1番近い薬局じゃもったいない?子育て世代が大注目する【次世代型】薬局5選
「薬局はどこも同じ」「処方せんのお薬をもらうだけだから、1番近い薬局に行けばいい」と考える人は多いようです。でも、それはもったいない! 保険調剤に加えて、さまざまな取り組みで地域に貢献している薬局が日本各地にあります。今回は、ママ・パパ必見の次世代型薬局を5つ紹介します。
え!?こんなことまで?全国のめずらしい薬局
薬局のおもな業務といえば、医師の発行した処方せんに基づいてお薬を調剤し、患者さんに情報提供や指導を行うこと。しかし、いまどきの薬局はそれだけではありません!
地域の人々のすこやかな暮らしのために、多種多様なサービスを展開している薬局が日本各地にあるのです。
病児保育室が薬局に併設
2022年第6回薬局アワードで最優秀賞を受賞した鳥取県鳥取市の徳吉薬局さかえまちは、「病児保育室×薬局併設」というスタイルが特徴です。(※1)
仕事が忙しいとき、子どもの体調不良は悩みの種。
それを解消するべく、地域の子育て世帯やクリニックなどの要望を受けて病児保育室を開設したそうです。
薬局が併設されているため、お薬を飲ませてもらうときにお薬のプロフェッショナルがすぐそばにいる環境は、安心ですね。
※病児保育室:保育園などに通う子どもが病気になったとき、保育士や看護師が保護者のかわりに保育・看護を行う保育室のこと
薬局スタッフが運営するカフェ
2022年第6回薬局アワードでオーディエンス賞を受賞した京都府舞鶴市のまいづるゆう薬局は、薬局スタッフが月に1回「コミュニティカフェ」の運営に取り組んでいることが特徴です。(※2)
厚生労働省が掲げる「地域共生社会」を目指すうえで注目されているのが、地域社会とのつながりを深めて孤立を解消する「社会的処方」という考え方。
地域共生社会と社会的処方を実現するために、まいづるゆう薬局ではコミュニティカフェ内で管理栄養士監修のランチを提供したり、医師や看護師などを講師として招いたミニ講座を開催したりしています。
誰でも気軽に立ち寄れて、気兼ねなく相談できる空間として地域に愛されています。
子ども薬剤師体験で地域の健康に貢献
2022年度第6回薬局アワードで代表薬局に選出された兵庫県神戸市の栄さくら薬局は、「子ども薬剤師体験会」を実施していることが特徴です。(※3)
チョコレートなどをお薬に見立てた調剤体験や、保護者への模擬服薬指導体験などを通して、薬局が地域に果たす役割について学ぶことができます。
自分自身が健康になるためだけでなく、地域の人々の安心・安全や健康に貢献することの大切さを子どもたちに教える、貴重な場となっています。
子どもの健康や食事に関する情報を紹介する講座を開催
2020年第4回薬局アワードで特別審査員賞を受賞した徳島県三好郡のサンコー調剤薬局昼間店では、子どもの健康や食事をテーマにした講座を開催していることが特徴です。(※4)
この講座では「処方せんがなくても気軽に立ち寄れる地域の健康サポート薬局」を目指す取り組みの一環として、管理栄養士らが情報提供を行っています。
また、来局せずに時間や場所を問わずに相談できる「LINEでの情報発信」や、子どものお薬の飲み方などが記載された手作りリーフレットをまとめられるオリジナルブックの作成など、子育て世帯にうれしいサービスが充実しています。
「お薬しっかり飲んでね」をテーマにした絵でお薬の飲み忘れを防止
神奈川県横浜市のエール薬局鴨居店は、「薬局版こどもミュージアムプロジェクト」の実施によって
2019年の第3回薬局アワードで特別審査員賞を受賞しました。(※5)
こどもミュージアムプロジェクトとは、一般社団法人こどもミュージアムプロジェクト協会による「子どもたちの描いた安全運転を呼びかける絵でトラックをラッピングし、交通安全を呼びかけよう」という取り組みのことです。
エール薬局鴨居店ではこれを薬局に応用。調剤を待つ時間などに、子どもたちに「お薬しっかり飲んでね」をテーマにした絵を描いてもらい、本人や両親、祖父母の薬袋の裏面に印刷することで薬の飲み忘れを防ぎ、症状悪化の防止を目指しているそうです。
自分に合った薬局選び
先述したように薬局ごとに特徴が異なり、勤務している薬剤師にも個性があるため、自分に合った薬局を選ぶことが大切です。
薬局選びのポイントとして、次の4点を意識しましょう。
<自分に合った薬局選びのポイント>
・相談しやすい薬剤師がいるか
・健康相談などのサービスを積極的に実施しているか
・自分や家族が通える範囲内にあるか
・夜間の電話対応が可能か
以下に、かかりつけ薬局や薬剤師のメリットを紹介しますので、検討してみてください。
かかりつけ薬局とは
かかりつけ薬局とは、自分の症状や体質などをしっかり理解してくれる、あなたのパートナーとなる薬局のことです。
かかりつけ薬局をもつメリットは以下の通りです。
・お薬の重複や相互作用(飲み合わせ)などを確認してもらえる
・薬歴やアレルギー、副作用などを継続的に確認してもらえる
・市販薬も含めたお薬のことや、健康や介護に関することまで相談にのってもらえる
複数の医療機関の処方をすべて把握してもらえたり、お薬に関するちょっとした疑問や、気になる不調なども気軽に相談できたりするため、家から通いやすい範囲にかかりつけ薬局をひとつ決めておくと安心です。
かかりつけ薬剤師とは
患者さんが、国の定めた要件を満たす経験豊富な薬剤師のなかから薬局で指名できる、あなた専属の薬剤師を「かかりつけ薬剤師」といいます。
いつも同じ薬剤師に担当してもらうことができ、薬局が閉まっている夜間や休日もお薬の相談が可能です。
また、お薬を渡した後も患者さんの状態を見守り、状況に応じて処方医に様子をフィードバックするなど、医療機関との連携も行ってくれます。
かかりつけ薬剤師を指名すると、処方せん1回につき数十円程度の「かかりつけ薬剤師指導料」が発生しますが、お薬や健康に関するあらゆることをサポートしてくれるため、必要な出費といえるでしょう。
自分に合ったかかりつけ薬局を選ぼう!
薬局はただお薬を渡す場所ではなく、薬局ごとの方針や勤務する薬剤師の姿勢などにより、個性豊かなサービスを展開しているケースが多く見られます。
自分や家族のお薬情報を総合的に把握してくれる頼もしいパートナーとして、かかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師を早速探してみてはいかがでしょうか。
PROFILE
あんしん漢方薬剤師
中田 早苗
デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-youtubeチャンネルでは、お薬最適化薬剤師として「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーに薬の最適な選び方を解説する動画を公開中。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=211332f2tmhy00010037/a>