていないんです。アミがまだ小さかったですし、私もフルタイムで仕事をしていて送り迎えをする余裕がなくて……(苦笑)。その代わり、ヒナタが3歳のときにベネッセの英語教材「Worldwide Kids」を始めました。外の教室に通わせられない分、家の中で自然な英語環境をつくってあげられたらいいなと思ったんです。

 ただ、ヒナタはまだ3歳でしたから、一人で主体的に学べるわけがありません。私も忙しく、一緒にDVDを見たり、絵本を読んだりする時間はそうそう取れませんでした。そこで、日常の中で自然と英語に触れられる方法を模索しました。

 例えば、朝はアラームに英語の曲をセットして起こします。アミとヒナタはWorldwide KidsのDVDに入っていた「Ob-La-Di, Ob-La-Da(オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ)」が大好きだったので、これを大音量で流しました。朝食時もDVDはそのまま再生し続け、日常的に英語が耳に入るようにしました。

 夕方は、ヒナタにDVDを見せながら夕食づくり。キッチンまで聞こえるように音量を大きくして、ときどき「今、Mani(※教材に出てくるキャラクター)が○○と言ってたね?」などと声をかけました。そうしてお互いにやりとりすることで、ヒナタも集中してDVDを見られたように思います。

 ヒナタは、英語の音を吸収するのがとにかく速かったです。ある朝、外でごみ収集車を目にしたときにネイティブのような発音で「Garbage truck!」と叫んだことには本当にびっくりしました。ちょうどいろいろな物の名前に関心を持つ時期だったので、大好きな車の名前が英語でスッと入っていったのだと思います。

幼児期の言語習得に「向き・不向き」はないはず

ラオスで子どもたちの学びをサポートするアミさん(写真提供:青木千佳子さん)

──その後、現在に至るまでの、お二人の英語との関わりを教えてください。

 アミは小学校に入った後もずっと英語が好きで、中学校では英語のスピーチコンテストに毎年参加しました。高校1年生の夏には本人の希望でドイツに2か月間、交換留学。大学はグローバル教養学部に進学し、カンボジアやラオスへのスタディツアーに積極的に参加しました。「将来は海外で子どもの保育や教育に関わる仕事をしたい」という夢に向けて、現在は国内の保育園で経験を積んでいます。

 ヒナタは英語に対する抵抗感がまったくなく、むしろ謎の自信があるようで(笑)、仲のいい友達の中には常に外国人やハーフのお子さんがいます。進学先として国際関係の学部も検討していることを最近になって聞かされ、驚きました。幼い頃に英語に触れたことが土台になっているのかなと思うと、親としてはうれしいですね。

──お二人とも「必死に努力した」というわけではなく、自然と英語力やグローバルマインドを育まれてきたのですね。青木さんから見て、幼児期に英語を始めることの意義は何だと思われますか?

 スポーツやピアノなど、どんな習い事にも向き・不向きがあるかもしれません。でも、言語は子どもが自然と習得していくもので、向き・不向きがないように思います。SNSで世界中のコンテンツを見ている今の子たちにとっては、「英語」も「グローバル」も、もはや特別なものではなく当たり前。その最初の一歩を踏み出すきっかけを幼児期に親が与えてあげられるのであれば、与えない手はないのではないかなと思います。

取材・文/いしもとあやこ

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