「子どもの風邪をもらうと3倍しんどい⁉」「保育園でもらってきた胃腸炎に家族全員が…」子どもの病気をもらって辛すぎたエピソード【小児科医が対処法をアドバイス】
今回のテーマは、「子どもの病気が親にうつったとき」についてです。特に初めての子育てでは、子どもが病気のときはわからないことが多く、右往左往してしまいますね。さらに看病していた大人にうつってしまったときは辛いことも…。そこで、「たまひよ」アプリユーザーに聞いたみんなの経験談とともに、ママ小児科医である保田典子さんにアドバイスをもらいました。
子どもがかかった病気に大人がうつると、なぜか「しんどさ3倍」という声も
最初にみんなの声からご紹介します。
Q:子どもの病気をもらって辛い思いをしたことはありますか?どんな病気で、そのときの症状や治るまで育児や家事をどう乗り切ったかなどについても教えてください。
「夫に娘の手足口病がうつり、ご飯が食べられず、歩くのも辛い状況でした。かわいそうでしたが、なぜ仕事に行っていた夫が感染して、24時間看病していた私に感染しなかったのでしょう…」(小豆もち子)
「子どもの風邪は大人がかかると3倍くらいしんどい。と感じる…。うつったときの家事は必要最低限でやっていました」(さあや)
「子どもが保育園でもらってきた胃腸炎に家族全員がかかり、みんなでビニール袋を持って吐きながら、深夜に救急外来を受診しました」(つみち)
「コロナで大変でした!娘と私だけでなく私の母も感染し、倦怠感でしんどいときの育児が本当に大変だった!」(はらぺこ)
「子どもが風邪をこじらせて入院したとき、私にも風邪がうつってしまい、40℃の熱が出て動けなくなり、救急車で運ばれました。点滴をしてすぐに動けるようになりましたが、あんなに辛かったのは初めてでした…」(ゆいと)
「家族内感染を防ぐのは難しいので、かかったときの役割分担と休養を大切に」と小児科医
子どもからうつったり、一緒に感染したりと大変そうなエピソードが集まりましたね。風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、感染性胃腸炎などの予防として心がけておきたいことや、看病のポイントなどについて、3児の母でもある小児科医の保田典子さんに聞きました。
「保育園で子どもが風邪などをもらってくるのは、どんなに工夫しても避けられません。
子どもは風邪などをひくことで免疫をつけていく側面もあるので、ある程度、『風邪や胃腸炎はひくもの』と心がけておくといいでしょう。
親御さんがもらってしまうと、お子さんの看病をする人もいなくなってしまいますし、親御さんも辛い思いをします。そのため、子どもから風邪などをもらわないようにする工夫は必要です。
感染対策の基本は、やはり暴露するウイルス量を減らすことです。
うがい・手洗い、換気、マスク着用などの実践が基本。
子どもが辛くて寝られないので親御さんも睡眠不足になりがちですが、親はしっかり食べて、なるべく睡眠時間を確保するようにしましょう。
そのためには、家族で役割分担を決めておくといいでしょう。きょうだい間でうつらないような役割分担をする、というのも工夫のひとつです。
ただし、家族内感染を防ぐのはとても難しいものです。我が家も子どもが小学生になってからでも家族内感染を完全に防ぐことはできていません。
どの感染症も看病の基本のポイントは同じです。
水分はなるべくとるようにして、食事は食欲がないときは無理をしません。
ウイルスを体から出すことが大切なため、鼻水はティッシュや吸引器で取るようにし、下痢は止めないのが基本です。
子どもがご飯を食べないとあせりますが、元気になったら食べなかった分をとりかえすように食べてくれるので、心配はいりません。
解熱剤は水分がとれていれば使う必要はありませんが、辛そうと感じたら使うといいでしょう。
子どもの体調がすぐれないときは休養が大切なため、外出は控えて家でのんびりと過ごしましょう。ある程度活気があって寝てくれない場合は無理に寝かせる必要はありません。
親も感染してしまったら、やはり休養が大切です。薬は対症療法であり、治してくれる存在ではないので、薬を使って治すというよりは、『とにかく休んで治す』ことを心がけるといいでしょう。
大人が同じタイミングで感染症を発症してしまうと大変なので、家事と看病はほどほどを心がけて、『感染してしまったら潔く休む』ことを徹底できるといいですね。
例えば、夫婦の片方が病気で辛いときはもう片方ががんばったり、他に援軍を頼んだりという役割分担が大切かなと思います」(保田典子さん)
子どもから親への感染は防ぐのが難しいので、潔さが必要となるのですね。体調の悪いときは特に睡眠と休養を心がけたいですね。
(取材・文/橋本真理子、たまひよONLINE編集部)
保田典子さん
PROFILE)
小児科専門医。国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年、東京女子医科大学大学院博士課程修了。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。東京衛生アドベンチスト病院を経て2021年、高円寺こどもクリニックを開院。3児の母。SNSなどでも子育てに役立つ情報を発信中。
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※記事の内容は2024年5月の情報で、現在と異なる場合があります。