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6~7月は鶏肉が原因で起こる「カンピロバクター食中毒」が急増。厚労省も注意喚起!低年齢で重症化

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少年の胃に苦しむし、トイレに座っている下痢
※写真はイメージです
kwanchaichaiudom/gettyimages

「カンピロバクター食中毒」という病気を知っていますか?梅雨時の6月前後に多く発症し、大人はもちろん、子どもも近年かかる人数が急増しているため、厚生労働省が注意喚起をしています。そこで、カンピロバクター食中毒の原因や症状について、両国キッズクリニックの小児科医・黒澤照喜先生に、予防について管理栄養士の太田百合子先生に聞きました。

ウイルス性胃腸炎よりも重く、長引く下痢症状が特徴

厚生労働省ホームページの「カンピロバクター食中毒予防について」によれば、カンピロバクター食中毒は、国内で発生している細菌性食中毒の中で、発生件数が多く、年間300件、患者数2000人前後の年もありました。

患者の年齢層のピークは10~20代ですが、子どもも多くかかっており、腸炎原因菌の1位を占めています。

「カンピロバクターはカンピロバクター・ジェジュニとカンピロバクター・コリという2種類の食中毒菌があり、ほとんどは胃腸炎をおこします。
おそらく、カンピロバクター食中毒が生・半焼けの鶏肉を食べることで起こるため、そのような食生活をできる年齢層で多くなっているものと考えられます。症状は無症状から重症までさまざま。感染した家族から菌をもらうこともあるため、新生児からすべての年齢層で感染者が見られます。
グラフを見ると2020年以降減少傾向です。もし理由をつけるとすればコロナで外出・外食が減ったため、生焼けなどの食材を食べる機会が減った可能性が考えられます。
決してカンピロバクターのリスクが下がったわけではありませんし、 カンピロバクター食中毒の知識が普及したわけでもないと思います」(黒澤先生)

別のデータでは、入院例は10才以下がもっとも多くなっています。それには低年齢ならではの理由があると言います。

「カンピロバクター食中毒は、胃腸炎としてはウイルス性腸炎よりも下痢などの症状が重く、治るまで1週間はかかります。重症になると激しい腹痛・頻回の下痢・血便などがあらわれ、結果として重い脱水になることがあります。

入院理由は胃腸炎による脱水がほとんどです。高年齢のお子さんですと経口摂取を頑張ることもできますが、低年齢の場合は経口摂取が追いつかず、入院して点滴が必要になることがあります。まだ、ごくまれですがカンピロバクターに感染した数週間後に、手足の麻痺や顔面神経麻痺、呼吸困難などを起こすギラン・バレー症候群を発症することもあります」(黒澤先生)

多くは加熱不十分の鶏肉が原因

厚生労働省ホームページの「カンピロバクター食中毒予防について」によれば、カンピロバクター食中毒の多くは加熱不十分の鶏肉が原因ということです。ほかの細菌性食中毒にくらべて数百個程度と比較的少ない菌量でもヒトに感染するとされています。また、潜伏期間が一般的に1~7日間とやや長いことも特徴、と黒澤先生は言います。

「少量で感染を起こすため、腸管内で増殖して症状が出るまで時間がかかるとされています。
カンピロバクターかどうかは、検査で調べることができます。検査は便の培養検査が一般的です。便を採取して顕微鏡でのぞくと菌が見えることがありますが、実際には菌を数日間かけて培養して確定することがほとんどです。また、原因食物が保存されていれば、そこに菌が付着しているかを培養検査で調べることもあります」(黒澤先生)

もし、加熱が不十分だった鶏肉を食べたなど身に覚えがあり、ひどい下痢症状が続くときはカンピロバクターも疑わなくてはいけません。受診の目安はどうなのでしょうか。ほかの病気同様、全身状態が悪い場合はなるべく早い受診を、と黒澤先生は言います。

「食べられる・寝られる・遊べる(機嫌がいい)なら様子を見ていていいですが、一つでもいつもと様子が違うときは受診しましょう。なお、頻回の下痢が数日続くと脱水になる可能性があるため、必ず受診しましょう。

一方で、カンピロバクター食中毒で見られる強い腹痛や血便は、ほかの治療を要する病気でも見られる可能性があるため、症状がある場合やひどくなった場合には受診してください」(黒澤先生)

予防の基本は食中毒予防の3原則を知ることから

かかると大変なカンピロバクター食中毒。どのように予防すればいいのでしょうか。まずは「食中毒予防の3原則」を知ってほしい、と管理栄養士の太田百合子先生は言います。

「食中毒の細菌を“つけない”“ふやさない”“やっつける”、この3つを食中毒予防の3原則といいます。この3つを守ることが、食中毒予防の基本となります。

“つけない”=手や調理器具をしっかり洗うこと
“ふやさない”=菌が増えないよう食材を扱い、調理後はなるべく早く食べること
“やっつける”=肉や魚、卵の加熱は十分にし、調理器具などは加熱や消毒で殺菌すること
ということです」(太田先生)

「食中毒予防の3原則」は、カンピロバクター食中毒だけでなく、細菌性食中毒予防の基本となるということなので、今の季節はとくに、頭に入れておきましょう。

【カンピロバクター食中毒体験談】加熱不足の鶏肉が原因で発症!

夫と息子2人が焼き鳥屋で鳥のたたきを食べました。夫と長男は無症状でしたが、二男は嘔吐下痢の症状が出て、冬だったのでノロかと思いましたが、ノロよりもひどいので救急に連れて行ったら「生肉食べませんでした?」と聞かれて初めてたたきのことを思い出しました。カンピロバクターは5日から1週間後くらいに症状が出ることが多いそうです。即入院となり2日入院しました。カンピロバクターはほんとにつらいので、すぐ病院に行ったほうがいいと思います。

【カンピロバクター食中毒体験談】BBQの時の鶏肉が生焼けだった可能性が

突然の発熱、吐きけはあるものの吐きはしませんでしたが、とにかく下痢がひどく。翌日、病院で点滴。ノロもロタも経験しましたが、こんな頻回の水下痢は初めてでした。4日たっても下痢が続き、再診、検便。一週間後、カンピロバクターという菌が検出されたと連絡がありました。発症2日前にBBQをやり、鶏肉の生焼けではないかと。抗生剤が処方されると腹痛も治り、元気になりました。カンピロバクター、本当に恐ろしい菌です。

取材・文/岩崎緑、たまひよONLINE編集部

お話・監修/黒澤照喜先生

お話・監修/太田百合子先生

実際にカンピロバクター食中毒にかかった家族の例を読むと、いかにつらい症状なのかがわかります。家庭での予防はもちろん、飲食店や総菜などの鶏肉料理も、加熱がしっかりされているか確認することが大切です。今年は久しぶりに外食やBBQの機会も増えそう。食中毒を起こさないためにもお肉には十分に火を通して楽しみましょう。

※文中のコメントは口コミサイト「ウィメンズパーク」の投稿からの抜粋です

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