毎日のかかわり方にひと工夫!子どもの考える力が伸びる魔法の言葉かけ
考える力というと“小学生以降に、本格的に求められる力”と考えるママ・パパもいるかもしれませんが、実は考える力のベース作りは0歳代から始まり、3歳代から力の差が出始めるともいわれています。乳幼児期に考える力を育むには、ママ・パパのちょっとした言葉かけがカギになるようです。子どもの心理に詳しい日本キッズコーチング協会 理事長・竹内エリカ先生に、考える力を育む魔法のフレーズを
教えてもらいました。
考える力の土台となる“かきくけこ”
考える力を育てるために、土台となる5つの力があります。この5つの力の頭文字をとって“かきくけこ”。まずはこれをおぼえておくといいでしょう。
か=考える
き=企画する
く=工夫する
け=計画する
こ=行動する
これらはすべて考える力が土台となっています。考える力とは、子どもが自立して生きて行くためには必要不可欠な力です。何か問題にぶつかったときに、自分で解決していく力が十分に備わっていなければ自立はできませんが、そのベースとなるのが考える力です。
考える力を伸ばす! 魔法の言葉かけはコレ
考える力のベースづくりは、0歳代から始まっています。年齢や発達の段階に合わせて、考える力を育む言葉のかけ方は少しずつ変わっていきます。ここでは、0~4歳でママ・パパが心がけたい、言葉かけのポイントを紹介します。
★0~1歳代
感情の理解を促す言葉をかけよう
考える力の土台を作る時期。考える力を養う第一歩は、自分の感情を理解することなので「眠くて、グズグズするね~」「おなかがすいてイヤだね~」「暑くて、ベタベタして気持ち悪いね~」など、なぜ不快なのかがわかる言葉かけをしましょう。こうした言葉かけがないと、子どもは“なぜグズグズするのか?”など不快な理由がわかりません。
★2歳代
失敗の原因を伝えて、次に生かせるように
イヤイヤ期を迎えるころ。イヤイヤする原因の一つに「自分が思ったよりうまくできなかった!」「うまくできると思ったのに失敗した!」という感情があります。そういうときは、たとえばブロック遊びが思うようにできない場合は、ママ・パパが一緒に手伝って「一緒にやったらできたね!」と伝えましょう。また転んで泣いたときは「ママと手をつないで歩けば、転ばなかったね」と伝えると、失敗の原因がわかり、次に生かすようになります。
★3歳代
ママ・パパが選択肢を与えて、自分で考える習慣を
どうしたらいいかを自分で考えさせる時期です。たとえば、公園でブランコなどの順番を待つときは「お友だちが使っているから、先に滑り台で遊ぼうか?」「10数え終わったら貸してって言ってみようか?」「少し順番を待ってみようか?」といくつか選択肢を示し、その中から考えさせて。それを繰り返すことで、考える習慣がつきます。
また、お友だちをたたいた場合などは「ごめんねって、一人で言える?」「ママも一緒に行ってごめんねしようか?」と選択肢を示しながら、責任の取り方を教えることも必要です。
★4歳代
先のことを考えることで、計画性を育んで
先を予測する力がつく時期なので「明日は公園に行くけれど、何時に起きようか?」「公園には、何を持って行く?」と楽しいことを提案しながら、先のことを考えさせて。これを習慣にすると計画性がついてきます。
子どもが3歳以降になって、自分自身が困った場面に遭遇した際に、子どもがどう行動するかで考える力が育っているかどうかがわかるそうです。ただ泣いている場合は、考える力が未熟なのかもしれないとのこと。そういうときは年齢に関係なく“考える力を伸ばす! 魔法の言葉かけはコレ”で紹介した3歳のかかわり方を参考に、「どうしたらいいかな? ○○しようか?」「△△しようか?」と選択肢を与えて、そこから考えて選ばせるかかわり方をしてみてほしいとのこと。考える力が育たない理由は、解決の選択肢が思い浮かばないため“自分で考えられない”“行動に移せない”ということがあるそうなので、ママ・パパが選択肢を示して、そこから自分で選んで行動に移す練習から始めてみるのがよさそうです。(取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部)