新型コロナウイルス感染症。自宅で抗原検査キットを使う際のコツ教えます【小児科医】
「今年も新型コロナの流行がおさまらないまま年末を迎えてしまいました」と小児科医・太田文夫先生は話します。寒さも本格化してきて、新型コロナに限らず感染症も心配な季節です。年末年始は休診になる医療機関も多いことでしょう。
「小児科医・太田先生からママ・パパへ、今伝えたいこと」連載の#27は、「コロナ検査、自宅での検査のコツ」についてです。
年末年始、急な発熱にあわてないために、新型コロナの抗原キットを準備しよう
新型コロナウイルス感染症(以下新型コロナ)が流行している状況のまま、2022年の年末を迎えています。一部地域ではインフルエンザの流行も始まったと報道されており、二つの病気の流行が重なる可能性もあると危惧されています。
新型コロナとインフルエンザを一緒に検査できるキットも発売されていますが、まだ医療機関中心に販売されているだけで、この年末には薬局では入手しにくいようです。
大半の医療機関は年末年始は休診です。いざというときにはまず自宅で自主検査できるように、新型コロナの抗原検査キットを準備しておきましょう。キットは薬局などで購入できます(無料配布や、購入費補助をしている自治体もあるようです)。
新型コロナの抗原検査キットには、医療用と研究用というものがあります。厚生労働省が認めているのは医療用で、「第1類医薬品」の表示が目印です。国が承認しているものは「体外診断用医薬品」か「第1類医薬品」と表示されているものですので、研究用を誤って購入しないように気をつけましょう(厚生労働省が認めているキットの詳細はホームページで確認できます)。
今回は自宅で行う自主検査のコツを紹介します。
新型コロナの抗原検査キットの使用で大切なのは、タイミング
抗原検査キットの使い方でいちばん大事なのは、症状が出てからいつ検査をするかです。タイミングが早すぎると、正しくない結果(偽陰性)が出ることがあります。
正確な検査結果を出すには、発症からの半日以上たってから検査してください。抗原検査で陽性と出るには半日くらい時間がかかるのです。夜中に発熱したら翌朝以降に、朝発熱したら夕方以降に、できれば半日待ってください。そうしないと本当はかかっていても陰性にしか出ないことが多いのです。
あせって検査して陰性だったと安心していると、家族や職場に広めてしまうこともあります。
検査をするときには、綿棒を鼻の奥まで差し込んで、5秒数えます
検査方法も大事です。
鼻の入り口の鼻水をつけただけでは、正しい結果が出にくいのです。鼻の奥にたまっている鼻水での検査が必要です。綿棒の芯はやわらかいのでそっと入れればあまり痛くはありません。
ムズムズしてくしゃみが出ることがありますが、そうなるくらい深く入れてください。
奥に入れて5秒くらい待つと鼻汁がしみ込んできます。その状態のものを使うと精度の高い結果が出ます。
子どもの場合も、検査方法は同じです。子どもは、怖がって頭を動かしたり、綿棒を引っこ抜こうとしたりしがちです。ママ・パパが協力して1人が綿棒を鼻に入れる動作をし、もう1人が子どもを抑えるなどの補助をする工夫が必要です。
動いたほうが痛みが強いし、鼻血が出たりしやすいので、ちょっとかわいそうかもしれませんが、ママ・パパは子どもの頭をしっかり押さえてください。
抗原検査で陽性がわかったら、自治体ごとのルールにしたがって「新型コロナ陽性であること」を必ず登録してください。
症状が軽いからしないでもいいとは思わないでください。登録しておかないと地元の保健所と連携が取れていないので、困ったときの相談がスムーズにできません。
今のうちに、住んでいる自治体の登録窓口の連絡先を調べておきましょう。
文・監修/太田文夫先生 構成/たまひよONLINE編集部
それぞれの家庭で、事情に合わせながら十分な感染対策をして、楽しいお正月を迎えましょう。
●記事の内容は2022年12月24日時点での情報です。