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上手にしかれるママになれる!「アンガーマネジメント」って何?

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育児をしていると、「また今日もイライラして、怒ってしまった」と後悔することは少なくないはず。
ごはんを作っても「お菓子、お菓子と騒いで食べてくれない」、公園では砂場に張りついて帰ろうとしない。そんな子どもを前に「なんですぐ怒ってしまうんだろう」と暗い気持ちになってしまうこともしばしば。

そんなママたちにぜひ紹介したいのが、「アンガーマネジメント」。1970年代にアメリカで誕生して以来、「イライラと上手につき合う」心理トレーニングとして、ビジネスや教育などさまざまな分野で活用されています。

日本におけるアンガーマネジメントの第一人者である安藤俊介さんに、今日から実践できるアンガーマネジメントと、上手なしかり方についてお話を伺いました。

「怒り」という感情と上手につき合う

「できれば怒らずに笑顔を絶やさないママでいたい」。これは、現在自己主張MAXな2才男児を育てる筆者自身の理想でもあります。

しかし、安藤さんが最初に強調するのは「怒ること自体はダメではない」ということ。アンガーマネジメントが目的としているのは「怒らないこと」ではなく、「上手に怒れるようになり、怒る必要のないことは怒らないで済むようになる」ことなのだそう。
「こんなことで怒らなければよかった」という後悔をなくすための考え方なのです。

怒るのは「心のコップ」からマイナスの感情があふれるから

「たとえば子どもが同じことをしても、腹が立つ日とそうでない日はありませんか? 
怒りという感情は、私たちの心の中で『つらい』『不安』『焦り』『悲しみ』といったネガティブな感情がいっぱいになると表れます。
心の中にコップがあると想像したとき、その中にどんな感情があるのか書き出してみると、自分がなぜ怒るのか、ひも解くことができます」と、安藤さん。

この日のインタビューの朝、ピザトーストを食べていた息子が箸を使いたいと大騒ぎして、つい声をあらげてしまった筆者。まさに「焦り」が爆発していました。時間にもっと余裕を持っていれば、こんなふうに怒ることはなかったかもしれません。

“理想の三重丸”で「怒ること」と「怒らないこと」を明確にする

人が怒りを感じるのは、その人が心に思い描いている「べき」が裏切られたときなのだそう。

「どんな『べき』が守られなかったときに怒ってしまうのか、日常のシーンに応じて“理想の三重丸”を区別すると、『怒る』と『怒らない』が機嫌によって左右されなくなります。

円のいちばん内側が①ママの理想、真ん中を②まあ許容できるOKゾーン、いちばん外側を③絶対に許せないゾーンと設定します」。




たとえば食事の場合、筆者は
①きちんと椅子に座って完食(理想)、②ママのひざに座って、少しだけでも野菜を食べる(OKゾーン)、③食べないし、食べ物で遊び始める(許せない)、と設定してみました。

“理想の三重丸”の具体的な内容は家庭によってさまざまですが、大切なのは、②のゾーンを広めに設定してあげること。そうするとママの心の器が大きくなり、怒りにくい体質に近づくことができるそうです。

上手なしかり方を身につけるトレーニング

「しかるということは、相手に何をしてほしいのかというリクエストを伝えること」と安藤さんは言います。筆者自身、気づけば口にしてしまう「ちゃんとして!」という言葉、これ1つ取ってみても、具体的にどうしてほしいのかを子どもに伝えることができていないことに気づかされました。
上手なしかり方は、スポーツのトレーニングのように、毎日の取り組みによって少しずつ上達し、身についていくそう。そのために心がけたいことを、安藤さんにアドバイスしていただきました。

「ちゃんと」や「みんな」などのNGワードを避ける

「『ちゃんと』『みんな~している』は程度言葉、『いつも』『絶対』は決めつけ言葉であり、自分の気持ちや怒りの感情を増長させていても、相手に何もメッセージが伝えられていません。
とくに小さい子どもを注意するときは、『椅子に座って食べようね』や『あと1回滑り台を滑ったら帰ろうね』など、具体的な言葉で伝えてあげることを心がけたいものです」

怒りの感情に、すぐに「反応」しない

「アンガーマネジメントの世界では、感情のピークは6秒だと言われています。
“売り言葉に買い言葉”的にイラッとした出来事にすぐ反応すると、つい口や手が出て必要以上に過剰反応してしまうもの。カッとなったときこそ、心の中で6秒数えたり、何か合言葉をとなえることで、気を紛らわすことを心がけましょう」。

このように、イライラしたときの自分なりの対処法を日ごろから持っておくと、日々のストレスが軽減されるかもしれません。

怒りの感情を否定せず、トレーニングのように少しずつ「怒り方のくせ」を改善していくアンガーマネジメント。
今の“怒ってばかりいる自分”を受け入れてもいいんだと思うと、少しだけ肩の荷が下りたように思います。いつも穏やかなママをめざすのは難しいけれど、「心の器」を大きくして、上手なしかり方ができるママになれたらステキですよね。(取材・文/本多恵、ひよこクラブ編集部)


Profile
●安藤俊介
「一般社団法人日本アンガーマネジメント協会」代表理事。怒りの感情コントロール専門家であり、世界で15人しか選ばれない最高ランクのトレーニングプロフェッショナルに、アメリカ人以外では唯一、登録されている。最新書籍『アンガーマネジメント 叱り方の教科書』など、数多くの著書や活動を通して国内外にアンガーマネジメントを浸透させている。

※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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