俳優・鈴木福、20歳に。「僕、わりとメンタル強いんで」。現状に満足していない、もっと前へ【インタビュー】
芸歴約20年、子役出身の鈴木福さんは2024年6月17日に20歳を迎えます。ドラマや映画、バラエティーに加え、これからは積極的に舞台にも挑戦していきたいという福さん。今後の夢や前向きな精神力について話を聞きました。全2回インタビューの2回目です。
理想の家族像は「まわりから好かれる家族」
――福さんは現在も家族と一緒に過ごす時間が多いかと思いますが、福さんの両親はどんな方ですか?
鈴木福さん(以下敬称略) 両親はとにかく仲がよく、そして友だちが多いのが特徴的かもしれません。母は今でも僕が小学生のころの同級生のお母さんたちや、野球のメンバーの仲間のお母さんたちと仲がいいです。先日も僕の舞台にママ友たちが何人かが見に来てくれました。
――家族ぐるみでつき合っているんですね。
福 そうですね。ありがたいことに僕の家族を応援して、協力してくれている家族がまわりにはたくさんいます。そうしたつながりはこれからも大事にしていきたいと思います。
――結婚についてはまだ考えられないかもしれないですが、今の時点で福さんはどんな家庭を築きたいですか?
福 まだイメージできない状態ですが、やっぱり今の自分の家族のようにリビングに集まって何気ない会話をしたり、一緒においしいものを食べたり、楽しく過ごせたらいいですよね。そして、自分たちさえよければいいという考え方ではなく、まわりからも好かれる家族が理想です。
20歳になったら大好きな野球を観戦しながら、ビールを飲んでみたい
――20歳になる福さんですが、民法の改正で成人年齢が2022年4月1日から18歳に引き下げられましたがどのように感じましたか?
福 成人年齢の引き下げのニュースが出たときは、授業でも学びましたし、学校でも友だちと少し話した記憶はあります。僕自身、当事者だったのでインタビューも受けました。でも、「大人」、「子ども」という線引きは意識していません。2歳の差はあまり感じないです。むしろ、自分が20歳になることのほうが意識は高かったです。
――実際20歳を迎え、今の気持ちを聞かせてください。
福 これまでお世話になった方たちが「20歳になったら一緒にお酒を飲もうな」と声をかけてくれていたんですが、実際に一緒にお酒が飲めるようになることがうれしいです。あとは野球場でビールを飲みながら観戦することがあこがれだったので、それができることが一番うれしいかもしれません。
――広島ファンとして知られる福さんにとって球場で飲むビールはきっと格別でしょうね。
福 売り子さんから買ったビールを大好きな球団を応援しながら飲んでみたいです。本当に楽しみですね。
「あらゆる人の、記憶と心に残る俳優でありたい」
――最近は役者のお仕事以外で朝の情報番組で会社の社長さんにインタビューをされていますね。
福 小さいころから芸能関係の大人の方たちと仕事をご一緒させてもらっていますが、一般の会社の社長さんにお会いしてお話しを聞く機会がなかったのでとてもうれしいお仕事です。会社の雰囲気に触れると、社長さんが大事にしていることがわかったり、新たな発見があったりと、よい刺激になります。毎回、取材後はすっかりその会社のファンになっています。本当に勉強になっています。
――いろんなジャンルの方に会う機会が増え、役者としての引き出しもさらに増えそうですね。今後、具体的にどんな役を演じてみたいですか?
福 「あらゆる人の、記憶と心に残る俳優でありたい」とよく話しているのですが、役者としての夢はまだ漠然としています。でも、自分にできることをもっともっと増やしていきたいです。アクションも本格的にやってみたいですし、舞台に対する熱量も上がってきています。自分が思っている以上に舞台が好きなんだということにも気づきました。
――舞台の魅力はどんなところにありますか?
福 多くの先輩方、たとえば「マルモのおきて」でご一緒させてもらった阿部サダヲさんや古田新太さん、今年の4月に参加した地球ゴージャスの舞台『儚き光のラプソディ』(明治座)でご一緒した岸谷五朗さんや寺脇康文さんなど、舞台で活躍され、その舞台を大事にされている方たちの姿を見ると単純に「いいな」と思います。舞台でしか味わえない空気感にもっと触れていたい、舞台のお仕事関係にもっと時間を使いたいと強く思っています。
――作品を作る側、“監督”に興味はありますか?
福 今は役者として“プレイヤーの1人”という立場でしかありません。まだ自分に自信がない状態なので監督は考えられません。とにかく今は目の前のことを一生懸命こなす日々だと思っています。
仕事と学業の両立、両方を懸命にやらないと得られないものがある
――大きな役を前にしたときや、試験の前など実はこんなことでゲン担ぎをしているということがあれば教えてください。
福 毎年、お正月には寒川神社に家族で参拝には行っていますがそれくらいですね。どんなことも自分しだいだと思っているので何かにたよるということはないかもしれません。自分が、頑張った分だけ自分に成果が返ってくる。そして、うまくいかなかったときはいつかどこかでカバーできたらいいなと思っています。
――6月17日に発売のフォトエッセイでも福さんの活力、生命力を感じました。そのバイタリティはどこから生まれているのでしょうか?
福 まだまだやりたいことがたくさんある中で「このままじゃ終わらない」という前向きな気持ちが常にあるからかもしれません。現状に満足はしていないというか、とにかくやりたいことがたくさんあるのでクヨクヨしていられないという感じです。
――学業と仕事の両立は大変ではないでしょうか。
福 仕事と学業の両立は苦しい面もありますが、キャンパスライフは楽しんでいます。両方をフルでやらないと厳しいので、簡単ではないなと感じています。でも両方を懸命にやらないと得られないものがあると思うので、今はとにかく目の前のことをこなしていく。そして、この時間を乗り越えられたらきっと違う道が見えてくると思うので頑張るしかないと思っています。
SNSでの書き込みを見ても「わかってないなぁ」で終わり
――物心つくようになってから現在にいたるまで、体調管理はどのようにしていますか?
福 食生活は母が管理してくれていますが、睡眠に関しては意識して大事にしています。なかなか思うようには取れない時期もありますが、基本、体は丈夫ですね。性格的にいろんなことを楽しんでやれているのでそこも健康の秘訣かもしれません。
――精神的につらくなるようなことをSNS上で書かれたり、ネットで言われたりもしませんか?
福 ネット上のコメントを目にすることはあります。嫌なことを書かれているともちろん気にしないわけではないですが、でもそれに対して答えません。「わかってないなぁ」と思って、それで終わりにしています。
――フォトエッセイ中の「僕は、わりとメンタルが強いから(笑)」という言葉が印象的でした。
福 まわりの人から「メンタル強いね」とよく言われますが、幼いころから親が厳しいのでメンタル強化になったのかもしれないですね(笑) 。SNSで攻撃されて病んでしまう人もいると思いますが、僕の場合は僕のことをよくも悪くも書いた人を集めてオフ会してみたいくらいです。
お話・写真提供/鈴木福さん 取材・文/安田ナナ、たまひよONLINE編集部
20歳とは思えない落ち着いた雰囲気でさまざまな質問に答えてくれた鈴木福さん。芸能生活20年の貫禄が精神面にもあらわれていて、終始楽しくお話しを聞くことができました。今後の活躍がますます楽しみな役者さんです。
●記事の内容は2024年6月当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
鈴木福さん(すずきふく)
俳優。2004年6月17生まれ、東京都出身。テアトルエンターテインメント所属。デビューは1歳。2011年に放送されたドラマ『マルモのおきて』で大きな話題となり、同ドラマの主題歌で『第62回NHK紅白歌合戦』に史上最年少で出場。その後も多くのドラマやCMで活躍している。現在は朝の情報番組のパーソナリティーを務めるなど、多才な一面をみせている。初エッセイ『鈴木福 フォトエッセイ 笑う門には福来る』(主婦と生活社)が発売。
『鈴木福 フォトエッセイ 笑う門には福来る 20年間の笑顔と感謝』
“天才子役”として数々の作品に出演し、今もなお活動の幅を広げる俳優・鈴木福さんの20年の軌跡をつづった一冊。鈴木福著/1650円(主婦と生活社)