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俳優・板垣李光人、屋内で絵を描くのが大好きだった幼少期。自ら手がけた絵本に込めた思いとは?

更新

たまちゃん、ひよちゃんを手に取材に応じてくれた李光人さん。

話題のドラマや映画に次々と出演中の人気俳優、板垣李光人さん。以前より「絵を描くのが好き」と公言しアーティストとしても活動していますが、今回初の絵本『ボクのいろ』が発売されました。李光人さんに好きだった絵本や、絵本作りのことなどについて話を聞きました。

小さいころお気に入りだった絵本は『クマのプーさん』

東京都内で行われた絵本発売のイベントで絵本を読み聞かせする李光人さん。イベントには多くのファンが集まりました。

――李光人さんは小さいころはどんなタイプの子でしたか?

李光人さん(以下敬称略) 今とあまり変わらないというか・・・休み時間に外で活発に遊ぶタイプではなく、屋内で絵を描いたりして過ごすのが好きでした。運動も外で走りまわるというよりは、屋内のプールで水泳をしていたくらいです。

――小さいころに好きだった絵本はありますか?

李光人 読み聞かせをしてもらった記憶があるのは『クマのプーさん』です。ディズニーのアニメ版ではなくて、原作のA.A.ミルンのほうですね。けっこう分厚い本だったので、母が手をプルプルさせながら読んでくれていました。

その本は、いくつかのエピソードが集まった長いお話なので、自分で文字がわからないころから読み聞かせてもらって、だんだん自分でも読めるようになっていく、という体験をした1冊でした。あのクラシックなデザインのプーさんのイラストや、キャラクターたちの雰囲気が好きで、お気に入りの絵本です。

――李光人さんは、映画『ブルーピリオド』出演時にデッサンも学んだそうです。さらに2024年は個展も開催。李光人さんにとって、絵やアートとはどんな存在ですか?

李光人 絵を描くという行為は、自分にとっては“デトックス”のようなもの。日々生活していると、どうしても何かしらフラストレーションがたまっていくものですよね。それをため込んでしまうのはよくないので、自分の場合は絵を描くことが外に出す手段になっているんだと思います。だから「絵を描きたい!」と思うときは、何かがたまってきたなと感じるときが多いかもしれません。

絵本作りは感情よりもロジカルに

今回の絵本のいちばんお気に入りのページを手にする李光人さん。

――今回、李光人さんが手がけた絵本『ボクのいろ』が発売となりました。絵本での表現はまた違ったものになるのでしょうか。

李光人 普段の絵は感情で描くことが多いんですが、今回の絵本の場合は、構成を考えて絵をロジカルにはめていくような感覚で描いていきました。

――ロジカル、とはどういうことでしょう?

李光人 絵本は、ページをめくるごとに新しい絵が現れて、それが連続していく形式です。だから、いかに絵のアングルや切り取り方にバリエーションをもたせられるかを大事にしました。

絵本のように絵が連続する作品では、視点が一定だと単調に感じてしまいます。なので、真上から見下ろすようなアングルを入れてみたり、寄ったり、引いたり、鏡に映して描いてみたり、と視点を変える工夫をしました。パズルゲームのように「これはこんな形だから、ここに入れてみよう」という感じです。それがパチッとはまる瞬間には、もの作りの達成感や楽しさを感じました。

――ページをめくるときに楽しさを感じるのは、そういう工夫があるからなんですね。主人公の「ヌル」もとてもかわいらしいキャラクターです。どの段階で思いつきましたか?

李光人 この絵本は、もともと絵本投稿サイト「よみきかせキャンバス」(バンダイ)で発表した作品でした。絵本制作のいちばん最初の打ち合わせのときには、なんとなく頭の中にイメージがありました。白い雲みたいなふわふわした抽象的な存在を主人公にしよう、って。

花をテーマに、妖精が登場するシーンから制作した

主人公に妖精が赤い花をプレゼントするシーン。

――そこからどんなふうに絵本作りを進めたのでしょうか?

李光人 絵本のテーマを決める段階で、2024年に開催した個展で花をモチーフにした作品をいくつか描いたこともあり、「花をテーマにした絵本はどうか」というアイデアが出ました。そこで、花をテーマにするなら花の妖精たちを登場させたいと思ったんです。テーマが決まってからは物語のイメージが一気に広がっていきました。

まず最初に描いたのは、物語の中盤に3人の妖精が登場するシーン。その部分を中心にして、前後の物語の構成をかためていきました。

――制作にかかった時間はどのくらいですか?

李光人 登場させたいキャラクターや主人公のキャラクターデザインは早くに決まっていたんですが、最終的に絵が何枚必要になるのか、ページ数はどうするのか、どんなメッセージを伝えるのかを整理したり調整したりしながら、1カ月ほどかけて全体の構成を作りました。ストーリーと絵は同時進行で進めた感じです。さらに、そのあと作品をブラッシュアップする作業に3カ月ほどかかりました。

子どもが自分を信じ、愛する土台作りの手助けを

イベントで絵本について話す李光人さん。

――この絵本をどんなふうに楽しんでほしいですか?

李光人 お子さんからお母さんお父さん、年配の方まで、なるべく幅広く楽しんでもらえる絵本にしたいと思いながら、内容や言葉にこだわって作りました。
完成した作品を改めて読んでみると、自分が今までどんなふうに生きてきたか、何を思ってここにいるのかが抽出された絵本になっていると思います。

――『ボクのいろ』は、主人公「ヌル」が自分らしさを見つけていく物語ですが、これから成長する子どもたちに、どんな「自分らしさ」を大切にしてほしいと考えますか?

李光人 今小さな子どもたちは、これからいろんなできごとや、すてきな人たちと出会って、いろんな経験をして、それが自分の血肉になっていくんだと思います。成長していく上で何かを決めなくてはいけないとき、決断を下すのは自分自身ですし、最終的に信じられるのも自分自身です。

だからこそ、自分を信じられる土台があることはとても大事だと思います。その土台作りは、大人が手伝えることでもありますよね。子どもが自分を信じて、自分を愛して生きていく土台を作れるように、周囲の大人たちが助けてあげられるといいのかな、と思います。

――最後に、たまひよ読者にメッセージをお願いします。

李光人 日々、仕事に家事に育児におつかれさまです! この絵本には、自分自身を大切に生きてほしい、というメッセージを込めました。僕が言うのもおこがましいですが、子育て中の方は日々お子さんのことを考えてあっという間に1日が終わってしまうと思いますが、そんななかでも、自分のことを考えたり、自分の時間を見つけていただけたら、と思います。忙しいみなさんのちょっとしたすきま時間に、この絵本が彩りを添えられたらうれしいです。

お話/板垣李光人さん 撮影/徳永 徹 取材・文/早川奈緒子、たまひよONLINE編集部

NHK連続テレビ小説「ばけばけ」に出演中の板垣さん。同作で母親役の北川景子さんに今作をプレゼントしたのだそう。「(朝ドラで)母上としてご一緒しているので、僕に読み聞かせをしてほしい」と話し、会場の笑いを誘っていました。

板垣李光人さん(いたがきりひと)

PROFILE
2002年生まれ。2012年に俳優デビューし、映画『八犬伝』『はたらく細胞』『陰陽師0』で第48回日本アカデミー賞 新人俳優賞を受賞。2025年は、初主演ドラマ『秘密~THE TOP SECRET~』、映画『ババンババンバンバンパイア』、ドラマ「しあわせな結婚」など話題作への出演が続いている。さらにNHK連続テレビ小説「ばけばけ」にも出演中。俳優業のかたわら、アートの分野でも個展を開催するなど多方面で活躍。

板垣李光人さんのInstagram

板垣李光人さんのX

●記事の内容は2025年11月当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

『ボクのいろ』

板垣李光人さんが作・絵を手がけた絵本。真っ白な生き物・ヌルが「自分らしさ」を見つける物語。鮮やかに広がる色彩とリズムのあるやさしい言葉で子どもから大人まで楽しめる1冊。作・絵:板垣李光人/1650円(Gakken)

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