新米パパ・こっちのけんと。そっくりなわが子に「一緒やん」。初抱っこで芽生えた父としての覚悟
2024年5月にリリースした6枚目のシングル『はいよろこんで」が大ヒット、「緑のマルチアーチスト」として知られるこっちのけんとさん。NHK Eテレ『おとうさんといっしょ』に楽曲を提供したタイミングで、自身も父親になったことを公表しました。赤ちゃんがおなかの中にいるときのことから誕生後の心境までを聞きました。
全2回のインタビューの前編です。
わが子と初対面の瞬間に感じたことは「一緒やん!」
――2026年3月18日に、Instagramで父親になったことを発表しました。お子さんが誕生した日の率直な気持ちを教えてください。
こっちのけんとさん(以下敬称略) 誕生した瞬間、妻と子どもが健康そうで安定した様子だったのを見て、「うれしさ」よりも先に「安心感」がぐっと胸にきました。そしてその次に、これまで頑張ってくれた妻と子どもに対して「あとは任せろ!」という感情が芽生えました。
――誕生した赤ちゃんを見て、父親としての決意がかたまった感じでしょうか?
こっちのけんと 産声を聞いた瞬間から僕も「お父さんも頑張るで!」と、関西のお父さん感が出ましたね。また、赤ちゃんの顔が僕の小さいころにそっくりで「一緒やん」と思いました。まさに“わが子”だと実感し、うれしかったです。
――妊娠がわかったときは、どんな気持ちでしたか?
こっちのけんと 妻が妊娠したかもしれないということで、初期の段階で自宅で検査薬を試すことにしました。検査を終えた妻がトイレから出てきて、リビングで待つ僕の顔を見て「ニヤリ」とした瞬間が忘れられません。めちゃくちゃうれしかったです。
受験に合格したことがわかったときの感情に似ていたかもしれません。そこから自分が親になるということをじわじわ自覚していきました。
――赤ちゃんを迎える準備も奥さまと一緒にしましたか?
こっちのけんと 必要なものを選んだり、買ったりも一緒にしましたが、誕生前の肌着の水通しをしたときが印象深いです。ものすっごく小さいハンガーに干された赤ちゃんの洋服が風に揺れているんです。それを見たとき、とっても幸せを感じました。
赤ちゃんが誕生した日は、仕事がオフの理想的な日だった
――日に日に大きくなっていく奥さまのおなかを見て、どんなことを感じましたか?
こっちのけんと 妻に出会ってから結婚して妊娠するまで、妻が風邪などで体調を崩す姿を見たことがありませんでした。体が丈夫なほうなのだと思います。
だからつわりでつらそうにしているときや、おなかが大きくなっていって徐々に寝づらくなっていく姿を見て、本当に心配でした。今まで見たことがない姿でしたから…。
――いつも元気な方が体調悪そうにしていると心配ですよね。
こっちのけんと 子どものころ、いつも元気な母親が風邪をひいて寝込んでいる姿を見たときに「このまま死んでしまったらどうしよう」と、心底心配したことがあります。あのときの感情と似ているかもしれません。
心配でしたし、なんでもできるだけサポートしたかったので、妻が妊娠中は一緒にいる時間を増やすことを意識していました。
また、育児本や育児系のYouTubeなどをたくさん見て、情報収集もしました。そして当然、妻のほうが妊娠・出産に関して勉強をしていたので、妻からも教わりました。まるで学校や塾で少し先輩からいろいろと教わっているような感じでした。
――胎動がしっかりわかるようになる妊娠後期ごろは、どんなことを感じましたか?
こっちのけんと 僕が妻のおなかに手を当てているタイミングで、赤ちゃんが中から蹴っていることがわかったときは、とても不思議な気持ちでした。誕生したときも、さっきまで妻のおなかに入っていたんだ…と思うと本当に不思議でした。
――おなかに向かって歌を歌ったりすることはありましたか?
こっちのけんと 話しかけはよくしていましたが、歌は歌っていません。でも、無意識で歌っていたかもしれません。
――どんなことを話しかけていましたか?
こっちのけんと 出産予定日あたりに仕事が入っていたので、「〇日はさけて、〇日に生まれてね~」なんて、おなかに向かってよく話しかけていました。もちろん赤ちゃんに日付の感覚がわかるわけではないですが、臨月になったら今日の日付や時間を話しかけていました。生まれてきてほしい日をおなかに話しかけたかいがあったのか、結果的に僕が出産に立ち会え、そのまま育児に参加できる日に誕生してくれました。
寝かしつける時間がいとおしい
――奥さまが退院されて、赤ちゃんとの生活がスタートしてからはどうでしたか?
こっちのけんと 妻は安産でしたが、退院してからも無理ができない時期だということはわかっていたので、数カ月は僕が家事全般を担うつもりでした。でも妻の回復は思ったよりも早く、かなり早い段階から体調を見ながら、できる範囲で一緒に家事をやってくれていました。
――育休を取得する父親が増えてきていますが、こっちのけんとさんも育休を取得されたのでしょうか?
こっちのけんと 会社員ではないので、今日から育休というわけではないですが、子どもが誕生してから1カ月は仕事の予定をできるだけ入れないように調整をしてもらって、妻と子どもと過ごすことができました。
僕自身、新生児の期間を家族と過ごしてみて実感していますが、やっぱり1人での育児は大変だと思います。ワンオペで新生児のお世話は大変すぎです。パパはどんどん育休を取ったほうがいいと思いました。
また、今は育児のアプリやグッズなど、便利なものであふれていますが、自分の母の時代、いやもっとさかのぼって江戸時代とかはどうしていたんだろう、と育児にかかわるようになってから考えるようになりました。
――以前のインタビューで「寝かしつけが楽しいです。催眠術かけてるみたいです」と話していました。寝かしつけのコツはありますか?
こっちのけんと 抱っこをしながらなるべく子どもに意識を向けず、妻と話しながら、ひとり言や覚えないといけない歌詞を口ずさんだりしながら、家じゅうを歩き回っています。そうするといつのまにか寝てくれることが多いんです。
――腕の中ですやすやしている状態から布団に寝かせるときに、起きてしまったりしませんか?
こっちのけんと うちの子の場合は熟睡まで何段階かあるんです。最初は右手が上がってきてほっぺたに右手が付き、左手がだらんとしてきます。この状態で口が閉じていると、まだ熟睡はしていないんです。その後、口が開いてくるんですが、そうなったら布団に寝かせても起きませんね。
――赤ちゃんのことよく見ていますね。わかりやすいサインがあって寝かしつけが楽しいですね。
こっちのけんと わかりやすいサインだな、と思っています。おなかの中でもこんなふうに寝ていたのかな~、なんて想像するのも楽しいです。赤ちゃんの動作、ひとつひとつが本当にかわいいんです。
玄関の扉を開ける瞬間が、いちばん幸せ
――「赤ちゃんっておもしろい」と発信されていましたが、具体的にどんなところがおもしろいですか?
こっちのけんと 新生児のころは生物として不思議な存在だなと感じていました。ミルクを飲んだらすぐに寝るし、起きたら基本は泣いている。寝るか泣くの2択しかないのがおもしろいと感じました。最近は、僕の顔をずっと見てくれるようになりました。僕が満面の笑みを浮かべると、少し間をあけてニコッと笑顔を見せてくれます。かと思いきや、モロー反射や赤ちゃん自身の小さいくしゃみに驚いて大泣きもします。
表情がコロコロ変わるところもおもしろいです。見ていて本当に飽きないんです。赤ちゃんって不思議な存在ですよね。
――自身とそっくりとのことですが、写真を見てですか?
こっちのけんと 自分の子どものころの写真と赤ちゃんを見比べて、似ているな~、と感じています。自分もこんな感じだったんだろうな~、と。こんなにかわいい存在なんだから…と考えると、僕も親にとても愛されて育ってきたんだな、と感じます。わが子を見ながら、自分の小さいころと僕の両親のことを想像したりしています。
――仕事が終わって自宅に戻ることが楽しみなのでは?
こっちのけんと 子どもが生まれる前は、妻が夕食を済ませたぐらいの時間のあとに帰宅する場合は、1人で外食をして帰ることもありました。でも今はまっすぐ帰ります。妻の体調も気になりますし、子どもにも早く会いたいので。外で仕事をしている日は、自宅の玄関の扉を開ける瞬間が待ち遠しいですね。
子育ては自分たちの直感を信じて楽しみたい
――3月に発表した『あるけまっすぐパレード』は、奥さまが妊娠中に制作したと聞きました。どんな気持ちで制作しましたか?
こっちのけんと NHK Eテレの『おとうさんといっしょ』からオファーをもらったとき、妻が妊娠していることは公表していなかったので、すごいタイミングだなと思いました。
曲は、〇か×にとらわれず、感じたとおりに、気になる方向へ進んでいくことの楽しさをテーマにしました。その意味も込めて曲のタイトルを『あるけまっすぐパレード』にしました。
――自身の子育てにもあてはまりますか?
こっちのけんと 父親になる僕自身に向けて作った楽曲でもあります。いろいろな考え方、感じ方があると思うけれど、親としての本能を信じてみたくなったんです。自分の選択に自信を持っていい、そっちに進んでいい、と考えています。
現代は情報過多の時代なので、子育てひとつとってもさまざまな情報であふれています。僕たち夫婦も得た情報を吸収しながら、自分たちの中で「常識みたいなもの」を確立しながら、自分たちの直感を信じて進んでいくようにしたいです。
たとえば赤ちゃんがずっと泣いてるなと思ったら、1度立ち止まる、そして様子を見てまたあやす、というようなことを繰り返しながら、自分たちの直感を信じて子育てを楽しんでいきたいです。
お話・写真提供/こっちのけんとさん 取材・文/安田ナナ 構成・編集/仲村教子(entente)、たまひよONLINE編集部
赤ちゃんが生まれてすぐのころは「どうして泣いているのかがわからない」と、とまどったこともあったというこっちのけんとさん。「いいかげん寝かせてほしい」と、思うこともあったとか。でも今は、育児にも慣れ、お子さんのお世話が楽しいと話してくれました。
PROFILE
実体験をもとにした、人間味あふれるパワフルかつ繊細な楽曲が特徴のアーティスト。
代表曲「はいよろこんで」はSNSを含む総再生回数200億回を突破。2024年にはBillboard JAPAN “Heatseekers Songs”年間1位を獲得し、第66回 輝く!日本レコード大賞 最優秀新人賞を受賞。さらに、第75回NHK紅白歌合戦へ初出場を果たした。
アニメタイアップやドラマ主題歌、ディズニー映画での声優参加など活動の幅を広げ、2026年3月にはNHK『おとうさんといっしょ』へ提供した『あるけまっすぐパレード』が話題に。続く2026年4月には、Netflixシリーズ『だんでらいおん』主題歌「ゴロンとドロン」を配信リリース。
音楽シーンにとどまらず、多方面で存在感を放つアーティストとして支持を集めている。
●記事の内容は2026年5月の情報で、現在と異なる場合があります。


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