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赤ちゃんが吐いてしまう主な原因と対処法

更新

赤ちゃんが突然吐くと、ママはびっくりしてしまいますね。でも、ママが冷静に対処しないと、赤ちゃんの状態がさらに悪くなってしまうこともあります。赤ちゃんが吐く原因と、吐いたときの対処法を覚えておいて、いざというときに備えましょう。

問題のない嘔吐の種類と原因

赤ちゃんはいろいろな理由で吐き、吐いても心配のないケースもあります。病気ではないのに赤ちゃんが吐いてしまう主な原因について紹介します。

授乳後にたらたら吐く

赤ちゃんの胃はとっくりのような形をしていて、胃の中のものが逆流しやすくなっています。その上、胃の機能が未発達なので、母乳やミルクを飲んだあと、口の端からたらたらと吐くことがあります。これは「溢乳(いつにゅう)」と呼ばれるもので心配ありません。

げっぷにつられて吐く

授乳後、げっぷにつられてゲボッと大量に吐くことがあります。「吐き戻し」などと呼ばれますが、赤ちゃんの胃は逆流しやすいので、げっぷの空気とともに飲んだものが出てしまうのです。これも日常的によくあること。まとまって吐いても、そのあと赤ちゃんが機嫌よく過ごせて、いつもと様子が変わらなければ問題ありません。吐いたものをやさしくふき取り、上半身をしばらく起こしておきましょう。

体を動かしたあと吐く

首がすわってくるころには、吐き戻しは落ち着くことが多いようですが、なかには1才ごろまで吐き戻しをする子も。それは、赤ちゃんの胃の形のせいで逆流しやすく、体を動かすことで出てきてしまうためです。さらに飲む量が多いと、余計に吐きやすくなるでしょう。いずれにしても、吐き戻しがあっても、体重が増えていて、元気に過ごせているなら心配ありません。成長とともに吐く量や回数は減っていきます。体重が増えなかったり、減ったりしている場合は、かかりつけ医に相談しましょう。

こんなときには注意! 心配な嘔吐の種類

赤ちゃんが吐くと、そのことだけに注意がいってしまいますが、病気かどうかを見極めるには、赤ちゃんの全身状態を観察することが重要です。

嘔吐+体調が悪く機嫌が悪い

吐いたあといつもと様子が違うところがないか、以下の4点を確認してください。

1 吐く様子や吐いたものは?
いつ、どのような状態で、何回くらい吐いたのかを確認し、吐いたものの色や内容物を観察。写真に撮っておくと、受診のとき役立ちます。

2 発熱やほかの症状があるか
体温を測り、元気がいいか、食欲があるか、機嫌がいいかなど全身状態を確認。下痢、せき、鼻水、発疹などの症状がないかも観察します。

3 おしっこの回数や色は?
おしっこの回数が極端に減ったり、おしっこの色がいつもより濃い場合は、脱水症状を起こしかけている可能性があります。すぐに受診してください。

4 水分がとれるか?
嘔吐が続いて水分がとれないと脱水症状が心配。嘔吐後30分~1時間は水分を与えず様子を見て、吐かなければ、おっぱい、ミルク、麦茶、湯冷ましなどを小さじ1程度から与えてみて。それでも吐いてしまい、まったく水分がとれないときはすぐに受診を。

赤ちゃんが吐いてしまったあとにやってはいけないこと

赤ちゃんが吐いたあとに行ってしまうと、状態を悪化させたり嘔吐を長引かせたりする心配があることを紹介します。とくに心配な嘔吐の場合は、気をつけましょう。

・吐いたあとあお向けに寝かせる・・・吐いたものを気管に詰まらせる恐れがあります。顔を横向きにして。
・吐いたものや汚れた衣類を片づけない…吐いたもののにおいが吐きけを誘発。吐きけが落ち着いたら手早く着替えさせ、周囲の汚れも早めに片づけます。
・吐いたすぐあとに水分や食べ物を与える…刺激になって吐きけを誘発することがあります。
・吐きけが治まったあと乳製品や柑橘系果実・果汁を与える…吐きけを誘発しやすい食材なのでしばらくは控えます。

赤ちゃんが吐いたときの受診の目安

吐いたあと、嘔吐の種類によっては、時間外でも受診したほうがいい場合もあります。どのように見極めたらいいのか受診の目安を紹介します。

受診の目安

吐き方や吐いたあとの様子などを確認して、受診したほうがいいかどうかを考えましょう。

○家で様子をみてOK
1~2回吐いただけで機嫌がよく、とくに気になる症状がないときは様子を見てOK。

○診療時間内に受診
元気だけれど何度か吐いた場合は、念のため診療時間内に受診しましょう。また、続けて何度も吐いたり、吐いたあと機嫌がよくても体重が増えない場合も受診しましょう。

○診療時間外でも受診
高熱がある、ぐったりしている、水分がとれないなどの場合は診療時間外でも受診。

○緊急受診
血液や緑色のものを吐いたり、けいれんを伴う場合は至急受診が必要です。

受診時に病院で医師に伝えたいこと

受診の際、以下のことを伝えると、的確な診断を受けやすくなります。あらかじめメモを取っておくと安心です。

・吐いた回数   
・どんな状態で吐いたか  
・吐いたものの色・内容  
・おしっこが出ているか  
・最後に吐いた時間  
・水分がとれているか

赤ちゃんが吐いたあとのホームケア

家で様子を見るときや受診後はホームケアを行います。体の回復を助けるためにも、赤ちゃんが楽に過ごせるように、正しいホームケアをしましょう。

吐きけが治まったら少しずつこまめに水分補給

吐いたあと30分~1時間は何も与えずに様子を見て、吐いていないことを確認したら、湯冷まし、麦茶、経口補水液などを最初は1さじから10~15分おきに与え、少しずつ量を増やします。吐きけが治まってから1~2時間たち、水分を与えても吐かなくなったら、おっぱいやミルクを通常の1/3~1/2の量から与えます。
☆ミルクの濃さは変えず、通常通りの作り方に!

離乳食はお休み。様子を見ながら少しずつ再開

離乳食はいったん止め、吐きけが治まり、食欲が回復してきたら、食べられるものを少しずつ与えましょう。おかゆ、うどん、野菜スープなど、消化がよく口あたりのいいものがおすすめです。

吐きけが治まり、ほかに症状がなければ入浴OK

吐きけが治まって、発熱や下痢などほかの症状がなければおふろに入れてもかまいません。長湯すると体力を消耗するので、短時間でさっと済ませるのがポイント。機嫌が悪いときは、シャワーでさっと洗うだけでもいいでしょう。

まとめ

低月齢の赤ちゃんは授乳のたびに吐くことがありますが、病気がどうか見極めるポイントを知っていれば、不必要に心配しなくて済みますね。一方、病気が原因で吐いた場合は、症状に応じて適切に対処することで、早く楽にしてあげられるでしょう。
(文・ひよこクラブ編集部)

監修/横田俊一郎 先生

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