【専門家監修】”抱っこで甘えん坊に!?” しつけにまつわるネットの「噂」その真偽は?
ネットでよく見かける、赤ちゃんのしつけや生活習慣についての「うわさ」はどこまで本当のことなんでしょう? 気になる内容をピックアップして、乳幼児の心理に詳しい臨床心理士の帆足暁子先生に聞きました。
0才からのしつけは必要なの?
まだ言葉がわかっていない0才代の赤ちゃんに、しつけをしてもしかたがないという話があったり、言っているうちにわかるようになるという話もあったり・・・いったい、どうするのがいいのでしょうか?
0才のうちは親子の愛着関係を築くことから始めて
「しつけとは、社会の中で生活するためのマナーやルールを身につけさせること。0才からしつけは始まっています。ママがお手本を見せたり、授乳のときに『たくさん飲んでくれてありがとう』などと声をかけたりしましょう。
しつけの基盤となるのが、親子の愛着関係。『大好きなママやパパの期待にこたえたい』という気持ちが育つと、しつけがラクになります。1才代前半までは、ママをたたくなど痛いことをしたら、『痛いよ』、1才代後半からは『痛いからやめてね』などとわかりやすく短い言葉で、繰り返し伝えましょう」(帆足先生・以下同)
欧米式の1人で寝かせる「ネントレ」は赤ちゃんの自立を促す?
近年、ネットの育児情報やブログなどでもよく取り上げられる「欧米式のネントレ」。自立心が育つという見解や体験談がある一方で、日本人の生活様式には合わないという意見も見かけたりしますが・・・。
1人で寝かせることは、自立とイコールではありません
「親子関係よりも夫婦関係が中心で、子どもと寝室を分けるのが一般的な欧米と違って、日本は寝室が一緒の添い寝文化。赤ちゃんがなかなか眠りにつかなかったり、寝かせてもすぐに起きて泣いてしまったりすると、ママ・パパは大変ですね。
でも、『泣く』こと自体が、赤ちゃんからのSOS。泣いたときに言葉をかけたり、お世話をしたりすることで、赤ちゃんに『泣いたらママ・パパが必ず来てくれる』という安心感を与え、結果として子どもの自立につながっていきます。ママ・パパとの愛着関係が築けていれば、安心して自立しますので、自立のためにネントレする必要はありません」
抱っこしすぎると甘えん坊になる?
「うちの子、抱っこばっかりしてたから甘えん坊で・・・」というママの声をよく見かけます。本当のような気もするし、違うような気も・・・どうなんでしょう?
甘えん坊になることはありません
「脳研究によれば、抱っこをするとオキシトシンホルモンが親子共に分泌されるので、穏やかな気持ち、安心感が生まれることがわかっています。赤ちゃんが求めたら、いつでも抱っこしてあげてください。甘えん坊になることはありません。
抱っこができないときは、声をかけたり、ちょっと触れてあげたりすると安心するでしょう。また、抱っこは大人の都合ではなく、赤ちゃんが求めてきたらするのが基本。赤ちゃんが歩きたがったら、なるべく歩かせてあげましょう」
ネットなどで見かける話は間違っている!と決めつけることはできませんが、いろいろなものがあるので、正しい情報ばかりではないといえそうです。振り回されないように気をつけたいですね。(取材・文/ひよこクラブ編集部)
初回公開日 2018/08/14
育児中におススメのアプリ
アプリ「まいにちのたまひよ」
妊娠日数・生後日数に合わせて専門家のアドバイスを毎日お届け。同じ出産月のママ同士で情報交換したり、励ましあったりできる「ルーム」や、写真だけでは伝わらない”できごと”を簡単に記録できる「成長きろく」も大人気!
ダウンロード(無料)育児中におススメの本
最新! 初めての育児新百科 (ベネッセ・ムック たまひよブックス たまひよ新百科シリーズ)
大人気「新百科シリーズ」の「育児新百科」がリニューアル!
新生児から3歳まで、月齢別に毎日の赤ちゃんの成長の様子とママ&パパができることを徹底紹介。
毎日のお世話を基本からていねいに解説。
新生児期からのお世話も写真でよくわかる! 月齢別に、体・心の成長とかかわりかたを掲載。
ワンオペおふろの手順など、ママ・パパの「困った!」を具体的なテクで解決。
予防接種や乳幼児健診、事故・けがの予防と対策、病気の受診の目安などもわかりやすく紹介しています。
切り取って使える、「赤ちゃんの月齢別 発育・発達見通し表」つき。