1歳の「やりたい」はどんな行動であらわれる? 成長につなげるために親ができること
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1歳をすぎると、子どもは「自分でやりたい!」と意思表示をすることが増えてきます。でも、おうちの方から見れば危なっかしいことも多く、見守るべきか手助けするべきか、迷うことも多いのではないでしょうか。1歳の「やりたい」を成長につなげるためのヒントをお届けします。
1歳は「やりたい」気持ちが行動として表れる時期
1歳は、目に見えてできることが増え、「やりたい」という気持ちがむくむくと出てくる時期。子どもの「やりたい」という気持ちは、次のような行動として表れることが多いです。
●初めてのことに挑戦したがる
「コップで飲みたい」「靴を履きたい」など、身近なことを自分でしたがるようになる1歳の子どもたち。最初のうちはうまくできないことも多いですが、初めてのことに挑戦して「自分でできた!」という体験を積み重ねていくことで、自己肯定感を育むことができます。
●どんな感触かを確かめたがる
1歳をすぎると、指先で何かをつまんだり、ねらった位置で放したりといった、手指の細かい動きができるようになります。この年代の子どもの多くが、ティッシュを引っ張り出す遊びに夢中になるのは、思い通りに動かせるようになってきた手指を使って、身の回りのものの感触を確かめてみたいという気持ちの表れです。
●「知ってる!」ということを教えたくなる
知識が増えてくると、自分が知っている物事を見聞きしたときに、子どもは「これ、知ってる!」ということを周囲の人に伝えたくなります。言葉の発達には個人差がありますが、お散歩のときに犬を見つけると「わんわん!」と教えてくれるなど、少しずつ言葉が出てくるようになります。
1歳の子どものこのような「やりたい」を成長につなげていくには、何でもおうちの方がやってあげていた0歳の頃と同じ態度で接するのではなく、関わり方を変えていく必要があります。上に挙げたような行動がみられるようになったら、子どもの成長に合わせておうちの方の関わり方もステップアップさせる時期になったと考えましょう。
子ども自身が「少しがんばればできる」という環境を用意する
1歳をすぎたら、子どもが「やりたい」と思っていることは、一旦は子ども自身にさせてあげることが大切です。
例えば、子どもが「コップで飲みたい」という意思表示をしたときは、こぼさない量の飲みものをコップに入れて子どもに渡してあげましょう。「こぼしてしまうからダメ」と子どもにあきらめさせるのではなく、「こぼさない量を入れて自分で飲めるようにする」とおうちの方が考え方を切り替えることで、子どもは「コップで飲めた!」という達成感を味わい、自己肯定感を高めていくことができます。
おうちの方がこうした対応をせずに、急ぐあまりにいつも先回りしてやってあげたり、子どもがやっている途中でやめさせてしまったりすると、子どもは「自分でやりたい」という思いをかなえることができず、がっかりしてしまいます。また、新しいことをやり遂げるために必要なスキルを習得する機会を奪われてしまうため、その後の成長に悪影響が出るおそれもあります。
おうちの方は、1歳を過ぎたら何もかもをやってあげるのではなく、子ども自身がちょっとがんばったらできる環境を用意することを心がけましょう。
1歳からは、「やってあげる」よりも、「やりたい」を見守ることが子どもの成長につながります。子どもへの関わり方で大切なのは、ベッタリしすぎず、離れすぎることもない、ちょうどよい距離感を意識すること。子どもが安心して「自分でできた!」という体験を積み重ね、親子で一緒に喜べる時間を増やしていけるといいですね。
取材・文/安永美穂 取材協力/こどもちゃれんじ