この秋は親子で出かけよう!子どもとのアートの楽しみ方
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“アートを楽しむ”と言うと、美術館に行ったり、絵の具などの画材を用いて絵を描いたりすることを想像するママ・パパもいるかもしれませんが、乳幼児は見るもの、聞くもの、触れるものすべてが刺激的。その刺激体験こそが子どもにとってはアート! 広い公園や広場などでも十分にアート体験ができます。乳幼児のアートの楽しみ方を、保育士経験が豊かな和洋女子大学人文学部こども発達学科准教授の伊瀬玲奈先生に教えてもらいました。
ベテラン保育士が教える!0歳からのアート体験
乳幼児のアートとのかかわりは、五感をフルに使って体験することが基本です。緑豊かな広場で走り回ったり、芝生の上で寝転んで空を見上げたり、冷たい風を感じたり、落ち葉やどんぐりを拾ったり…、こうした体験の1つ1つが新鮮で刺激的です。0歳からできるアート体験のポイントと、お出かけ先で拾った落ち葉などを使って遊ぶアイデアを紹介します。
0~1歳代:動物園、広い公園など、普段行かない場所にGO!
ママ・パパと一緒なら、初めての場所でも楽しむことができます。自然豊かな公園や動物園などがおすすめ! 動物園に行ったら、子どもの目線で楽しめる動物を選んで。象、きりんなど大きな動物だと見やすくて興味を示します。
★秋を楽しむ! カンタンアイデア
画用紙に両面テープをはります。両面テープの粘着面に、拾ってきた落ち葉を、親子で好きなようにはりつけます。
2~3歳代:子どものペースに合わせて行動できる公園などへ
ママ・パパのペースに合わせて行動するよりも、寄り道しながら自分のペースで行動するのが好きな時期。たとえば動物園に行っても、動物は見ないで木の下にいるアリの行列をずっと見ている子もいるかもしれませんが、子どもが興味を示すことにとことんつき合って、満足感で満たしてあげて。
★秋を楽しむ! カンタンアイデア
100円ショップで売っているマグネットボードに、公園や動物園で拾ってきた落ち葉や入場チケット、記念写真などを、子どもに自由にはらせてみて。完成したら飾っておくと、「動物園楽しかったね。また行こうね」と親子の会話が広がります。
4歳代:子どもが興味を示す展示テーマならば、美術館に行ってもOK
ママ・パパが教えると“ここは、静かにしなくてはいけない場所”とわかるようになるので、子どもが興味を示す展示テーマならば美術館に行っても! ただし途中で飽きて走ったりする子もいるので、すべて見ようとは思わずに、その子が興味を示しそうなコーナーを1~2つ楽しめればOKと考えて。
★秋を楽しむ! カンタンアイデア
公園などで落ち葉やどんぐり、小石などを拾って持ち帰り、おままごとをしても。葉っぱをお皿に見立てて小石を並べたり、葉っぱをちぎって野菜に見立て、おもちゃのお鍋で煮るまねをしたり…。自然のものに触れて遊ぶ体験が、子どもにとってはいい刺激になります。
アートというと難しく考えるママ・パパもいるかもしれませんが、親子で動物園や自然豊かな公園などに出かけて、五感を使って刺激を受けて遊ぶこと自体が、子どもにとってはアート! 秋は落ち葉やどんぐりを拾うこともできるので、レジ袋を持って行くのがおすすめです。ママ・パパもたまには童心に返って、子どもと一緒にとことん遊んでみませんか?(取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部)
監修/伊瀬玲奈先生
和洋女子大学 人文学部こども発達学科 准教授。元保育士・元幼稚園教諭。大学で未来の保育士や幼稚園教諭を指導。また、保育園などで多くの子どもや保育者と接しながら、遊びの中で子どもは何を学び、とらえているのかを研究されています。著書に『「あたりまえ」を見直したら保育はもっとよくなる!』(学研教育みらい)。