「保活って本当に大変だったんだ…」 知らずに後悔した保活エピソード
今回のテーマは「保活の悩み」についてです。実際に保活を始めると驚くことがたくさんあるもの。そこで、「たまひよ」アプリユーザーの体験談を聞くとともに、保育園事情にくわしい普光院亜紀さんにアドバイスをいただきました。
想定以上の激戦ぶりや園ごとの違いにとまどう人が多数
最初にみんなの声からご紹介します。
「3月出産予定なので1歳児クラスを狙うしかないと思い、市に相談したところ、『出産前から動いて、0歳クラスの途中入園も検討して』と言われたこと。さすが激戦区。妊娠9カ月のとき、まだ大きなおなかで10園ほど見学したが大変だった…」(しんちゃお)
「『0歳児の枠が今のところ空いてない』と言われたのは、びっくりしました」(きつね)
「1歳クラスが激戦であることを理解していませんでした。6月生まれだと半数近くの方が0歳クラスで復帰すると知り、びっくりしました。無事に第2希望の園の1歳クラスに決まったのでよかったです。
ただ、子どもが生まれたあとは電話で見学の予約をするのが大変なので、WEBの問い合わせフォームで見学希望の旨を伝えましたが、いくつかの園からは『後日、担当者からご連絡します』のあと、連絡が来ませんでした」(ねるママ)
「見学に行くと雰囲気や保育方針がよくわかって、希望順位も明確になっていきました。こんなに違いがあると思ってなかったので驚きました」(すみっこ)
「人気園は見学予約がすぐ埋まってしまうので、見学できたのが申請書の提出日ギリギリになってしまいました」(たらぞう)
「園庭のある・なしやプールのある・なしなど、地方出身の私にとって、都会の保育園はイメージの違いが大きかったです」(なつまる)
「田舎なので余裕だと思っていたら、4つの園に申し込んで全部落ちた。通知を見たときはかなりショックだった…」(さんご)
「秋に他県から引っ越してきたので中途入園ができず、とても痛かったです。年度が変わるまでの半年間は、認可外保育所を利用。家賃と同等の保育料を毎月払っていました…」(ノエル)
「地区によって選考の仕方がまったく違うことに驚きました。今後、引っ越しの予定があるため、引っ越し先の役所へ話を聞きに行ったらまったく違っていて、今住んでいる地区の選考方法がよかったと思いました」(おなみさん)
「ルールが意外と細かく、わかっていたつもりですが、入園準備するのに手こずっています」(ちゅん)
いろいろな驚きエピソードが集まりましたね。
そこであらためて、保活の第一歩として、どのようにプランを立てるべきか、見学の予約で気をつける点などとともに、知っておきたい確認ポイントなどについて、保育園問題の専門家である普光院亜紀さんにお聞きしました。
ネット時代といえども「正しい最新の情報は自治体の窓口でが基本」と普光院亜紀さん
入りやすい入園時期の見定め方
育休延長制度ができ、待機児童数が減少して保育園に入りやすくなっているため、「そんなに必死にならなくても入れるだろう」と油断している人が最近多いようですが、地域によっては、入園事情が悪化しているので注意が必要です。
とくに東京都内は、2025年9月から3歳未満児も保育料が完全無償化になったため、2026年4月入園は激戦になった地域が多かったようです。
一方で、子どもの数が減って、4月入園で定員が埋まらない園・クラスが目立つ地域もあります。とくに、0歳児クラスは年度前半に空きがある園が多数という地域が増えています。これには、育休延長制度の普及も関係していて、0歳児クラスに空きが出る分、1歳児クラスが混むようになっている園もあります。
体験談にもあったように、希望する1歳児クラス・4月入園が激戦だということがわかったら、育休を途中で切り上げて、0歳児クラスに入っておいたほうが安心という場合もあるのです。
このように、地域の入園事情は、復帰時期(入園時期)とも関わるので、なるべく早く調べたほうがよいでしょう。毎月の各園・クラスの入園内定者の最低指数、空き状況などを公表している自治体では、その情報が手がかりになります。自治体の窓口で相談するのもよいでしょう。
見学で気になったこと、どう考える?
オンライン申請も始まって、家にいながら保活ができると思ってしまう人もいるようですが、入園の仕組みは複雑なので、わからないことがあれば積極的に自治体窓口に相談したほうがいいし、候補園の見学は必要不可欠です。
園見学で一番大切なのは、保育士と子どもの様子です。
保育士が大声で威圧的に叱ったりすることはないか、子どもと同じ目線になって話しかけているか、子どもは安心して保育士に甘えられているか、などは大切なポイントです。
何もないピカピカのフローリングは清潔感があって気持ちよく見えますが、子どもにとっては安心感がなかったり、退屈な空間だったりする場合もあります。おもちゃなどの遊びの素材や絵本を、潤沢に、子どもが使いやすいように配置している園は、いろいろなことを子どもの気持ちになって考えてくれている場合が多いでしょう。大きいクラスの様子もぜひ見せてもらってください。
大人は習い事的な活動のある保育に魅かれがちですが、この時期の子どもは、安心できる環境のもとで自分のやりたい遊びに打ち込めたり、子ども同士で関わり合ったりすることで、心身の発達が大きく促されるということを念頭に、保育の様子を見てほしいと思います。
安全面としては、うつぶせ寝はさせていないか(これは常識ですが念のため質問してみてもよいでしょう)、地震に備えた家具の固定ができているかや物の積み上げがないか、避難路となる通路が物でふさがれていないか、などを見ます。
できれば、眠れない子ども、食事が進まない子どもにどう対応しているか、離乳食やトイレトレーニングの進め方などについて質問をしてみるのもよいでしょう。一人ひとりの発達や個性を理解して、子どもに無理強いすることなく対応してくれるのが理想的です。
地域によって違う選考基準はどう確認する?
認可保育施設(認可保育園、認定こども園、小規模保育、家庭的保育等)への入園は、市区町村で入園申請を受け付け、保育の必要性を基準とした点数に基づき入園選考(利用調整)を行います。これは、全国どこでも同じです。
ただし、利用調整の指数の決め方は、各自治体によって多少異なっています。
保護者の勤務時間が長い家庭、ひとり親家庭などの点数が高くなるのはどこでも同じですが、点数配分は自治体によります。
認可外保育施設を利用して待機している人への加点の有無や期間などの条件、きょうだい同園にするための加点の条件なども自治体により異なります。
同点だった場合に、何を次の優先順位とするかも、居住期間、所得などがあり、さまざまです。
自治体が発行している入園案内を取り寄せて(入園希望年度のものが未発行でも現在のものを取り寄せる)、加点・減点の条件が自分に当てはまるかどうか確認し、わからないことは自治体の窓口で相談しましょう。細かい規定がひっかかって、もらえるはずの加点がもらえず、想定外の結果になる人は少なくありません。
保育園のルールに戸惑わないために聞いておきたいこと
入園後の生活に関して、思わぬルールがあり、困惑する人も少なくないようです。
とくに保育時間や保育日で行き違いがあって悩む相談はよくあります。
たとえば、父母のどちらかが土日勤務・平日休みの交替勤務があるとき、平日の休みに子どもを預けてよいかどうか。夫婦の休みがそろわないと、たまった家事が片付かないので預かってほしいところですが、厳しい対応の園もあります。
障がいをもつ子どもの受け入れ、アレルギー食材の除去食・代替食対応は、認可の保育施設では原則行うことになっていますが、困難なケースの場合は、対応できないと言われる場合もあります。気持ちよく受け入れてもらえないと、保護者としてはつらいので、園を選べるのであれば、事前に確認して、寄り添ってくれる園を選んだほうがよいでしょう。
その他、日常の細かいルールは、なぜそうしているのか聞いてみてください。理由が納得できれば問題ありません。集団生活なので、家庭とは違う対応になることは、ある程度理解する必要があります。
世の中が便利になっても、実際に自治体の窓口で情報収集をし、自分たちの目で見て判断することが大事ですね。ぜひ参考にしてください。
(取材・文/橋本真理子、たまひよONLINE編集部)
普光院亜紀さん
PROFILE)
ジャーナリスト、保育園問題専門家。保育園を考える親の会代表を経て、現在は顧問アドバイザーとして、執筆活動、調査研究、相談支援活動などを行うほか、大学講師も務める。著書に『共働き子育て入門』(集英社新書)、『後悔しない保育園・こども園の選び方』(ひとなる書房)、『保育園は誰のもの―子どもの権利から考える』(岩波書店)、『不適切保育はなぜ起こるのか』(岩波新書)などがある。
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※記事の内容は2026年8月の情報であり、現在と異なる場合があります。


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