夏こそからだの冷えに注意!夏の冷え性への対策、どうすれば?【専門家】
外に出れば一瞬で汗がふき出す猛暑の夏。そんな猛暑が続く夏に、冷え性に悩んでいる人も多いのではないでしょうか? 暑いからと何気なくとっている行動によって、知らないうちにからだが冷えてしまっているかもしれません。
今回は、夏の冷え性の原因や対処法、夏の冷え性対策におすすめの食材を薬剤師が解説します。
夏の冷え性の原因
夏の冷え性の主な原因は血行不良です。一歩外に出れば猛暑ですが、室内に入ると一転、冷房が強く効き過ぎて、むしろ寒いと感じたことがある人も多いのではないでしょうか。
冷房の効き過ぎによってからだが冷えていると、からだは体温を維持しようと血管を収縮させます。血管を収縮させることで血の巡りが悪くなり、末端の手足から冷えていくのです。
また、冷たいものの食べ過ぎも、冷え性の原因になります。暑いからとキンキンに冷えた飲みものやアイス、冷たい麺類などを摂り過ぎると、内臓が冷えて機能が低下してしまいます。
内臓は取り込んだ栄養を代謝する際に熱を生み出しますが、冷えると代謝機能が低下し、熱が産生されにくくなってしまうのです。さらに、消化不良を起こしやすくなり、腹痛や下痢などの胃腸の不調も起きやすくなります。
夏の冷え性への対策
猛暑を乗り切るために暑さ対策は必要ですが、同時に、夏の冷え性への対策も必要です。
ここでは、すぐに始められる夏の冷え性への対策方法を3つ紹介します。複数の方法をうまく組み合わせて生活に取り入れるのがおすすめです。
衣類でからだが冷えるのを防ぐ
外出のときには、カーディガンやストールなどすぐに羽織れるものを1枚持っておくと便利です。
食事や買いものなど、冷房の強い場所に入ったら、寒いと感じる前にさっと羽織るといいでしょう。夏は裸足で過ごすことが多い人は、靴下を履くのもおすすめです。
また、冷気は下にたまりやすいという特徴があります。デスクワークが多い人は、気づかないうちに足元が冷えているかもしれません。
レッグウォーマーやひざ掛けを活用して、足元の冷えを防ぐのがおすすめです。
外出先から室内に入ったとき、汗をそのままにするのもからだが冷える原因になります。吸水性や速乾性に優れたインナーを着用して、汗冷えを防ぐのも重要です。冷房でからだを冷やさないように工夫しましょう。
適度に運動する
運動不足だと筋肉の動きが少なく、血行不良を引き起こしやすくなります。適度な運動を取り入れることで、血行を促進することができます。
軽いウォーキングやランニングなど、無理のない範囲で運動しましょう。運動するときには、水分補給や休憩をこまめにとって、熱中症に注意しながら無理のない範囲で行ってください。
なかなか運動する時間を取れない場合には、ふくらはぎを動かすことを意識した、スキマ時間にできる軽い運動やストレッチがおすすめです。ふくらはぎは第二の心臓とも呼ばれており、重力に逆らって血液を心臓に戻す役割を担っている重要な筋肉です。
かかと上げとつま先上げを交互に繰り返す、エレベーターではなく階段を使うなど、普段の生活に軽い運動を取り入れましょう。とくに、かかと上げとつま先上げは座っていてもできるため、仕事中や公共交通機関での移動中におすすめです。
冷たいものを食べ過ぎない
内臓の冷えを防ぐために、冷たいものを摂り過ぎないことが重要です。
水分補給には常温の水やお茶を飲む、食事には温かい味噌汁やスープを1品入れるなど、冷たいものだけを摂取しないよう工夫しましょう。
素麺や冷やし中華などの冷たい麺類を食べるときには、ねぎやしょうがなどのからだを温める作用のある食材を一緒に食べるのがおすすめです。
夏の冷え対策におすすめの食材
夏の冷え対策には、ビタミンEを多く含む食材がおすすめです。ビタミンEは末梢血管拡張作用があり、血行促進が期待できる栄養素です。
ビタミンEを多く含む食材には、以下のようなものがあります。
・ナッツ類:アーモンド、落花生、くるみ
・オイル:ひまわり油、オリーブオイル
・魚類:うなぎ、たらこ、ぶり
・豆類:豆乳、きなこ、油揚げ、納豆
間食を甘いものからアーモンドなどのナッツ類に変えたり、普段の食事でこれらの食材を積極的に取り入れたりして、こまめに摂取するといいでしょう。
夏の冷え性対策を取り入れて元気に過ごそう
猛暑を乗り切るためには、暑さ対策や熱中症対策が欠かせません。しかし、暑さ対策と同じくらい夏の冷え対策も重要です。
冷房の効き過ぎた室内や冷たいものの摂り過ぎなどでからだが冷えると、血行不良を引き起こし、さまざまな不調につながってしまうため注意しましょう。
冷房による寒さ対策としてカーディガンやストールを持ち歩いたり、内臓の冷え対策として常温の飲み物で水分補給をしたりするのがおすすめです。運動習慣や食生活も工夫して、元気に夏を乗り切りましょう。
PROFILE
あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=211332f2tmhy00010092