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インフルエンザワクチンの接種開始!新型コロナワクチン、定期接種・・・どれを、どれから受ければいい?【小児科医】

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医師の注射ワクチンを少女に与えます。背景に彼女の母親と一緒に泣いている小さな女の子。
●写真はイメージです spukkato/gettyimages

10月1日から、高齢者などのインフルエンザワクチン接種が始まっています。10月下旬をめどに、乳幼児(6カ月~)の接種も始まりますが、インフルエンザの流行が心配されている今シーズンは、受けたほうがいいのでしょうか。また新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンは、どちらを優先にしたほうがいいのでしょうか? 気になることを長崎大学大学院 小児科学教授 森内浩幸先生に聞きました。森内先生は、日本小児感染症学会理事長を務めています。

早くも、日本でインフルエンザの集団感染が発生!

2022年9月14日、長野市の通所児童福祉施設で利用者11名、職員3名のインフルエンザ集団感染が起きるなど、早くもインフルエンザの感染が確認され始めています。

「2022年9月27日現在、大きなニュースにはなっていませんが、すでにインフルエンザの集団感染が起きている地域があります。

南半球のオーストラリアでは、2022年
4月から流行が始まり、6月にピークを迎えました。日本は北半球なので、半年遅れでインフルエンザの流行が予測されます。そうすると10月には流行が始まり、年内にもピークを迎える可能性があります。

ただウイルスには、あるウイルスが流行するとほかのウイルスが流行しにくくなる“ウイルス干渉”という現象が観察されています。

2009年夏の終わりから始まった新型インフルエンザの流行は2010年の初めごろにようやくその勢いが治まりました。その当時10~12月ごろに流行していたRSウイルス感染症は新型インフルエンザの大流行の間は認められず、2010年に入ってインフルエンザが収まって来てから、少し季節外れの流行を起こしました。

インドでは2021年春、デルタ株が猛威をふるいましたが、デルタ株の流行が落ち着き始めた夏にインフルエンザが流行しています。

今後の新型コロナの流行状況によって、インフルエンザの流行予測は難しいのですが、生後6カ月以上の子はインフルエンザワクチンを受けたほうがいいです」(森内先生)

インフルエンザワクチンは同時接種が可能。新型コロナワクチンとの同時接種は、小児科で相談を

インフルエンザワクチンは、日本小児科学会では6カ月から推奨しています。13歳未満は約4週、間をあけて2回接種が必要です。ただ乳幼児期は、そもそも定期接種・任意接種のワクチンも多く、7カ月からはB型肝炎の3回目接種があったり、1歳からはMR(麻しん・風しん混合)ワクチンや水痘(みずぼうそう)ワクチンなどもあり、接種スケジュールを組むのが難しいと悩むママやパパもいると思います。

「インフルエンザワクチンは、一度に複数の接種をする同時接種が可能です。同時接種のメリットは、小児科に連れて行く手間が省けたり、子どもも何回も嫌がったり、泣いたりせずに済むことです。また受診回数が減る分、子どもの体調管理がしやすいのも大きなメリットです」(森内先生)

新型コロナワクチンは、5歳から接種ができますが、新型コロナワクチンもインフルエンザワクチンと同時接種ができるのでしょうか。

「新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種は可能ですが、同時接種を行っていない小児科もあると思います。
理由は、新型コロナワクチンは1バイアル当たり10回分の接種が可能なので、ある程度の人数を集めて接種する必要があるためです。また、5~11歳の新型コロナワクチンの成分量は、12歳以上の3分の1です。生理食塩液で希釈して接種するため手間がかかります。
そうしたことからインフルエンザワクチンとの同時接種を受けつけることが難しいクリニックもあるでしょう。
子どもに新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンの接種を予定しているママ、パパは早めにかかりつけの小児科医に相談したほうがいいと思います」(森内先生)

新型コロナワクチンやインフルエンザワクチンで気になるのは副反応です。

「インフルエンザワクチンの副反応は、ほとんどありません。
新型コロナワクチンは、前述の通り成分量は、12歳以上の3分の1ですし、1回の接種量も12歳以上は0.3mLですが、5~11歳は0.2mLです。そのため副反応は大人よりも軽いことがほとんどです。
インフルエンザワクチンと新型コロナワクチンの同時接種を行った場合も同様です」(森内先生)

厚生労働省のHP「新型コロナワクチンQ&A」によると、ファイザー社製の5~11歳の新型コロナワクチンの副反応は、次のとおりです。
●接種部位の痛み、疲労 50%以上
●頭痛、接種部位の発赤や腫れ、筋肉痛、悪寒 10~50%
●下痢、発熱、関節痛、嘔吐 1~10%
(接種後7日間にみられたさまざまな症状/1回目または2回目のいずれか)

「子どもの副反応は、軽いことがほとんどですが、万一の発熱などに備えて市販薬でも構わないので小児用の解熱剤(アセトアミノフェン)や、のどごしのいい食べ物などを用意しておきましょう。
また接種当日や翌日は、お出かけなどの予定は入れないほうがいいでしょう」(森内先生)

新型コロナに感染してもワクチン接種をすることで、免疫はより持続

第7波では、新型コロナに感染した子どもが急増。厚生労働省の調べでは、わずか1週間(2022年8月3日~9日)で、新型コロナに感染した10歳未満の子どもは15万9341人にのぼりました。
なかには「うちの子も第7波で感染したけれど、もう免疫を獲得したからワクチンは不要では?」と考えるママ・パパもいるのではないしょうか。しかし森内先生は、新型コロナに感染してもワクチンは接種したほうがいいと言います。

「新型コロナに感染すると、確かに免疫はつくのですが、症状がおさまって12週ぐらい間をあけてから新型コロナワクチンを接種すると、より免疫が持続することがわかっています。

ただし流行状況や、子ども自身に基礎疾患があったりすると12週も待てないということもあるでしょう。そうした場合は、新型コロナの症状がおさまって2週間ほど間をあければワクチン接種は可能です。かかりつけの小児科医と相談して接種スケジュールを決めてください」(森内先生)

また2022年9月から、オミクロン株対応のワクチンの接種が始まりました。10月中旬をめどに2回目接種を終えた12歳以上へと対象者を拡大していく方針です。

「オミクロン株対応のワクチンは、いずれ5~11歳も接種対象になるでしょうが、このワクチンは2回目の接種を終えた人の追加接種です。
なかには”新しいワクチンのほうがいいのでは?“と思い、子どものワクチンはしばらく様子見と考えるママやパパもいるかも知れませんが、2回目の接種を完了していなければ受けられません。
そのため従来からある新型コロナワクチンをまずは接種してください」(森内先生)

インフルエンザと新型コロナの流行状況によっては、再び医療のひっ迫も

昨シーズン、日本ではインフルエンザの大きな流行はありませんでした。しかしインフルエンザは、子どもにとっては脅威です。万一、流行すると基礎疾患がない子でも亡くなったり、脳炎、脳症など起こす子もいます。

「重症化のリスクのある子どもがインフルエンザと判明した場合は、至急抗インフルエンザウイルス薬を投与することが、重症化予防には有効です。
しかしインフルエンザと新型コロナは、発熱やせきなど症状が似ていて、どちらの病気かを調べるには検査が必要です。
第7波で医療機関がひっ迫したように、今後のインフルエンザと新型コロナの流行状況によっては、スムーズに検査が受けられない場合もあるかも知れません。
“昨シーズンは、インフルエンザの大きな流行がなかったから、今年も大丈夫!”“新型コロナの予防で手洗いやマスクをしているから平気!”とは安易に考えないでほしいです」(森内先生)

取材・文/麻生珠恵、たまひよONLINE編集部

インフルエンザは感染力が強いので、子どもがいる家庭では、家族全員で予防することが大切です。インフルエンザワクチンの予約の受けつけを始めているクリニックもあるので、チェックしてみましょう。

森内浩幸先生(もりうちひろゆき)

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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