指示待ちはNG!家庭は量が大切!男性育休を3回取得したパパが語る「家事・育児」と「働き方」5つの提言【専門家】
2022年10月に育児・介護休業法が改正され、男性が育児休業を取得することも珍しくなくなってきています。そんな今、赤ちゃんが生まれたら、生活が一変するのはパパも同じ! それではパパは家事・育児、働き方についてどうすればいいのでしょうか? NPO法人ファザーリング・ジャパンの徳倉康之さんに聞きました。徳倉さんは“イクメン”という言葉が世に認知されるより前の2009年から、3回の男性育休を取得し、復帰後も共働きで家事・育児と仕事の両立に尽力してきた先輩パパでもあります。
家庭は量! 仕事は質!
「仕事が忙しい分、家族との時間は集中して…」と考えているパパはいませんか? 逆です逆!
本来、仕事は短い時間で成果を出すもの、逆に家族のことはゆったり取り組むもの。時間の余裕がないと、ママの話をゆっくり聞くことができません。ワンオペで子育てしないといけない状況では、ママが孤独を深め、心身のバランスを崩す可能性も…。さあ、今日から定時で帰りましょう!
指示待ちになっていない? 赤ちゃんのことは積極的にインプット
育児についてよく知らないと、当事者意識が芽生えず、ママからの指示待ちになりがち。新しい仕事に取り組むときに、まずは情報を集めるところからスタートするのと同様、育児についても徹底して知ることが大事です。
両親学級の参加経験はありますか? もしもないなら、まずは自治体や企業が開催している両親学級等の情報を見つけて、参加しましょう。ひよこクラブを読んだり、YouTubeでお世話のやり方動画を見たりするのもいいですね。
育児の知識を深め、ママと実践するうち、このときはこうすればいいと自然とわかってきますよ。
家事は分割して考えよう
家事に取り組むときは、その対象となる家事を分割して考えましょう。たとえば夕食作り。その中には献立づくり、買い物、調理、洗い物などの作業が含まれています。それぞれ別々に考えると、献立のアイデア出しは今すぐできる、買い物は出かけるついでに行く、調理は苦手だからママに教えてもらう、ママからは洗い物までやることを求められているからマストなど、自分のやるべき家事が明確化されます。名もなき家事の負担をママに押し付けることもなくなりますよ。
家事の負担を増やす行動を普段からしていない?
家事ってほとんどがマイナスを0に戻す作業なんです。片づけ・掃除・洗濯なんてその最たるもの。散らかった状態や汚れた状態(マイナス)を元通り(0)にしますよね?
そう考えると、マイナス幅は絶対に小さいほうがいい。たとえば、丸まったまま床に放置されたパパの靴下。これをマイナス5だとする。丸まらない形で脱いだら、靴下を伸ばす労力が必要なくなるので、マイナス3。その靴下を床ではなくちゃんと指定の洗濯かごに入れておけば、あとは洗濯するだけなのでマイナス1になる。
こうしたことはパパが家事に本気で取り組めば、自身でも実感できるはず。マイナス幅を小さくする行動を普段から心がけられるようになると思いますよ。
キャリアは長い目で見よ。両立スキルは仕事の武器になる
子育ては期間限定。実際、僕のまわりで子育てが落ち着いたあと、再び仕事に全力投球する人が男女問わず増えています。日本は少子高齢化で、今後みなさんの現役時代が長くなるのは間違いなく、いっとき仕事より家庭を重視したとしても、キャリアを取り返せる日は来るのです。しかも両立を頑張ってきたあなたなら、共働きの部下の状況も理解し、うまくサポートできるはず。部下からの信頼も厚くなりますよ。
監修/徳倉康之さん 取材・文/江原めぐみ
家事も育児も「これが仕事ならどうする?」「この作業を小さく分けてみると、何ができる?」と考えるとよいそう。夫婦で協力しながら、家事・育児を楽しく乗りきってくださいね!
『初めてのひよこクラブ冬号』には、育児・介護休業法改正から1年、パパの育休事情を取材した「男性育休のリアル」特集があります。ぜひご覧ください!
参考/『初めてのひよこクラブ』2024年冬号「男性育休のリアル」特集
『初めてのひよこクラブ』2024年冬号には、育休を取得したパパたちの、育休前・育休中・育休後の仕事・家事・育児の様子がわかる「男性育休のリアル」特集があります。
●掲載している情報は2023年12月現在のものです。
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徳倉康之さん
Profile
2009年に長男誕生。8カ月の育休を取得。次男・長女の産後も3カ月取得。13年にファザーリング・ジャパン理事就任と同時に独立。厚生労働省イクメンプロジェクト推進委員。