SHOP

内祝い

  1. トップ
  2. 赤ちゃん・育児
  3. 子どもの自己肯定感は1週間で変わる!「シリコンバレー式 世界一の子育て」著者・中内玲子先生インタビュー

子どもの自己肯定感は1週間で変わる!「シリコンバレー式 世界一の子育て」著者・中内玲子先生インタビュー

更新

2011年に、アメリカ・シリコンバレーで幼稚園を設立し、現在は教育事業のアドバイスもおこなう中内玲子さん。3児の母でもあり、2020年には『シリコンバレー式 世界一の子育て』を出版。最先端企業が集まるシリコンバレーの視点をもとに、「自分の才能を伸ばし、国際社会で羽ばたける子」を育てる実践法を提唱しています。「学びにおいて大切なのは『子どもの意思を尊重すること』」と話す中内さんに、子どもの才能を伸ばすために親がしたいことを聞きました。

大人の「枠」にはめず、子どもの「自由な発想」を信頼してあげるということ

――「子どもの才能を伸ばしてあげたい」と思っている親は多いと思います。とはいえ、日本では共働きの世帯が増えていて、「そもそも、わが子とかかわる時間が少ないのでは…」と心配する声も多くあります。

中内さん(以下敬称略) それは日本に限らずどこの国でも同じだと思います。私も現在、2男1女(13歳、9歳、5歳)の子育て中ですが、平日はゆっくり相手をしてあげる時間が十分あるとは言えません。

親はなんとかして「時間を確保して子どもと遊ばなきゃいけない!」と考えてしまいまいすが、そんなことを思う必要はありません。

「遊び」というものは、自分の世界で集中して楽しみを見出すもの。たとえば子どもが「ごっご遊び」をしていて、親にお客さん役をしてほしがったらつき合ってあげるといいと思いますが、四六時中親が子どもの遊びに親がつき合う必要はないんです。子どもの「自由な発想」を信頼し、安全に遊べる環境を用意すれば、それでいいんです。

コミュニケーションを取るのは夕食やおふろの時間などにお世話をしながらや、寝かしつけの時間にじっくり話すだけでも十分だと思いますよ。

――夫婦で子育てに関する意見が違う場合はどうしたらいいと思いますか?

中内 両親の意見が違うと、当然ながら子どもは混乱します。たとえば、子どもが壁に絵を描いてしまったとします。それを見たパパは「いいね、上手だね」とその絵をほめてママは「なんでこんなことするの!」としかったとします。この場合、子どもは描いてよかったのか、いけなかったのか理解するのが難しくなってしまいます。

また、子どもは大人が思っている以上に賢いんです。「いいよ」と言ってくれるほうと交渉し、「だめ!」というほうには相談すらしなくなり、大人を使い分ける子どもになってしまいます。ですから、教育に関しては夫婦でじっくり話し合い、方向性を一致させたほうが私はいいと思っています。

「できても、できなくても大丈夫!」という気持ちをも持たせることが大事

――子どもの意思を尊重したり、自由な発想を信頼したりするのは意外と難しいもの。著書に「親は信頼して見守るのみ」とも書いてありましたが、子どもの行動につい口を出してしまう親も多いと思います。

中内 本来ならばわが子をのびのび育てたいと思っている親が多いでしょう。しかしながら、親が受ける社会的なプレッシャーもあり、無意識のうちにわが子をだれかと比べてしまうことがあります。また、せっかくその子が持っている世界観を壊してしまったりすることも。

私は、まずはあせらないことが大切だと考えています。そして、大人の考える「型」にはめるのではなく、その子の持つ「自由な発想」を信頼し、見守ってあげてください。大人がゆったり構えていれば子どもにもしっかり伝わります。

――日本では少子化が進み、「ひとりっ子」の家庭も増えています。「ひとりっ子」の親からは、「親がつい先回りしすぎてしまう」という声もよく聞きます。

中内 「宿題はしたの?」、「忘れ物はない?」などと、わが子の人数にかかわらず親は子どもについて回り、あれこれ心配してしまうものです。そんな中で、「ひとりっ子」の場合は、心配が1人に集中してしまうことがあるのでしょう。

でも、親の心配は子どもにとって負担になることも。その子のことを心配するのではなく、信じてあげることが大切だと思います。親は、子どもにとっての応援団長でいてほしいです。

そして、応援するほうも訓練が必要です。やみくもに大きな声をあげていつも声をかける必要はありません。そっと見守ることも応援団長の立派な仕事。子どもには「四六時中、頑張らなくてもいい」、「できても、できなくても大丈夫」という気持ちを持つように支えてあげましょう。

子どもの自己肯定感は1週間で劇的に上がる「よかった探し」

――「『できても、できなくても大丈夫』という気持ちを持つ」ということは、いわゆる「自己肯定感」につながるものでしょうか?

中内  はい。「自己肯定感」につながると思いますが、「自己肯定感とはどんなものか」というのは、人によって見解が異なると思います。

「自己肯定感」を「自信」とイコールで考える人がいますが、私はそうは思いません。私の考える「自己肯定感」とは、物事をキャッチする事柄の違いなんです。「自己肯定感」が低い人と高い人が同じ環境に立った場合、低い人はマイナスのものをキャッチしやすく、高い人はプラスのものをキャッチします。

もう少しわかりやすく話すと…晴れた日に窓を開けて「今日もいい天気だな。気持ちいい一日になりそう!」と思うか、「今日も暑くなりそうだな。はぁ、疲れそう…」と思うかの違いのようなものです。これは、一種の「脳のくせ」なのです。そのくせを意識して変えれば、「自己肯定感」をアップできるんです。

――子どもの「自己肯定感」が低い場合はどうしたらいいでしょうか? 

中内 子どもによっては友だちとけんかしたことを長期間引きずってしまう、先生にしかられたことをなかなか忘れられないなど、ふとした出来事から物事をマイナスにとらえてしまうようになってしまう子もいます。その場合は、とても簡単な方法で思考を前向きにチェンジする方法があります。

それは「よかった探し」です。寝る前に今日あった3つのよかったことを話す、これだけです。これを1週間続けると、幸せ度がぐんと上がります。

ただ、「自己肯定感」が低い子の場合、最初はなかなかこの3つが出てきません。なぜなら、プラス思考で物事をキャッチできていないからです。そのときは、親が「おやつに食べたアイスクリームおいしかったね」、「〇〇ちゃんと楽しく遊べたね」などと声をかけ、「よかったこと」を思い出させてあげてください。すると、少しずつ自分からよかった探しができるようになり、表情も変わってくるでしょう。ぜひ家族でやってみてください。「よかった探し」を家族みんなでやると、家庭も明るくなります。寝る前の5分、10分だけでも子どもと十分コミュニケーションが取れるので、とてもおすすめです。

お話/中内玲子さん 取材・文/安田ナナ、たまひよONLINE編集部

中内さんは「『自己肯定感』はすべての能力を底上げします。前向きな思考を持ち、いいときも悪いときも『自分が好き』という気持ちが、子どもの才能を伸ばすのにとても大切なんです」と話します。家族で「よかった探し」を取り入れ、子どもの脳にいい癖をつけてあげられるといいでしょう。

●記事の内容は2023年7月の情報であり、現在と異なる場合があります。

中内玲子さん(なかうち・れいこ)

PROFILE
台湾生まれ、日本育ち、アメリカ在住のトリリンガル(日・英・中)。3人の子どもたちもトリリンガルに育てた、2男1女(10歳、6歳、2歳)の母。日本の保育に疑問を抱き、英語も話せない、知人もいない、お金もないまま24歳で渡米。さまざまな難題を乗り越え、2011年にカリフォルニア州認可幼稚園を設立。教育事業のアドバイスをするコンサルタントとしても活躍中。

『シリコンバレー式 世界一の子育て 』

最先端企業が集まるアメリカ・シリコンバレーで、モンテッソーリ教育・レッジョエミリア教育を取り入れた日英バイリンガル幼稚園を開設した著者が「これからの時代を生きるわが子へ親がするべきこと」、「世界に羽ばたく子の育て方」をまとめた一冊。
中内玲子著/1980円(フローラル出版)

赤ちゃん・育児の人気記事ランキング
関連記事
赤ちゃん・育児の人気テーマ
新着記事
ABJマーク 11091000

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第11091000号)です。 ABJマークの詳細、ABJマークを掲示しているサービスの一覧はこちら→ https://aebs.or.jp/

本サイトに掲載されている記事・写真・イラスト等のコンテンツの無断転載を禁じます。