親の就労、預ける理由、関係なし!「こども誰でも通園制度」を生かすコツ。保活への意外なメリットも!【専門家】
2026年4月から、国の「こども誰でも通園制度」が本格スタートしました。専業主婦でも、育休中でも関係なく、0〜2歳の子どもを保育園等に預けられるこちらの制度。今回はその詳細を、制度に関する情報発信サイト「こども誰でも通園制度ナビ」を運営するここるく代表・山下真実さんに聞きました。
そもそも「こども誰でも通園制度」ってどんな制度?
「こども誰でも通園制度」とは、専業主婦・育休中など就労状況を問わず、生後6カ月〜満3歳未満の未就園児を対象に、月最大10時間・時間単位で保育園等に預けられる制度。 専用サイト「つうえんポータル」で利用申請を行うと、IDとパスワードが発行され、希望園の事前面談を予約できるようになり、事前面談後に本格利用となります。料金は自治体・施設により異なりますが、おおよそ1時間300円程度です。
覚えておきたいポイントは「なぜ預けるか、理由は問わない」こと。「美容院に行きたい」でも、「ちょっと疲れたから」でも、なんでもOKです。
どうしてこの制度が生まれたの?
背景にあるのは、小さな子を育てる家庭の「孤立」という問題です。
「0〜2歳の子どもたちの約6割は、保育園などに通わずお家で過ごしており、社会とつながる機会が少なくなりやすいといわれています。その結果、行政による子育て支援など必要なサービスが届きづらいという課題がありました」(山下さん)
また、幼い子どもへの痛ましい事件がこの年齢層に集中していることも課題です。そこで、預けるハードルを下げて育児の孤立を防ぎ、社会全体で子どもたちを見守る。子どもたちが社会に触れて、成長する機会を持つ——そんな思いが制度の根本にあります。
「預けるのが申し訳ない…」そんなふうに感じてしまうママ・パパへ
しかし、制度が施行されたといっても「まだ小さいのに預けるのはかわいそう」「自分が楽をしているみたいで罪悪感がある」——そんな気持ちを感じる人もいますよね。このような悩みに対し、山下さんはこう話します。
「『こども誰でも通園制度』は、第一に保護者のためではなく、子どものための制度です。ママやパパ、家庭以外の“社会”と関わっていろいろな経験をしながら育っていくための大切な機会。昔のように地域でたくさんの子どもが関わり合う機会や場が減った今、保育園等で過ごす時間を持てるのは、子どもが子どもらしい経験を積める貴重なチャンスです。“子どもに負担をかけている”ではなく、"子どもの成長のために必要なことをしている"と感じてもらえたらいいなと思います」(山下さん)
月10時間、どう使う?自治体の制度もチェックして!
月10時間という上限について、国の検討会でも「少ない」という声が多く上がったそう。
「日本全国どこでも実施できるよう、まずはこの時間からのスタートになりました。ただ、自治体によっては独自に上乗せしているところもあります」(山下さん)
まずは自治体のウェブサイトで、どういう取り組みをしているかチェックすることが大切ですね。
実は「保活」にもなる!かしこい活用術
「こども誰でも通園制度」は実は保育園探し(保活)にも役立ちます。例えば…
①園の"リアル体験"をするので、一歩踏み込んだ園見学ができる
短時間の見学や説明会ではわかりにくい、先生と子どもの関わり方、遊びの内容、準備の手間感……。実際に預けることで、「うちの子に合ってる?」がリアルに実感でき、その先、実際に入園する園を検討する際の大事な判断材料となります。
②慣らし保育がスムーズになる
「こども誰でも通園制度」で通っていた園にそのまま入園できたら、復職後の慣らし保育がぐっと楽に。別の園に入園した場合も、集団生活や親子分離に慣れているぶん、スタートがスムーズです。
ただし、この制度の利用実績が入園審査の点数に影響することはありませんので、その点はご注意を。また、複数の園を「こども誰でも通園制度」で利用したい場合、園ごとに事前面談が必要なことは覚えておきましょう。
専門家からのアドバイス。「10時間、使い切りましょう!」
山下さんは、この月10時間を「子どもに与えられた権利」と言います。
「使いきれない、ではもったいない。ぜひ10時間フル活用してみてください。預けている間は何か有意義なことをしなくていいんです。おうちで寝ているだけでもいい。ママ・パパが心に余裕を持てることが、結果として子どもにとって一番の幸せな環境につながりますよ」
さっそく、利用申請をやってみよう!
対象の家庭は、下記のとおりに進めてみましょう!
1.自治体のウェブサイトで制度内容を確認する(利用時間・料金・対象施設は地域によって異なります)
2.「つうえんポータル」から利用申請を行い、ログインIDとパスワードを入手する。(※自治体により発行されるまでの日数が異なります。余裕を持って申請しましょう。)
3.「つうえんポータル」で利用したい園の事前面談を申し込む。
4.事前面談が終わったら、「つうえんポータル」で実際の利用日を予約する
子どもにとって初めての"社会"と触れる体験。まずは少ない時間からでも、気軽に踏み出してみましょう!
「こども誰でも通園制度」は子どもに与えられた権利という言葉を何度も繰り返した山下さん。保育のプロに見てもらえる環境は、子どもにとっても、ママ・パパにとっても、確かな安心につながるはず。この制度が、すべての子育て家庭にとって当たり前の選択肢となりますように!
山下真実さん
PROFILE
子育て支援を行う「ここるく」代表取締役。保活や「こども誰でも通園制度」の情報提供を行う。共同監修した『保育園一年生〜はじめての親と子のためのお助けBOOK』(サンマーク出版)が発売中。プライベートでは2児の母。
●掲載している情報は2026年5月現在のものです。


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