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片付けが苦手な人には理由があった?!『「ちゃんとしなきゃ!」をやめて散らからなくなった』著者・なぎまゆさんにインタビュー

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元・片付けられない人の視点で“片付け漫画”を描いているなぎまゆさん。書籍『「ちゃんとしなきゃ!」をやめて散らからなくなった』は重版出来(じゅうはんしゅったい)するほどのベストセラーで、片付けられない人の気持ちに寄り添ったストーリーで「ズボラな人にこそ読んで欲しい」と大絶賛されています。

今回はなぎまゆさんに片付けができるようになったきっかけや、散らかりにくい部屋にする時のポイント、物を仕分ける時のコツなどを聞きました。

「几帳面な人の片付けを真似しても続かない」と気づいた瞬間

――もともとは片付けが苦手だったというなぎまゆさんですが、片付けができるようになったきっかけを教えてください。

なぎまゆ「きっかけは色々とあるのですがその中の一つが、きれい好きで几帳面な性格の人が、物を出し入れしているのを見たときです。

引き出しを静かに開けて丁寧に物を取り出した後、ちゃんと引き出しを閉めるその動作が、ぞんざいに引き出しをあけて物を引っ張り出して引き出しを開けっ放しにしてしまう自分のそれとは、まったく違うことに気づかされました。

その経験から、自分がいくら几帳面な性格の人間の片付け方を真似しても絶対に片付けは続かない、自分のような大雑把な性格な人間でも片付けが維持できる“工夫”が必要だと考え、片付け方を自分流にアレンジするようになり、だんだんと片付けを維持できるようになっていきました」

キレイ好きの友人宅にお邪魔したとき

<引き出しの奥にある服を丁寧に取り出していた>

自分だったらどう取り出すか想像すると…

<引き出しの中がぐちゃぐちゃになっていたかも>

――ずぼらな人が片付けをする前に注意しておきたいことはありますか?

なぎまゆ「どんな片付けもまず、物ごとに全部出し、必要な物だけを残すところからはじまります。
片付けが苦手な人ほど『片付けとは物をしまうことである』と思っていて、片付けの前に収納具を買い揃えたりしがちなのですが、必要な収納具は99%、今片付いていない部屋の中に埋もれていて、買うと後で無駄になる可能性が高いので注意したいところです」

疲れていても無意識でも片付けの維持が可能な状態を作る

――散らかりにくい部屋にする時のポイントを教えてください。

なぎまゆ「“だれかのおすすめの収納”をそのまま真似するのではなく、“自分の生活や性格に合わせた収納”を徹底することです。

几帳面な性格ではない人が、服をきれいに畳むことを前提とした収納をしても、そのうち畳むのが面倒になり散らかってしまいます。
忘れっぽい性格の人が、見た目重視で同じ形同じ色の収納具を揃えても、何がどこに入っているのか分からなくなるので、出し入れをしているうちにこれもまた散らかってしまいます。

前者の場合は服を畳まなくても収納できる方法を模索する必要がありますし、後者の場合はラベルを活用するなどの工夫が必要になります。

片付けは一生続くライフワークなので、疲れていても無意識でも片付けの維持が可能な状態を作ることが、散らかりにくい部屋にするポイントになります」

友人の部屋の片付けの手伝い

<その人の性格に合った収納方法にしないと続かない>

――物を捨てる、仕分ける時はどのようなことを念頭に置いて分別すればいいでしょうか?

なぎまゆ「片付けが苦手な人は、物の取捨選択の際に“まだ使える物”や“いつか使うかもしれない物”をついつい残してしまいがちですが、これではいつまでたっても物を減らすことは難しいです。

片付けの際に残さなくてはならないのは“必要な物”や“使う物”です。壊れていなくても汚れていなくても、本当にそれが自分にとって“必要な物”“使う物”なのかどうか、単に“まだきれいだし何かに使えるかもしれない物”というだけではないのか、取捨選択の際には注意が必要です」

いる物といらない物の分別中

<「高かった」「履きやすい」靴を残したい…>

キレイな靴と比べると明らかにボロボロ

<名残惜しいけれどもう履かない靴は手放すことに>

――片付けをする時になぎまゆさんがよく使うアイテムを教えてください。

なぎまゆ「不用品をその場で分別して捨てられるように、各種ゴミ袋や紙袋は片付けの前に予め1箇所に揃えておきます。せっかく不用品が出たのに、今度は燃える燃えないを仕分けないといけないとなると、二度手間で心が折れてしまう可能性があるからです。

また、養生テープとマジックも常に携帯します。これは引き出しや箱に何を入れたか、その場ですぐにラベリングするためです。その場ですぐというのがポイントでして『手書きだとかっこ悪いから』と後回しにすると、何をどこに入れたのか分からなくなってしまいます。ラベルを印字した物にしたい場合は、片付けが終わった後に養生テープ+手書きの物と貼り替えることをおすすめします」

なぎまゆさん一押しの養生テープのラベリング

<仕分けしたらすぐにラベリング!>

子どものおもちゃは大きすぎる&深すぎる収納を使わない

――子どものおもちゃなど片付けてもすぐ散らかる物のおすすめの収納方法はありますか?

なぎまゆ「大きすぎたり深すぎる収納具は収納力があるのでついつい使いがちですが、中に物を入れてしまうと重すぎて運べない、出し入れがしにくい、物が行方不明になりやすいです。収納力も大事ですが、子どもでも出し入れしやすい深さや大きさの物を選んだり、何が入っているかわかりやすく絵やひらがなでラベリングすることがおすすめです」

――片付けに悩むたまひよの読者のみなさんにひと言お願いします。

なぎまゆ「私も長い間、片付けがとても苦手でした。しかし自分の性格や生活に合った片付け方をするようになってからは、驚くほど簡単に片付けが維持できるようになりました。

片付けができないのはだらしがないからではなく自分の性格や生活を把握していないだけ、自分に合った片付け方を知らないだけだと私は思っています。

巷に溢れている様々な片付け方に触れ、それをそのまま鵜呑みにするのではなくあくまで参考にしながら、ご自分の性格や生活に合った片付け方を見つけていただければと思います」

几帳面な人の収納をマネしたり、収納グッズを増やすことで、さらに家の中が物で溢れてしまうこともあるんですね。なぎまゆさんの話を聞くと、自分の性格に合わせた片付けがリバウンドを防ぎ、キレイな部屋を保ち続けるために大切なことだとわかりました。

なぎまゆさんの片付け本はズボラな人の気持ちにも寄り添って描かれているので、「わかる…」「自分にもできそう」と共感しながら読み進めることができます。片付けが苦手で悩んでいる方はぜひ読んでみてくださいね。(文・清川優美)

『「ちゃんとしなきゃ!」をやめたら 二度と散らからない部屋になりました』

プロフィール /なぎまゆ

漫画家として活動中。もともと自身も散らかった部屋に住んでいた経験あり。「大雑把な性格の自分でもできる、片付け・収納の工夫をすることが大切だ」と気づいてから、整理整頓が身につきはじめる。以降、友人に部屋の片付けを依頼されるほどの収納上手に。ブログ、Twitter(@naggy2018)。

●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●記事の内容は2023年4月の情報で、現在と異なる場合があります。

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