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薬もアレルギーを起こす!?薬物アレルギーの症状や対処法を薬剤師が解説

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アレルギーの原因となる物質は、食品やハウスダストだけではありません。薬が引き起こす「薬物アレルギー」について知っておくことも、自身や子どもの健康を守るうえで重要です。今回は、薬物アレルギーの代表的な症状やアレルゲンになりやすい薬、薬物アレルギーを発症した際の適切な対処法について解説します。

薬物アレルギーとは?


薬物アレルギーとは、薬によって引き起こされる過敏反応のことです。薬物アレルギーは薬本来の作用とは関係なく発生するため、発生の有無には個人差があり、すべての人に起こるわけではありません。

薬を何度も使い続けているうちにアレルギー症状があらわれることが多いですが、少量や初回の使用でも起こる可能性があるため注意が必要です。とくに危険なのが「アナフィラキシーショック」と呼ばれる重篤なアレルギー反応で、呼吸困難や急激な血圧低下のすえに死亡する場合もあります。注射薬でアナフィラキシーショックが起こるケースもあり、この場合は使用後数分以内という非常に早い段階で症状があらわれるのが特徴です。(※1)

なお、薬物アレルギーの診断は慎重に行わなければならず、自己判断は禁物です。実際には薬物アレルギーではなかったという場合もあるため、疑わしい症状が出たら医療機関で検査し、適切な診断を受けましょう。

薬物アレルギーの症状

薬物アレルギーは大きく分けると「遅延型アレルギー」と「即時型アレルギー」の2つのタイプがあり、それぞれ症状が異なります。

遅延型アレルギーは薬を使ったあと数日後にあらわれるタイプです。湿疹やかゆみなどの皮膚症状や、めまいや耳鳴りといった神経系の症状が見られることもあります。遅延型アレルギーの症状は比較的軽度で始まることが多いものの、発熱や臓器障害などを引き起こす可能性もあるため注意が必要です。

一方、即時型アレルギーは、薬の使用後数分から数時間以内に症状があらわれます。代表的な症状にじんましんや喘鳴、嘔吐、血圧低下などがあり、重症の場合にはアナフィラキシーショックが起こる可能性があるため、迅速な対応が求められます。

薬物アレルギーを起こしやすい薬はある?

とくにアレルギー反応を起こしやすい薬の1つとして、抗生物質が挙げられます。抗生物質のなかでも、ペニシリン系やセフェム系の薬はアレルギー反応が起きやすいといわれています。(※2)

解熱鎮痛薬も、薬物アレルギーが比較的多く見られる薬です。解熱鎮痛剤は小さい子どもから高齢者まで幅広く用いられているため、アレルギーのリスクを軽視できません。歯科などで用いる局所麻酔薬も、薬物アレルギーが起こりやすいので注意しましょう。

多くの薬は分子量が小さいため、それ自体ではアレルギーを起こしにくいといわれています。しかし、体内の高分子物質と結合すると、アレルゲンになる場合があります。過度に不安を感じる必要はありませんが、さまざまな薬でアレルギー反応が起こりうると認識することが大切です。

薬物アレルギーへの対処法

薬物アレルギーが疑われる場合、適切な対処が重要です。ここでは、主な対処法について説明します。

薬の服用を中止し、医師や薬剤師に相談

薬物アレルギーの疑いがある場合、すぐにアレルギーの原因と思われる薬の服用を中止して、医師や薬剤師に相談しましょう。最初のうちは症状が軽くても、あとで重篤なアレルギーが出る場合もあるため、油断すると危険です。医療機関を受診するよう指示されたら、すみやかに受診しましょう。

医療機関では、医師の指導のもとで適切な診断と対処が行われます。通常は問診や皮膚検査、血液検査の結果から薬物アレルギーの有無が確認され、診断に基づいて今後の治療方針が決定されます。

お薬手帳にアレルギーを起こした薬を記録

薬物アレルギーを経験したら、アレルギー情報を正確に記録することが欠かせません。薬物アレルギーが起こった人の体内にはその薬への抗体ができており、今後似たような薬を服用すると再びアレルギーが生じる可能性があります。

そのため、アレルギーを起こした薬の名前を、お薬手帳に明確に記録しておきましょう。また、アレルギー体質は遺伝的な要因も関係するため、家族にアレルギーがある場合も医師・薬剤師に伝えてください。卵や牛乳などにアレルギーがある人も、これらの食品成分が含まれる薬がアレルゲンになりうるため、医師・薬剤師に情報共有することが重要です。

アレルギー歴や家族歴をきちんと記録して医療従事者に伝えておけば、今後の治療や処方のときに適切な対応をとってもらえます。

薬物アレルギーから身を守るために

薬物アレルギーは予測が難しく、ときに深刻な症状を引き起こす可能性があります。しかし、適切な対処法と知識を理解していれば、そのリスクを大幅に軽減することが可能です。

自分や子どもの体調の変化に注意して、少しでも異変を感じたらすぐに医師や薬剤師に相談してください。アレルギー歴や家族歴などの情報をお薬手帳に記録したり、医療機関に共有したりしておくと、薬物アレルギーから身を守ることにつながります。安全に薬を使用して健康的な生活を送るために、日頃からアレルギーに備えましょう。

<参考文献>
※1 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「アナフィラキシー」
※2 製薬協「薬の情報Q&A Q12.薬物アレルギーとは、どういうものですか。」

PROFILE

あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり

薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=211332f2tmhy00010093

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