1. トップ
  2. 赤ちゃんの子育て・育児
  3. 1歳ごろまではたくさん抱っこを!赤ちゃんにスキンシップが大切な理由

1歳ごろまではたくさん抱っこを!赤ちゃんにスキンシップが大切な理由

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

dolgachov/gettyimages

「赤ちゃんとたくさんスキンシップを取りましょう!」とよく言われますが、それはなぜでしょう。スキンシップには具体的に、どんな効果があるのでしょうか。

桜美林大学教授で、『幸せになる脳は抱っこで育つ』(廣済堂出版)の著者の山口創先生が、最近の研究結果を元に解説してくれました。

愛着の形成は「心地よい触れ合い」がポイント

子どもの愛着の形成には、心地よい触れ合いが大事だということが明らかになっています。

昔、アメリカのハーロウという心理学者が、子ザルのおりの中に2体の人形を入れて、反応を見る実験をしました。1つはミルクが出る針金人形、もう1つはミルクが出ないやわらかい布人形です。すると、子ザルはミルクを飲む時だけは針金人形のところに行きますが、それ以外はずっと布人形にしがみついていたのです。
食事をくれる相手ではなく、心地よく触れ合える相手に愛着を示すということがわかりました。

心地よく触れ合える相手に愛着を示すのは、サルも人間も同じです。ただし、機械的に子どもに触れるだけでは、うまく愛着は形成されません。子どもが泣いている時などにできるだけ敏感に反応して「眠いのかな?おなかすいたのかな?」などとあやしてあげること、目を合わせて声をかけながら触れ合うことが大切です。

スキンシップで分泌される、幸せホルモン「オキシトシン」

スキンシップをすると親子ともに「オキシトシン」というホルモンが分泌されます。オキシトシンは「幸せホルモン」「愛情ホルモン」とも呼ばれ、最近テレビや雑誌などでも話題になっています。もともとオキシトシンは陣痛の促進や母乳の分泌をうながすホルモンとして知られていましたが、最近では脳の中枢神経にはたらきかけて、相手を信頼したり、愛情を深めたり、愛着を形成したりする役割があることがわかってきました。

さらに、オキシトシンには一時的な記憶力を向上させたり、ストレスへの耐性を高めたり、体を健康にするなど、たくさんの効果があることも明らかになっています。

子どものうちにオキシトシンを作りやすい脳の状態にしておくと、大人になってもずっとオキシトシンが高い状態でいられます。オキシトシンの分泌を増やすためには、第一にスキンシップをすることが大切。スキンシップをすると、親・子ども、双方ともにオキシトシンが分泌され、お互いに心が安らぎ、幸福感や愛情を深めることができるのです。

1歳半まではたくさん抱っこしてあげよう!

オキシトシンの分泌量は、だいたい生後6ヵ月から1歳半くらいの時期に決まると言われています。この時期は「愛着の敏感期」とも言われていますので、お母さんやお父さんのできる範囲でたくさん抱っこをしてあげられるといいですね。日頃からのスキンシップが親子の愛着形成につながります。

ハイハイなどで動き回れるようになると、子どもは自分でどんどん行動範囲を広げ、外の世界を探索し始めます。この時期には、子どもの探索意欲を妨げてまで、抱っこをする必要はありません。”子どもが求めた時”にしっかり抱っこをしてあげることが大切です。

親は「この人のところに戻れば安心」という安全基地としての役割を果たすことが大事。気持ちを受け止めてくれる安全基地があるからこそ、子どもは活発に外に出て活動できるようになるのです。

もちろん1歳半を過ぎたらスキンシップは不要というわけではありません。あまり大きくなってくると抱っこは難しいかもしれませんが、オキシトシンは触れ合うことで分泌されますから、手をつないだり、頭をなでたりと、お子さんが喜ぶスキンシップをたくさんしてあげてくださいね。

免疫力アップ、問題行動の減少…スキンシップのすごい効果

最後に、最近分かってきたスキンシップの研究結果を紹介します。まず、未熟児で生まれた赤ちゃんを対象にした研究では、タッチケア(全身をマッサージ)をしたグループのほうが、タッチケアをしないグループよりも、体重の増加が早くなることがわかりました。

また、カナダの研究者は、1055組のの親子を対象に、スキンシップが多い親子と少ない親子を抽出して、子どもの遺伝子を調べるという研究をしました。すると、スキンシップが多い子どもたちは、5年後に代謝系と免疫系の遺伝子のはたらきがよくなっていることがわかったのです。

他にも、スキンシップを増やした子どもたちの問題行動が大きく改善したり、いじめが減少したりなど、さまざまな良い影響を子どもにもたらす研究結果が明らかになっています。特別な技術は必要ありませんので、お父さんお母さんの負担にならない程度に、ぜひたくさんスキンシップを取ってあげてください。

関連:「キレない子」に育つ!?1才6カ月までに「幸せホルモン」体質にする方法

この記事では、2019年2月にららぽーとTOKYO-BAY、ららぽーと立川立飛で開催されたイベント「たまひよカレッジ」で行われた山口創先生の講義『幸せになる脳は抱っこで育つ。』の内容を抜粋して紹介しました。


後編では「ずっと抱っこは大変です…」「どんなスキンシップがいいの?」など、当日受講していたママ・パパから寄せられた悩み・質問への山口先生の回答をご紹介します。(文・たまひよカレッジ運営事務局)

山口創先生 プロフィール
桜美林大学教授、臨床発達心理士。専攻は、健康心理学、身体心理学。
著書に『幸せになる脳はだっこで育つ。強いやさしい賢い子にするスキンシップの魔法』(廣済堂出版)、『子供の「脳」は肌にある』(光文社新書)など。

子育て・育児

更新

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

新着記事

新着記事をもっと見る

赤ちゃんの子育て・育児の人気記事ランキング

関連記事