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「ママがいい!」そのひと言にパパの心は折れまくり?! パパたちが心から育児を楽しめる社会を目指して日々活動中

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子育て戦隊パパレンジャー参上!
・パパレッド:お父さんの子育てを応援するぞ!パパレッド!
・パパブルー:子どもの安全守るぞ!パパブルー!
・パパグリーン:好き嫌いせず何でも食べるぞ!パパグリーン!
・パパイエロー:元気いっぱい遊ぶの大好き!パパイエロー!
・パパピンク:お母さんの子育ても応援するわよ!パパピンク!
・怪人ろくでなし:休みの日には子どもと遊ぶよりも家でゴロゴロ・ダラダラすることが大好きなお父さんたちの負のエネルギーが集まってできた俺様は、怪人ろくでなし様だ!!

「育児をしたいけど、何から手をつけていいかわからない」そんなパパが楽しく育児ができる社会を目指し、パパたちを支援する活動をしている「NPO法人 おっとふぁーざー」代表理事の舘 直宏さんにお話を聞きました。

子どももパパも楽しめるレジャー感覚のイベントを提案

――「子育て戦隊パパレンジャー」と「怪人ろくでなし」、子どもが飛びつきそうなキャラクターですね! このキャラクターを演じているのも「おっとふぁーざー」のスタッフだそうですが、どういった活動をされていますか?

舘さん(以下敬称略) “子育ては楽しい”をパパに伝えることを目的に、パパと子どもがいっしょに参加できるイベントを福井県で行っています。活動を始めた2014年からパパが子どもといっしょに楽しみ、本気で夢中になるような体験に重きを置いていて、最初のイベントから登場しているのが子育て戦隊パパレンジャー。
楽しいと同時に、日常生活や遊びの場面で子どもを危険にさらさない安全対策を伝えることも重視していますが、安全対策を前面に出すとつまらない。パパレンジャーをフックに、非日常の楽しさと持って帰れる知識や技術をセットにして伝えています。
最初は運動会から始まり、今では夏は水遊び、秋は工作、冬は餅つき、2月にはママにホワイトデーのお返しをつくるなど、イベントのバリエーションも増えています。最近は、パパたちから「お泊まりに行きたい」と要望が出てきたので、お泊り戦隊パパレンジャーとしてパパと子どもの24時間お泊まり体験イベントをしました。

――イベントに参加されたパパと子どもは、参加前後でどのような変化がありますか。

舘 ママたちは初対面でも仲良くしようって雰囲気がありますけど、初対面のパパたちは人見知りのような探り合っている感じで緊張感があります。子どもたちともどこかよそよそしいというか、ちょっと距離がある感じで。でもイベントが終わったら、手を繋いだり抱っこしたり肩車したりして帰っていくんです。パパ自身は子どもとの距離が縮まっていることに自覚がないかたが多いんですけど、ママたちはものすごく敏感に気づいていて。パパの言葉のかけ方が変わったとか、パパっ子になったなんて報告をもらいますね。イベントに何年も参加しているパパだと、当初ママ100:パパ0だったのが50:50どころか、パパの割合が大きい子も増えてきている人もいます。


パパを支援しながら男性保育士への偏見もなくしたい

――元々、舘さんは保育士だったんですよね。

舘 約25年前に保育士になり、17年ほど保育園で働いていました。

――25年前に男性保育士は珍しかったのでは。

舘 当時は福井県に男性保育士は3〜5人しかいないといわれていた時代。資格を持っている人はいても、保育の現場で働いている男性はほぼいませんでしたね。4月の担任紹介で僕が現れると保護者がざわつき、男の担任ってどうなのって空気感はものすごく感じていました。男性が苦手な女の子を担任したとき、なかなか僕になじめなくて保護者に「女性保育士のクラスに変えてください」と言われたこともありました。

――男性であることが理由でいろいろ言われることはつらいですね。

舘 もちろん、男性保育士でいい面もあります。僕のような男性保育士がいることで送り迎えやクラスの個人面談にもパパが来てくれるようになりました。パパたちに育児の悩みを聞くと「休みの日には子どもと遊びたい。でも何をしていいかわからない」って口をそろえるんです。この言葉は、僕が保育士1年目のときからベテランになるまで毎年聞いていました。
これがおっとふぁーざーの原点です。僕もパパたちに保育士として育ててもらったので力になりたかったし、男性保育士に対して偏見があるなら、男性保育士のよさを社会的に伝えたかった。当初はボランティアで活動していましたが、僕個人の活動では限界が見えたので、NPO法人化して現在に至っています。

子どもといっしょにすごす時間が長くなれば、自然とパパに懐いてくる

――昔に比べると育児に積極的なパパは増えていますか?

舘 圧倒的に増えていますね。ただ自信のなさは昔と同じです。育児が上手な人ほど自信を持ってないかも。手応えを感じていなくても、試行錯誤するのは子どもとベストな関係を築くうえで大切ですから。

――今のパパは育児でどんなことに悩んでいますか?

舘 子どもが3才未満だと「ママがいい」の時期。それで心折れるパパはよくいらっしゃいます。

――パパが子どもを見ているのに、赤ちゃんがママをあと追いするのはよくある場面ですね。

舘 ちっちゃい年齢のときには、やっぱりママには勝てないと思うことがよくあります。つらいことだけれども、僕をはじめパパはみんな経験していること。そういう経験はパパと子どもの関係をつくっていくうえですごく大事で、僕の娘もパパ嫌いでした。でも「パパは好きだよ」って言い続けたら、3才頃から「パパ好き」になってきて、小4になった今でもいっしょに横に寝るって言ってくれるし、娘と妻が対立しそうなときは僕が間に入ることもありますし。
保育のプロである保育士でも「ママがいい」ってギャン泣きされるんですから、焦らないでほしいです。子どもも少しずつ慣れてくるので、諦めずに取り組んでほしいですね。

――赤ちゃんがパパに慣れてもらうためのテクニックはありますか?

舘 その場にママがいると、子どもは気持ちが切り替えられないんですよ。自宅にはママの痕跡がたくさんあるので、子どもと外出がいいと思いますね。ベビーカーでお散歩に行くとか、ドライブするとか映画を見に行くとか。

――子どもが泣き止まないからママに電話したり、ママの画像を見せたりするパパがいますよね。

舘 それは逆効果だと思います。一時的に気を紛らわすだけであって、ママからすればすごい負担ですし。保育園で0、1、2才と担任してきた経験から、子どもも四六時中泣いているわけじゃない。昨日は1時間泣いたけど今日は50分になった。ちょっと短くなった、くらいのおおらかな気持ちで見守るのが大切ではないでしょうか。子どもの気持ちを理解しながらも同じ土俵にのらないことが大事です。いっしょに過ごす時間が増えていくほど泣く時間は減るし、もう少し成長すればパパと遊びに行く楽しさに子どもも気づきます。4才か5才ぐらいになれば、パパがいいっていう日が来ます。僕の周囲には、それを実感しているパパが何人もいますから。そのうちママがいない方がおもしろい遊びができるって、子どもと2人だけの文化もできてきます。

子どもに合わせるのではなく、パパの趣味を経験させることも大事

――ほかによくあるパパの悩みはありますか?

舘 育児をしたいけど、何から手をつけていいかわからない、ですね。子どもにご飯をつくりたい、子どもといっしょに料理をしたい。けれど、何をしてあげたらいいんだろうって悩んでいるパパは多いですね。

――わからないことが、わからない状況なんでしょうか。

舘 僕は子どもに合わせるよりパパの趣味や特技をいっしょに楽しんだ方がいいとい思うんです。パパが楽しそうにしていたら、お子さんも楽しくなってくるんです。僕は週末にBBQをするのが好きで息子を0才のときから自宅でいっしょに家族や友人と楽しんでいました。親子でBBQを楽しむなら、年中・年長以上が一般的なイメージだと思いますが、その年齢なりの楽しみ方がありますから。0才当時は横で寝ているだけでしたけど、少しずつできることが増えて今ではBBQ好きの息子になり、火起こしをしたり、お肉を焼いたりしてくれるようになりました。パパが楽しいことをいっしょにすれば、子どもが大きくなったときに共通の趣味になるはずです。危険のない範囲で年齢を気にせず楽しんでほしいですね。

育児はがんばるものではなく、楽しむもの

――おっとふぁーざーが目指す、理想の子育ての未来はどんなものでしょうか。

舘 この10年ぐらいで育児に対するパパの意識も高まりましたが、まだがんばっている感じがします。これからは使命感より、子育てが楽しいって思える未来にしたいです。育休なら女性並みの80%を目指していきたい。パパがママと同じくらい育休が取れれば、イクメンやママの支援や女性の社会進出って言葉もいらなくなるんじゃないかなって。
パパとママの生活の中心に子育てがある。そういう未来になってほしい。子育てはつらいこともあるし、できないことも増えるけど、子どもがいるからこそできることもある。パパたちも子育てがおもしろいって思える未来になってほしいですね。

取材・文/津島千佳、たまひよONLINE編集部

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<プロフィール>

「NPO法人おっとふぁーざー」代表理事 舘 直宏さん

保育士として17年勤務した後、「NPO法人おっとふぁーざー」を設立し、代表理事に就任。家庭では3児の父親であり、第3子が誕生した際に8カ月の育児休業を取得。保育士と父親の経験や知識を活かし、男性が子育て・家事を楽しんで積極的に関わることができる社会を目指す。男性の家庭進出支援イベントの開催をはじめ、福井県男女共同参画審議会、福井県こども・子育て応援会議などの委員も務め、男性の育児休業取得支援に取り組んでいる。

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