焦って始めても長引くだけ?トイレトレーニングの注意点とは
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周りの子がオムツから卒業するのを見て、「そろそろ、うちの子もオムツを取らなくては!」と焦りませんか? トイレが子どもにとって嫌なものにならないための注意点を子育て本著者・講演家の立石美津子さんが解説します。
立石美津子(子育て本著者・講演家)
http://tateishi-mitsuko.com/
聖心女子大卒。幼稚園・小学校・特別支援学校教諭免許を取得後20年間学習塾を経営、現在は著者・講演家として活動。自閉症児の母。著書は『1人でできる子になる テキトー母さん流 子育てのコツ』『はずれ先生にあたったとき読む本』『子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方』など多数。
トイレでおしっこをするために出来ていること
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「4月生まれだから」などと開始時期を月例で区切らないようにしましょう。顔つき、身体つきが違うように、子どもの成長は同じではないからです。ここでは、トイレトレーニングをはじめるポイントをみていきましょう。
1.排泄の間隔があく
トイレで排泄するためにはある程度の時間、排泄を溜めておけることが大事です。トレーニングはオムツの濡れる間隔が2時間以上空くようになってからスタートしましょう。昼寝直後、オムツが濡れていなかったらそのサインかもしれませんね。オムツが頻繁に濡れるようでしたらまだ早いかもしれません。
2.自分の意思を伝えられる
「ママ、おしっこ」と言えたり、身体表現で“自分の意思をママに伝えることが出来る”のも大切なことです。
3.人真似ができる
トイレをテーマとした絵本やDVDを見たり、保育園で3歳以上の子が便器を使っているのを見て「お兄さん、お姉さんみたいに便器に座ってみたい」の気持ちが起こるとよいでしょう。
早くからスタートしすぎて、トイレトレーニングが長引き、いつまでもオムツがはずれなくなってしまうこともあります。成長の時期が合えばあっという間に外れたりするものです。
トレーニングに最適な季節
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大人だって寒い時期はトイレが近くなります。汗をかいてトイレの間隔が長くなる暖かい季節がトイレトレーニングに適しています。また、子どもはトイレでスボンや下着を全部とってスッポンポンになりますので、鳥肌が立ってしまう冬のように寒い季節は避けるとよいでしょう。
トイレトレーニングの計画を立てる
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1.排便のタイミングを観察する
大人も食後や水をたくさん飲んだあとはトイレが近くなりますね。子どものオムツがどんなタイミングで濡れるか観察しておきましょう。例えば、お昼寝から起きた直後だったり、ご飯を食べた後だったり…そのときにサッとトイレに連れて行き、「便器の中におしっこが出た」という体験をさせるといいです。
2.おしっこのサインを観察する
言葉で「ママ、おしっこ!」と言えなくても以下のような態度で訴えていることがあります。
・股間を押さえてモジモジする
・机の下に隠れる
・ママにまとわりつく
・じっと宙を見て表情が固まる
・部屋を無目的にウロウロする など
このような行動を見たら、便器に座らせてみましょう。
やってはいけないこと
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・トイレが怖くて場所
トイレは明るく楽しい場所にしましょう。電球のワット数を明るく、壁に子どもの好きなキャラクターを貼ったりすると子どもはトイレに安心感を持つようになります。ドアを閉めると閉塞感のある怖い空間になってしまうので開けておく方がよいでしょう。
また、流す音を怖がる子もいます。さらに、最新式のトイレで自動洗浄機能により「予期しないときにジャージャーとお尻の下で怖い音で流れた!」と、そんな経験でトイレを拒否している子もいるのです。子どもが怖がるようでしたら、別の部屋に移動してから水を流しましょう。
また、大人だって地に足が付かない状態で排泄するのは不安定な気持ちになりますよね。補助便座で足がブラブラして落ち着かず、これで不安になっている場合は、おまるを使うのもよいでしょう。
・トイレにやたら誘う
ママがトイレのことだけにスポットを当ててしまい、何度も「おしっこは?」と頻回に誘わないこと。出るタイミングを観察して、ここぞという時だけ誘いましょう。
・失敗を叱る
「おもらしは絶対ダメ!」という厳しい基準を設けてしまい、「なんでトイレで出来ないの!」とその都度叱っていると、子どもは恐怖を覚えます。「失敗したらママが凄く怒る」“トイレトラウマ”ですね。特に、大便を失敗して怒られることが続くことで、便を我慢し、酷い便秘になってしまう(遺糞症)こともありますので要注意です。
(参考:遺糞症 http://www.med.nagasaki-u.ac.jp/peditrcs/group/ifun.pdf)
間に合わずパンツの中にしてしまった、便器に座る直前に床に出してしまった、「ママ、おしっこ」と言ったのに連れて行っても全く出ない、こんなことがあっても叱らないことです。「10回のうち、2回便器で出来たらOK」など緩い基準を設け、失敗はとがめずに“ママに言えたこと”、“トイレまで行けたこと”を褒めてあげましょう。
オムツが早く取れる子が将来も有望なんてことはないのです。親が焦ると、空気を察した子どもには大きなストレスがかかります。小学生になってオムツをしている子はいませんので、周りはゆったりと構えていましょうね。(文・立石美津子/子育て本著者・講演家)
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