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4歳で高血圧、悪玉コレステロールが基準値超。近年増えている幼児肥満の実態は?【専門家】

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TATSUSHI TAKADA/gettyimages

2021年7月 文部科学省が発表した「令和2年度学校保健統計調査の公表について」によると、肥満傾向児の割合は、男の子は5歳で3.65%、6歳で5.85%、7歳で8.77%でした。一方女の子は5歳で3.37%、6歳で5.16%、7歳7.25%でした。子どもの肥満の割合は増加傾向にあり、コロナ禍でさらに増えているそうです。幼児の肥満に詳しい、和洋女子大学 家政学部 健康栄養学科 原 光彦先生に、子どもたちがコロナ禍で太りやすくなった理由や、幼児の肥満の問題点について聞きました。原先生は、都立広尾病院などで子どもの肥満の診療もしています。

30%以上は太り過ぎの肥満判定で、63.9%という結果だった4歳の子も

肥満症とは、肥満が原因で高血圧や糖尿病、脂質異常症など健康に悪い影響が生じている病気扱いの肥満です。大人だけにみられる病気ではなく、子どもでも肥満症になることがあります。
2014年には6~17歳を対象にした小児肥満症の診断基準ができました。子どもの肥満症は小学生のころから生じ、幼児ではほとんど目にしないため、5歳以下の小児肥満症の定義はありません。しかし、最近は、コロナ禍の影響で、5歳以下でも治療が必要な肥満症に当てはまる子が増えてきたと原先生は言います。

「私も小児科で肥満の診療を行っていますが、私の経験では、肥満症で治療が必要な幼児は、これまでは年に1人程度でした。しかしコロナ禍になり、受診した幼児の約3人に1人は治療が必要な状況です。

2021年8月に診察した4歳の日本人の女の子は、肥満度が63.9%でした。幼児では30%以上は、“太り過ぎ”なので63.9%は“超肥満”の値です。
その子の血圧は、上が129mmHg、下は86mmHgで幼児の高血圧基準の、上が120mmHg以上、下が70mmHg以上を超えています。子どもにしては高血圧です。
血液検査では、肝機能が悪く(ALT= 69U/L)脂肪肝が疑われ、悪玉コレステロールの上昇(LDL-C=168mg/dl)も見られました。4歳の子とは思えないとても心配な結果です」(原先生)

幼児からの肥満によって、小学生で肝機能の低下、脂質異常症の危険性が

幼児の肥満の問題点は、成長とともに肥満が原因で病気になりやすいことです。

「幼児の肥満に注意が必要な時期は、2~5歳ぐらいです。この時期の肥満は、小学生以上の肥満につなががりやすく、小学生で脂肪肝や、脂質異常症と診断される子もいます。中学生ぐらいになると、2型糖尿病を発症する子もいます。
さらに心の問題として、友だちに体型をからかわれて嫌な思いをしている子も多いです。なかには不登校になり、家に引きこもっているため、ますます肥満がひどくなり肥満症の程度も悪くなってしまった子もいます」(原先生)

“太り気味”や“太り過ぎ”の幼児に、何も対策をしないと、小学6年生で6割近くは肥満のままであることもわかっています。
それではどのようにして肥満かどうか判断するといいのでしょうか。

「幼児の場合、肥満かどうか判断するには、幼稚園や保育園などで身長、体重を測ったときに、母子健康手帳に印刷されてある、幼児用肥満度判定曲線を利用して、肥満でないか確認しましょう。また、身長や体重の成長曲線に記録することも役立ちます。肥満が心配なときや、体重は増えているのに身長が伸びないときは、念のためかかりつけの小児科で相談してください。

肥満度以外には、以前から乳幼児の栄養状態の指標として使われてきたカウプ指数(BMI)も役立ちます。
計算方法は、[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]です。1歳6カ月健診、3歳児健診のときはカウプ指数で“太り過ぎ”や“やせ”を判定することが多いですが、もし健診結果の欄にカウプ指数の記載がないようなら、ママやパパ自身で計算してみましょう。

カウプ指数は、身長が伸びるにつれて変化します。注意が必要なのは1歳6カ月健診時のカウプ指数より、3歳児健診時のカウプ指数のほうが高いときです。通常、カウプ指数は生まれてから乳児期後半までは増加し、その後、低下して6歳前後で最低値となります。その後、身長が止まるまで、カウプ指数は上昇し、成人値に達します。通常は、乳児期後半から幼児期のカウプ指数は5~6歳に向かって低下しますが、1歳6カ月時より3歳時のカウプ指数が高いということは早期にアディポシティリバウンド(AR)が起きてる状態です。ARが早いほど、将来肥満になりやすく、生活習慣病を発症するリスクが高いことがわかっています。この方法を使えば3歳児健診のときに、将来肥満になりやすいかどうかを予測することができます。もしお子さんが、早期ARに該当する場合は、幼児のうちから生活習慣を見直すなど何か対策が必要です」(原先生)

コロナ禍での3密回避の生活が子どもたちの肥満の要因に

幼児の肥満の原因には、コロナ禍で生活が変化したことが大きく影響しています。

「3密回避のために幼稚園、保育園などでは集団活動がこれまでのように行えなくなったほか、園でも家庭でも自由に活動できなくなるなど、子どもたちもストレスを抱えています。なかでも食生活の変化と運動不足が、幼児の肥満の状況を悪化させています。

新型コロナの流行拡大で2020年3月、全国で臨時休校が実施されました。このとき給食がなくなったため、栄養バランスが崩れて、太り始めた子がいます。

またママやパパが在宅ワークに切り替わったことで、忙しくて食事を作る時間がなくなり、子どもに加工食品ばかりを食べさせたり、“おなかがすいた!”と言われたら、すぐに出せるスナック菓子などを常備している家庭も増えたのではないでしょうか。最近は、食品の値上がりが続き、お手ごろ価格で購入できるインスタントラーメンをよく食べさせている家庭ちもあるようです。
しかし、そうした栄養バランスの乱れが子どもの肥満の原因になっています。
ママやパパには、幼いうちから太ることによる健康へのリスクを改めて考えてほしいと思います」(原先生)

お話・監修/原光彦先生 取材・文/麻生珠恵、たまひよONLINE編集部

幼児の肥満は早期に対策をとることがカギです。在宅ワークなどで忙しいときは、スナック菓子の代わりに果物やヨーグルトを用意しておくなど、できることから子どもの食生活を見直しましょう。

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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