「会話」は夫婦の絆を深める?! 平日の夫婦の会話「1時間以上」で満足度高し。一方で「30分以下」では「不満」の声が。専門家に聞く
たまひよアプリユーザーに「平日、夫婦・パートナーと対話する時間(電話含む・メールやLINEは除く)はどのくらいですか?」と、質問。1位は「2時間以上」で33.1%、2位「1~2時間以内」で24.6%となりました。アンケート回答者は約70%が共働き。忙しい時間のなかでも、会話を重視する夫婦は多いようです。新婚時代に平日の夫婦の会話0分で離婚の危機を体験し、今は3児の父であり育休取得の経験があるワーク・ライフコンサルタントの大畑愼護さんに聞きました。
平日、夫婦・パートナーと対話する時間(電話含む・メールやLINEは除く)はどのくらいですか?
1位 2時間以上 33.1%
2位 1~2時間以内 24.6%
3位 30分~1時間以内 22.7%
4位 30分以内 12.3%
5位 ほとんどない 4.4%
6位 その他 2.8%
「2時間以上」は33.1%、「1~2時間」とあわせると57.7%が、平日でも夫婦でしっかり会話していることがわかります。「30分以内」「ほとんどない」という夫婦は16.7%でした。
夫婦・パートナーとの会話時間に満足していますか?
1位 どちらかと言えば満足 40.1%
2位 満足 36.4%
3位 どちらかといえば不満足 15%
4位 不満足 7.8%
5位 その他 0.6%
アンケートを細かく分析すると、「30分~1時間」「2時間以上」の回答者の「満足」「どちらかと言えば満足」は80%以上になりました。
一方で「30分以内」では約60%が「不満足」「どちらかといえば不満足」と回答。「満足」では「しゃべりたくないので満足」という声もチラホラ。夫婦仲に不穏な空気を感じます。
「2時間以上」会話のある夫婦の多くが「満足」と回答
「私はキツイやら、疲れたやら、眠いやらと愚痴ばかりで会話が減ってもおかしくないのに、『この動画だけでもいいから一緒に見よう』とか『大丈夫?』とか『ゲームしよう』とか、妊娠前と変わらず接してくれてるので、感謝の気持ちでいっぱいです」(なえ)
「その日の我が子の様子とか、夫の仕事の話とか、おしゃべりの時間がお互いのストレス解消になっています」(まるまる)
「会話もするし、お互い好きなことをする時間も尊重するし、バランスがとれています。相性がよいのだと思います」(のの)
「一緒に家事をするときにたくさん会話します。ひと息ついた時にスマホをすることは多いですが、リフレッシュは必要と思うし、話しかけたら今の所は優先してくれるのでOKです。」(コロン)
ちなみに「会話2時間以上」で「不満」「どちらかといえば不満」と回答した方は、「もっとふたりの時間が欲しい」「早く帰宅してほしい」として、夫婦の時間を重要視する声が大半でした。
平日の夫婦の会話「30分以内」では、「不満」の声も
「生活も話題も子ども中心になり(当たり前だけど)、私の話をあまり聞いてくれなくなりました」(りんご)
「たくさん話をしたいけど、夫の時間を奪うように感じてしまい、いつも一方的に私だけが話すか我慢しています」(砂糖)
「夫の仕事は激務なので、朝は早いし夜も遅い。ゆっくり話ができるのは夕飯のときくらいです。その日の子どもの様子を十分に伝えることすらできないので、1人で育児をしているようで寂しくなります」(あいうえお)
と、不満を口にするママがいる一方で
「子どもが寝たあとは、それぞれお互いの時間を楽しんでいます。お互い自分の好きな事をするのが1番のストレス発散です」(しろしろ)
「短時間でも大事なことだけ話せているので十分満足」(いちご)
というコメントもありました。
前職は激務で、平日の夫婦の会話は0分だったという、ワーク・ライフバランスコンサルタントの大畑愼護さんに伺いました。
「トキシック・マスキュリニティと“無言の気遣い”から生まれる夫婦のすれ違い」と、大畑さん
「平日の会話が2時間以上がもっとも多いなんて、なんとも幸せな様子がアンケートから伝わってきます。
一方で、会話が少なくて不満と回答している方の中では『夫が疲れているから』と、気遣っている声が多くありました。
私自身、新婚当初は、夜23時に帰宅して妻が作ってくれたご飯を温め直して食べたら寝て、妻が起きる前にそっと仕事に行く生活をしていたことがあります。
そんな生活が数ヶ月続いたあと、妻から『なんだか私は一人暮らしをしているみたい』と言われてしまい、青い顔をして働き方を改めたという苦い経験があります(多くの読者から石が飛んできそう)。
そんな当時の経験からお話すると“妻側の無言の気遣い”は夫側にはなかなか伝わらず、すれ違いを生んでしまうケースもあります。
男性は『一家の大黒柱だから』『家族を守るために休まず働かなければ』として、“家族の幸せのため”に夫婦の会話より仕事を優先してしまうことがあるようです。
これはトキシック・マスキュリニティ(有害な男らしさ)と言われていて、アメリカで使われはじめた言葉ですが、どんな男性でも少なからず持っています。
私の場合、ハードワークに勤しむことが、愛する妻と未来の子どもたちが希望していることだと思い込み、妻の『平日の夜も夫婦で過ごしたい』という願いと真逆の行動をとってしまいました。
100家庭100通りの幸せのかたちがありますので、妻側にも理想の家庭像がありますし、夫側にも理想の家庭像があります。
平日の過ごし方・会話量も含めて、お互いの理想像や期待を聞いてみることでミスコミュニケーションが防げるといいですね」
子どもが成人しても愛し合う夫婦の会話内容とは?
「『女性の愛情曲線』という調査があります。とくに産後~乳幼児期(0歳~5歳まで)は、夫への愛情の分かれ道と言われています。ここで妻が夫に愛情を抱き続けるとその後も夫婦仲は良好に維持され、逆に夫への愛情がガクンと落ちると夫婦仲が復活することが難しいとわかっています。
夫(パートナー)への愛情を保つために必要なことは、“育児を通じて夫婦の会話ができたか”否か、特に“感情の共有ができたか”どうかがカギになると調査でわかっています。
このデータを様々な企業の男性管理職に紹介した時には、心当たりがあり過ぎるのか頭を抱えている姿が見られますした。このデータの信憑性の高さと、例外はないのではないかと思えてくるほどです(苦笑)
ぜひ夫婦の会話の参考にしてみてください。
最後に、疲れたときに励ましあったり労いあったりできることも夫婦の会話の良いところですが、前向きな話をしたいときには体調も大切です。お子さんがいらっしゃるご家庭はお互いの睡眠時間や体調を気遣い、短い時間でも満足度の高い会話になることを願っています!」
大畑愼護(おおはた しんご)
前職では全国を駆け巡る激務をこなし、やりがいを感じながらも長時間労働の弊害を実感。そこで個人及びチームの業務内容などを見直し・改善して残業時間半減を実現します。その経験を生かして生産性の向上を提言するワーク・ライフバランス社へ転職。コンサルタントとして、企業の講演・研修を担当し多数のメディアにも出演しています。
プライベートでは3児の父。前職では激務のせいで一家離散の一歩手前でしたが、こちらも見事に立て直し、第3子誕生の際には1年間の育休をとって一家5人で南国フィジーへ育休移住を決行しました。プライベートではトライアスロンに挑戦するなど、既成概念にとらわれず仕事・家庭・自分の時間の充実を提案する型破りイクメンパパです。
文/和兎 尊美
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※調査は2023年6月実施の「まいにちのたまひよ」アプリユーザーに実施ししたものです。(有効回答数319人)
※記事の内容は2023年9月の情報で、現在と異なる場合があります。