フリーアナ吉田明世、運動会開催の1週間前に娘が発熱。治るだろうと思っていたのに
現在、5才の女の子と2才の男の子のきょうだい育児に奮闘中のフリーアナウンサーの吉田明世さん。
今回は、運動会を楽しみにしていた娘さんがまさかの発熱、1週間あれば間に合うと信じていたが…。吉田明世さんの育児エッセイ第39回は「娘の運動会」についてです。
まさかの運動会1週間前に娘が発熱し…
新型コロナの感染法上の分類が5類に移行されてから初めて迎える夏。ようやくいつもの日常が戻ってきた!とほっとひと安心できるかと思いきや、気圧の変化や安定しない気温によってなのか、なんだか私の周りでは体調を崩す人が増えています。わが家の娘もその1人。
私は常々、育児と仕事の壁を一番感じる瞬間は『子どもが熱を出した時』と思っているのですが、今回ばかりは本当に参りました。
発熱が確認されたのは、保育園の運動会開催日より一週間前のこと。保育園でも体調不良の子が増えていますよ、というお知らせがあったので、わが家もそろそろきそうだな、とは思っていたのですが、元気に遊び回った日の夜、油断していたタイミングでの発熱でした。いつもは3〜4日程度で回復するので、逆に運動会前のこのタイミングでよかったのかもしれない、となんとか前向きに考え、すぐに病院にて受診。コロナでもインフルでもないことが判明しほっとしました。(長い綿棒を鼻に入れる検査が大嫌いで大発狂する娘を抑えながら心が削られます。あれは大人でも嫌ですもんね)
とにかくよく寝て、食べられるものを食べて、しっかり休養することで治すしかない、と考えていたのですが…
娘の寝顔を見ながら、涙が込み上げてきて
娘は、あまりの苦しさで深く眠ることはできず、大好きなチョコレートやアイスさえも食べたくない。かろうじて麦茶だけは飲んでくれる、という状態が何日も続き、やっと熱が下がるまで6日ほどかかりました。
毎日、"あと何日あるからきっと大丈夫"と思っていた運動会の日は、あっという間にきてしまいました。
運動会当日の朝はすでに解熱したのですが、一週間前と比べ随分と痩せてしまい、体力的にもとても参加できる状態ではなく、残念ながら今年の運動会には参加することが出来ませんでした。
弟の出番だけでも見たい、という娘の願いを先生が叶えてくださり、端っこでひっそりと開会式と弟の演目だけ見させてもらうことに。一言も発することなく、お友だちの姿をじっと見つめていました。
この日のために何日も練習を頑張ってきた娘。元気だった時に「ママ!運動会でこれやるんだよ!」とお家でもやって見せてくれたり、「あと何回寝たら運動会?ママも運動会楽しみ?」と何度も聞いてきた娘。帰宅後、リビングで眠ってしまった娘を見て、参加させてあげたかったなぁという思いが溢れ、涙が止まらなくなってしまいました。
今回のことはとっても残念ではありましたが、人が成長する上で何かを成し遂げるという経験はとっても大切です。だけど、"成し遂げられなかった"という経験も、同じくらい大切だと思っています。悔しい気持ち、悲しい気持ち、残念な気持ち、そういった負の感情は経験したからこそ心に刻まれ、そして相手の立場になって考えることが出来たり、寄り添うことのできる優しさに繋がると思っているからです。
私も今回の経験を通して、保育園の先生方や娘のお友達のお父さんお母さんから励ましの言葉をかけてもらい、改めて人の優しさに触れることが出来ました。
来年こそ、運動会を全力で楽しむ娘の姿が見られますように!
みなさまもご自愛くださいね。
文・写真/吉田明世 構成/たまひよONLINE編集部
●記事の内容は2023年6月の情報で、現在と異なる場合があります。
吉田明世さん(よしだあきよ)
PROFILE
1988年生まれ。2018年5月に女の子を、2020年12月に男の子を出産した。TBSのアナウンサーを経て、19年にフリーとなり、東京FM「ONE MORNING」(月~金6時~9時)「THE TRAD」(月・火15時~16時55分)レギュラー。ほかにTV、イベント、コラム連載など幅広く活躍中。保育士資格のほか、絵本専門士の資格も取得。2022年、初の絵本「はやくちよこれいと」(インプレス)を出版。