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低出生体重児、早産児 1~2才ごろまでの気がかりQ&A

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低出生体重児や早産児で生まれた赤ちゃんも修正1才を過ぎると、いろいろなことができるようになって、しっかりしてきます。けれども、ママやパパとしては、小さく生まれたことが気になって、心配が頭をよぎることもあるでしょう。そこで修正1~2才でママやパパが気にしがちなことを集め、専門家にアドバイスをもらいました。

生活での気がかり

AntonioGuillem/gettyimages

小さく生まれた子でなくてもよく見られる気がかりですが、とくに気になってしまう悩みを先生に聞きました。

Q かんしゃくをよく起こしますが、甘やかしたからでしょうか?

A 低出生体重児や早産児で生まれた子は、お世話や病気のケアなどに時間をかけることが多いかもしれませんが、手をかけたり様子をよく観察するのは、甘やかしではありません。ママという甘えられる存在に、好きなだけ甘えられることは、ママとの信頼関係をよりはぐくみ、ひいては、自立を促すことになります。ですから、どんどん甘えさせてあげてください。
1才代は自分でやりたいことができなかったり、したいことをうまく伝えられないなど、理想と現実のギャップにストレスを感じ、かんしゃくを起こすことがあります。それは自我が芽生えてきたという心の発達の一過程。さりげなく手伝って、「上手にできたね」とほめたり、暴れているときは、抱っこして別の場所に移動させると、気分転換できることもあります。

Q 風邪をひかせるのが怖くて、家の中でばかり遊ばせています。

A 家の中で遊ばせていても、風邪をひくときはひいてしまいます。見慣れた室内でばかり遊んでいると、しだいに飽きてしまって、イライラし出すこともあるでしょう。気分転換をかねて、どんどん外へ遊びに行きましょう。生活のメリハリもつきますし、家ではできない体験を通して、心も体も成長していきます。
公園や児童館などは、ほかの子と知り合えるチャンス。1才代では、一緒に遊ぶことはできませんが、ほかの子と知り合い、家族以外の人とのかかわりや社会のルールを学べるので社会性が身につきます。また、言葉を理解しておしゃべりが増えたり、広いところやでこぼこ道を歩くことで、運動能力が発達します。ママにとっても、近所のママ友だちができる、いいきっかけになるでしょう。

Q 友だちの輪に入っていけません。友だちが大きいと、子どもでも気後れするのでしょうか?

A 子ども自身は、自分より大きい小さいということを気にしません。気後れすることはないでしょう。1才代は、興味のあるもので自分の好きなように遊ぶため、集団でいてもひとり遊びが当たり前。ほかの子がそばにいても、関心を示す程度なのが普通。同じ遊びを一緒に楽しめるようになるのは、3~4才ごろになります。ですから、友だちの輪の中に入れないのであれば、無理に遊ばせようとせず、ほかの子が遊んでいる様子を見せてあげるだけでかまいません。子どもがいる環境に慣れてきて、友だちがたくさんいる場所が楽しいと思えるようになれば、やがて自分から輪の中へ入っていけるようになります。
まずは、ママがお子さんと一緒に輪の中に入っていきましょう。そしてママがほかの子に声をかけたり、言葉でやりとりするのを聞いたりしながら、ほかの子とのかかわり方を学んでいくでしょう。

成長・発達の心配

低出生体重児や早産児で生まれたことで気になりがちな成長・発達の心配ごとについて先生に聞きました。

Q 1才3カ月ですが、まだつかまり立ちしかしません。

A 在胎週数25週あるいはそれ以下で生まれた早産児の赤ちゃんは、しばしば予定日の体重が正期産新生児の体重の10パーセンタイルを下回っていることがあります。この場合、修正月齢でみても成長・発達がゆっくりになる傾向があります。発達が多少遅くてもこれまでに着実に進歩しているなら、そのまま様子をみていてかまいません。ただし、単に発達がゆっくりなだけで、知的にも問題のないスロースターターなのか、発達するスピードがどんどん遅くなり、神経などに問題があるケースなのかは、実際診てみないとわかりません。ママが気になるなら、一度主治医に相談しましょう。

Q 歩き始めて1カ月くらいたちますが、つま先立ちで歩くことが多いです。

A 歩きはじめのころは歩くことに慣れていないため、緊張して足に力が入りやすく、つま先立ちで歩くことがあります。立っているときに、かかとが下にしっかりついているようであれば、やがて普通に歩けるようになります。立っているときでもかかとをつけない場合は、一度小児科を受診してみましょう。

Q 好き嫌いが多く、あまり食べないせいで体重が減ってしまいました。

A 1才代になると体重の増えが緩やかになり、1年間で1.5~2kg程度、1カ月で150gぐらいしか増えません。また体重を測定するときに動いたりすると、誤差が出てしまうため、体重が一時的に減ったり横ばいであることがよくあります。基本的に元気で機嫌がよければ、問題ありません。体重の増えについては、3カ月から半年くらいの長い期間で判断するようにしましょう。
好き嫌いですが、食べづらさが原因のこともあります。1~2才の子はかむ力や飲み込む力が弱いため、かたいものや弾力のあるものが苦手です。また嗅覚(きゅうかく)が敏感なため、においのきついものは生理的に受けつけないことも。子どもが食べづらい食品は、適度にやわらかく煮たり、においを消すなどの工夫をしてみましょう。
また、甘みとうまみ以外の味覚は訓練しないと身につかず、最初は嫌がることもあります。ですから、酸味や苦みなどの強い食品が食べられないのはしかたがないこと。ほかの人が食べているのを見て、食べるなどの経験を通して、食べられない食品が徐々に減っていくものです。

小さく生まれた赤ちゃんに対応した「母子手帳アプリ」も!

修正月齢をもとに赤ちゃんの身長体重を記録するのに、アプリを使用する方法があります。特定非営利活動法人ひまわりの会と、株式会社NTTドコモ提供の「母子健康手帳アプリ」には、「修正月齢に対応できる身長・体重のグラフ」と「低出生体重児向け子育てQ&A」が掲載されています。
「修正月齢のグラフ」は、出産予定日より早く産まれた赤ちゃんが実際に生まれた日ではなく、出産 予定日を基準に発育・発達状況の目安を確認することができるグラフです。また、「低出生体重児向け子育てQ&A」は、小さく生まれた赤ちゃんのママやパパによくある子育ての不安や悩みに対して、専門家が回答しています。
紙の母子手帳にはないアプリならではの便利さがあります。上手に活用して不安な日々の支えにしてみるのもよいでしょう。
 https://www.boshi-techo.com/service/

病気についての心配

小さく生まれたことで心配になりやすい、病気の気がかりについて先生に聞きました。

Q 小さく生まれると気管支炎やぜんそくになりやすいですか?

A 肺で呼吸をするのに必要な「肺胞」ができ始めるのが、在胎週数22~24週ごろ。その後も肺胞は増え続け、8才ごろに大人と同じくらいの肺胞の数になります。小さく生まれた子が新生児期に人工呼吸器を必要とした場合、肺が成長せず慢性肺疾患になると、NICU退院後も酸素投与が続いたり、家庭で酸素吸入が必要になったりします。このような場合、ぜんそくのような呼吸音がでることがあります。一方、慢性肺疾患のなかったお子さんでも、まだ肺機能には多少問題を抱えています。とくにRSウイルス感染症にかかるとどちらのお子さんも呼吸状態が悪化しやすく、1才を過ぎてもちょっとした風邪でゼーゼーすることがしばしばあります。NICU退院後はRSウイルス感染を予防できるパリミズマブ(商品名シナジス)の筋肉注射を忘れずに受けるようにしましょう。パリミズマブについては主治医と相談して注射時期を逃さないようにしてください。

Q 病気にかかりやすく、薬が手放せません。いろいろな薬を使うことは成長に影響しますか?

A 病気を治すのに、必要な薬を飲むことはとても大切です。主治医が出している薬を適量飲ませているのであれば、成長に影響はありません。食事が困難であったり、横になると眠れない、ゼーゼーするなど日常生活に影響があるのであれば、それを減らすために薬を服用したほうがいい場合もあります。けれども、軽い鼻水やせき程度なら室内を適温・適湿に調整するなどホームケアをし、薬を飲ませずに様子を見ても問題がないことが多いです。
子どもが熱を出すと不安で、すぐ解熱剤を使うママがいますが、発熱は、病気のウイルスや細菌が体内で増殖するのを防ぐために起こる生体反応です。元気で、水分も安定してとれるのであれば解熱剤を使う必要はありません。

Q 1才をすぎれば、小さく生まれた子でもSIDSになる確率は低くなりますか?

A SIDS(乳幼児突然死症候群・にゅうようじとつぜんししょうこうぐん)は、寝ているときに何の前触れもなく死んでしまう病気。現在、原因は特定されていませんが、あお向け寝や周囲の禁煙、母乳育児によって予防できることがわかっています。早産児や低出生体重児の場合、SIDSの危険性が高いとされますが、SIDSの発症は生後4カ月前後をピークに6カ月までが全体の8割、1才までが全体の9割を占め、1才以降の発症はまれです。

「1才以降にかかった病気について」体験談

早産児や低出生体重児で生まれると、病気にかかりやすいのではと心配になりがちです。実際に、暦年齢で1才を過ぎた赤ちゃんたちは、どんな病気にかかったことがあるのか…赤ちゃんがNICUの入院を経験したママにコメントをいただきました。

●風邪をひいて高熱を出しました
風邪はよくひきました。そのたびに40度近い高熱がでて心配しました。でもそのほかの大きい病気などは、今のところはかかったことがありません。(2才7カ月男の子、出生体重:1085g、在胎週数:27週2日)

●感染症にかかっていません
RSウイルス感染症の予防接種(シナジス)が保険適応になったので、8カ月ごろまで接種していたこともあってか、今までほどんど風邪をひいていません。(2才5カ月男の子、出生体重:2150g、在胎週数:35週5日)

●毎月1~2回風邪をひいています
普段は元気にしていますが、6カ月ごろから毎月1~2回、風邪をひいています。そのたびに、40度くらいの発熱やせきなどの症状が出て、心配になります。(1才1カ月男の子、出生体重:902g、在胎週数:27週2日)

●予防接種をするたびに39度以上の熱を出していました。
また突発性発疹とRSウイルスにかかりました。(2才男の子、出生体重:1531g、在胎週数:34週0日)

●突発性発疹にかかりました
1才(修正月齢9カ月)のときに、突発性発疹にかかりました。その後、間もなく風邪をひき、台風の気圧の変化なども影響してか、ゼーゼーしていて心配しました。それでも子どもは元気で、1週間くらいで治りました。(1才6カ月女の子、出生体重:644g、在胎週数:23週4日)

小さく生まれた赤ちゃんのママやパパは、赤ちゃんを大事に考えている分、悩み事がたくさん出てくるもの。気になることがあれば、どんなにささいなことであっても抱え込まずに、かかりつけ医に相談しましょう。早めに気持ちをすっきりさせて、育児を楽しんでくださいね。(取材・文/東 裕美、ひよこクラブ編集部)

監修/板橋家頭夫先生
昭和大学病院病院長。専門は、小児科学、新生児学。極低出生体重児の成長・栄養管理に詳しく、低出生体重児・早産児の生活習慣病リスクを研究。赤ちゃんや家族の幸せをモットーに診療をされています。

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