[おっぱいの飲み方]5つのクセがわかれば、授乳がラクになる!
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赤ちゃんが生まれてすぐのころは、ママも赤ちゃんもすべてが初めてのことなので、お世話で悩むことがたくさんあります。その中でも、もっとも気になることが「授乳!」というママも多く、おっぱいを上手に飲ませることができない、おっぱいをなかなか飲んでくれない…という悩みも。
実は、ママの母乳の出る量や乳首の形に個性があるように、生後すぐの赤ちゃんには、母乳の飲み方のパターンにも個性があるんだそう。今回は、赤ちゃんの哺乳パターンと授乳のポイントについて、昭和大学江東豊洲病院小児科教授・水野克己先生に伺いました。
わが子の飲み方のパターンを知ることで、スムーズな授乳へのヒントが見つかるかもしれません!
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あなたの赤ちゃんはどのタイプ?哺乳パターンは5つある!
「生まれたばかりの赤ちゃんでも、よく泣く子やおとなしい子、よく眠る子や抱っこでないと寝ない子など、さまざまなタイプの赤ちゃんがいますよね。もちろん、おっぱいを飲むときにも個性が表れてきます。研究によって、生まれたばかりの赤ちゃんの哺乳パターンは以下の5つに分類されることがわかっています。
新生児期早期の哺乳パターン
1.すっぽんタイプ
おっぱいに近づけるとすぐに吸いつき、すぐ飲み始めます。
★飲ませ方のポイント
→このタイプはよく吸ってくれるので心配は少ないですが、赤ちゃんをおっぱいから離すときには注意が必要です。そのまま引き離すと乳頭を痛める場合があるので、ママの指を赤ちゃんの口に差し込んでくわえさせてから乳首を離すといいでしょう。
2.気難し屋タイプ
飲んでいる途中で離したり、泣いたりわめいたりします。
★飲ませ方のポイント
→いったんこのようになると手がつけられないので、抱っこするなどしてなだめることに。うとうとしているときや寝起きなどに授乳すると、落ち着いて飲んでくれることもあります。泣き出す前に授乳するのがポイントです。
3.後回しタイプ
生後数日はおっぱいを飲むことにあまり関心がないタイプです。
★飲ませ方のポイント
→母乳をあげようとしても飲もうとしないので、ママはあせってしまうことも。このような赤ちゃんには、素肌でのスキンシップが有効。ママの乳房のにおいは赤ちゃんの哺乳意欲を高めてくれます。
4.グルメタイプ
乳首で遊び、味を楽しみ、舌鼓を打ち、それから飲み始めます。
★飲ませ方のポイント
→急がせたりすると泣き叫びます。対策としては、赤ちゃんがしたいように遊ばせることです。早く飲ませようとすると逆効果になります。
5.のんびり屋タイプ
飲んでは休みを繰り返すタイプです。
★飲ませ方のポイント
→時には寝てしまうこともあります。このタイプもあせらずに、ママが赤ちゃん以上にのんびりと構えることがポイントです。
赤ちゃんの個性を知って、授乳を工夫しましょう
「5つの哺乳パターンからもわかるように、おっぱいを飲むだけでもさまざまなタイプの赤ちゃんがいます。おっぱいを飲むのが最初から上手な子もいれば、少しずつ上手になる子、のんびりしている子やせっかちな子もいて、生まれたときから赤ちゃんには個性があるということがよくわかりますよね。
『私の赤ちゃんはどのタイプかな?』と見ていると、赤ちゃんの哺乳パターンがわかるかもしれません。赤ちゃんをよく観察して、ぜひ赤ちゃんに合わせた授乳方法を見つけてあげてくださいね。
赤ちゃんのタイプにかかわらず、スムーズな授乳をするためにはいくつかポイントがあります。
ママにとっても赤ちゃんにとっても快適な授乳にするためのポイントは『姿勢』と『乳首のふくませ方』。
ママは背中が丸まっていたり肩に力が入った状態ではなく、リラックスした姿勢で飲ませることが大切です。また、赤ちゃんの体は、頭から体が一直線に支えられてママの方を向いていて、お互いの体が密着している状態に。赤ちゃんの口が乳首の高さと合わないときは、クッションなどを使って調節しましょう。乳首をふくませるときは、乳輪部まで深くしっかりとくわえさせるようにします。
そのほか、母乳育児を行うためには、栄養バランスのいい食事や水分補給、しっかりとした睡眠、ストレスをためないことも大事です。ママがリラックスした時間が持てるよう、パパやまわりの人たちの協力体制をつくっておくといいですね」
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赤ちゃんは生まれながらにして、おっぱいを飲むスタイルにも個性があるなんて、興味深いですよね。
『ひよこクラブ』2018年5月号(4月15日発売予定)では、赤ちゃんが持って生まれてくる「飲む力」について、母乳・ミルクの栄養について、飲ませ方のコツ、月齢別の授乳スケジュール、卒乳の体験談など、授乳にまつわるさまざまなことをまとめた巻頭大特集があります。ぜひチェックしてみてくださいね!(取材・文/池田さちこ・ひよこクラブ編集部)
■監修/水野克己先生
昭和大学江東豊洲病院小児科教授。小児科専門医、周産期(新生児)専門医。葛飾赤十字産院小児科副部長、千葉県こども病院新生児科医長などを経て現職。