「生きているのが精一杯」「食事は戦い」「基本はすっぴん&汚れても良い服」あぁ、キラキラ育児はいずこ……。聞いてたんと違う!思ってたんと違う、子育ての理想と現実。専門家に聞く。
「たまひよ」アプリユーザーに「出産前に思い描いていた『こんな風に子育てしたい!』『こんなママ(パパ)になりたい』という理想と比べて、現実はどうですか? 自虐を交えて、くすっと笑えるエピソードを教えてください」と、募集したところ、たくさんのエピソードが届きました。あるある~という共感話は、一服の清涼剤となるはず。そしてベテラン助産師の浜脇文子先生に聞きました。
理想はおしゃれママ。でも現実は「生きているのが精いっぱい」編
「出産後は、美容院でカット&カラーしておしゃれなファッションに身を包み、風に吹かれながら颯爽とベビーカー押して笑顔でお散歩……なんて想像していました。
現実は、身体の痛みと抜け毛と寝不足のなか、毎日のベビーのお世話だけで必死。生きているのが精一杯(笑)」(あーみ)
「子どもが生まれたら日中は優雅にお散歩して、土日は家族で公園とか行って~なんて考えていたけど、現実は『頼む、寝させて、動きたくない』(笑)」(maco)
「おしゃれしてベビちゃんと夫と3人で、たまにはちょっと遠出してショッピングモール行って気分転換したいなあと思っていました。現実は髪ぐしゃぐしゃ、どすっぴん、暑いなかわざわざショッピングモールへ行く体力なし! 1回も行きませんでした。オシャレなママさんどこ???」(ささみフライ)
「インスタの方や芸能人ママのように日々おしゃれに、なんて思っていたけど到底無理……。息子の肌が荒れるため服は綿100%が基本だし、よだれで汚れるから高い服なんて着られないし。おしゃれママたちって本当に凄い!!」(ほったんかーちゃん)
「YouTubeはほとんど見せない、ごはんの時は一緒に楽しく食べるぞって思っていたのに。現実はYouTube様様だし、食事は戦い」(よしよし)
優しくおだやかなママでいたかったのに……子どもって手強い編
「赤ちゃんってかわいい! 我が子ならもっとかわいいだろうし怒るなんてないない、優しくて穏やかなママになるわーと思っていたけど。毎日夕方には声が枯れるくらい、にぎやかに叫びたおしているおかんになってます。ちなみに子どもは5人います」(ひまごさん)
「優しいママでありたいと思っていました。でも現実は、子どもから節分の日に『ママは鬼にピッタリだね』といわれ秒で鬼になりました(笑)」(はな)
「優しい笑顔で赤ちゃんを慈しむように抱っこ…のはずが、全然寝てくれない我が子。鏡をふと見たら阿修羅のような顔した自分が映っていました(涙)」(saty)
「オシャレな服をたくさん着せようとたくさん買ったのに……。現実は暴れ回る子どもの着替えが大変で、毎日ステテコパンツをはかせています。オシャレ服は眠っています」(しばいぬ)
「かわいい服をたくさん買ったけど、コロナ禍で家にいることが多くて結局肌着で過ごす毎日」(あこ)
「理想=元気な子どもと元気な親。現実=不機嫌な子どもとぐったりな親……(笑)」(じん)
「子どもと手を繋いで微笑ましく歩くはずだったのに……。息子は一瞬で手を離し逃走、追いかける私」(まゆ)
「『子どもには頭ごなしに怒るよりも、子どもが分かる言葉で落ち着いて伝える方が効果的。私は感情の起伏もそんなに激しくないし大丈夫』って思っていましたが。
感情のままに怒りまくるわ、言葉で伝えて分からない(伝わってない)様子にまたイライラするわ。自分の考えの甘さを猛省しております」(かぴぃ)
「料理は全部無添加で手作り、栄養を考えて毎食品数多めで!と理想は高かったけど、ゴリゴリのフルタイムワーキングマザーの現実は『時間もねえ!余裕もねえ!作り置きの味噌汁にごはん、おかずは冷凍食品チン!はい食べよう!』と、親子ともども強くたくましく雑に暮らしております」(kaico)
悪いことばかりじゃないよ! 良い意味で「違った」編
「自分のキャラ的に赤ちゃん言葉なんか絶対使わない!と、思ってたのに。毎日でちゅねー、でちゅねー言ってます」(kanata)
「名前は、生まれた子どもの顔を見てから決めようと夫と話していました。出産直後の我が子はむくんでて、おてもやんにしか見えない。夫はでいだらぼっちと言う始末(我が子よごめん)。候補の名前とのギャップがあり過ぎて困りました。
でも100日たった今はまんまる天使にしか見えない。かわいい名前を気に入ってくれるといいな♪」(ひよこママ)
「早々に朝まで眠る子となり、体重増加も順調なので夜中に起こす必要もないと言われました。嬉しいけれど、夜間授乳のために購入した授乳ライト、瞬間湯沸かし器、ミニ冷蔵庫は不要に。もったいなかった」(ゆか)
「出産前は、自分は絶対に育児に苦戦して鬱になる、そもそも私は母になれるか自信がないと不安だらけでした。
ところが娘は夜泣きを含めてほぼ泣かずよく寝て完母でよく飲み、離乳食もよく食べ、まるで私が何もできないママとわかっているかのよう。2歳半になった今では『ママ、お薬のんだ?』と、声をかけてくれたり、パパに靴下を履かせてあげたりと、私よりもしっかり者です」(もも)
「愛情深い母親になりたい、楽しく暮らしたいと思っていましたが、産後は持病が悪化。理想とはほど遠い現実とともに凹む日々でした。が、パパが良い意味で豹変しました。
子どもにあまり興味なさそうだったのに、私が動けない日もテキパキお世話。私が見聞きしたこともない表情と声で、我が子をたくさん笑わせてます」(ハシヤスメ)
とはいえ、ほとんどの母が理想と現実のギャップに深く凹むようです。ベテラン助産師の浜脇文子先生に聞きました。
「人は人です。憧れの人には絶対になれないし、むしろ違うことに価値がある」と、専門家
「前半は楽しく読ませていただきました。思ってたのと違う! それが育児の醍醐味です(笑)
私も芸能人やインフルエンサーさんのキラキラ育児は、本当に感心します。憧れる要素がいっぱいで、つい真似したくなる気持ちわかります。しかし憧れ過ぎて無理をしちゃうと、どこかでひずみを生みます。
私もよく相談され、そんなときは『SNSを見ない』ことを勧めますが、見ちゃうらしいですね(笑)
どうせ見るなら、ただ比較して落ち込むだけでなく『分析しながら見てみましょう』と、言っています。
具体的には、憧れている人のどんな部分が好きなのか、その状態に近づくために自分で出来ることは何だろうと考えて、行動してみましょう。羨ましいとウジウジするだけではモヤモヤは増殖するばかりです。行動すると、不思議とモヤモヤは軽減されます。
ただね、どうがんばっても憧れの人にはなれません。けれども凹む必要はありません。逆を言えば、憧れの人もあなたにはなれないのですから。
また私は『怒る』は、お母さんが一生懸命やっている証拠だと思っています。喜怒哀楽の感情がうごめくのは、それだけお母さんが必死でがんばっているからなんです。
自分をほめてあげてください。認めてあげてください。すばらしいことです。
人は人なんです。比べる必要はないし、それぞれが違うから価値があるのです」
濵脇文子(はまわき ふみこ)
助産師・保健師・看護師。大阪大学招聘准教授。星薬科大学非常勤講師。総合病院・クリニック・助産院など様々な場所に勤務。母と赤ちゃんの笑顔が大好きで、数千人の母子のケアに携わります。産前産後ケアセンターの立ち上げに参加したり、民間企業での事業開発など多方面で活躍。自治体の講演や各種メディア執筆では、ひとりひとりのペースにあわせた母に寄り添う姿勢と、明るく軽快な語り口で人気を博します。
文/和兎 尊美
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
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