突然の血便…子どもが腸重積症を経験したママの体験談
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うんちは健康のバロメーター。とくに赤ちゃんは、体の不調を訴えることができないので、突然の下痢やいつもと違ううんちで病気がわかることがあります。
そのなかでも突然、腸の一部が腸の中に入り込んでしまう「腸重積症」は、0~3才ごろにかかりやすい病気。激しく泣き、しばらくするとピタッと泣きやんでぐったりすることを繰り返したり、嘔吐や血便が特徴です。原因はよくわかっておらず、どんな子でもかかる可能性があります。今回は、お子さんが腸重積症と診断されたFさんに、当時のお話を聞きました。
おむつを開けたら真っ赤な血便が!
最初は嘔吐の症状があり、受診先の病院では胃腸炎と診断されていたYくん。夜もたびたび起きていたものの、体調が悪いからしかたないな…と感じていたというFさんですが、朝おむつを開けてびっくりします。
「元気に起きたと思ったらおむつに大量の血便があり、急いで前日にかかった病院に電話すると『すぐ来てください!』と言われました。腸重積のうんちはよく『いちごジャム状』と言われるのですが、息子の場合は経血に近かったです。血便も持参しましたが、診察時にも血便が出たことで、腸重積症の疑いが強くなりました。検査の結果で診断がつき、そのまま入院になりました」(Fさん・以下同)
高圧浣腸ではもとに戻らず、手術に
「診断がつくとすぐに処置室で高圧浣腸(空気や液体を肛門から高圧で注入し、重なった腸を押し戻す治療。発症後24時間以内に行うことが望ましい)の治療を開始。廊下で待っていた私にも、息子の泣き声や先生方のあわてた声が聞こえて、『大変なことになっている』と思いました。息子の場合、発症からだいぶ時間がたっていたようで、腸の重なりを完全には治すことができず、手術をすることに。先生からは腸のダメージ次第で開腹することや、一時的に人工肛門をつける可能性も説明され、『生きてくれさえいれば・・・』と願いました。手術は手術室が空いていなくて、夜になったのですが、あいにくパパが海外出張中・・・。長男の幼稚園のお迎えの手配や、二男の入院手続きでバタバタと病院で過ごしました」
順調に回復&長男のケアに奔走
手術時間は2時間ほど。手術室では、開腹を避けるためにも再び高圧浣腸の処置を試みたそうですが、残念ながら重なった腸はもとに戻りませんでした。
「手術は結局、体へのダメージが少ない腹腔鏡で行うことができました。術後は食事や授乳の制限があり、食べるのが大好きな息子はつらそうで・・・。それでも術後は順調に回復し、1週間で退院することができました。もっと早く見つけてあげられたら…と悔やみますが、あのとき血便が出てくれたおかげで腸重積の診断がつき、治療ができたのは不幸中の幸いでした。退院後も下痢が続き、おしりがただれてしまったのもかわいそうでしたが、今はすっかり元気です。一方で大変だったのは、4才の長男のケアです。私が1週間、ほとんど二男にかかりきりだったので、退院後はママべったりに・・・。なるべく一緒に寝たりして、心のケアに努めました」
パパの出張中に一人で奔走したFさん。「2人目はどうしても子どもの異変を察知するアンテナが下がりがち」と反省されていたのが印象的でした。『ひよこクラブ』2018年11月号では、Fさんが病院に持参した血便の様子や、腸重積症と診断されるまでの経過もくわしく掲載しています。赤ちゃんのうんちの様子がいつもと違う時にチェックできる「心配うんちチェックシート」もついているので、チェックしてみてください。いつかかるか、わからない赤ちゃんの病気。正しい知識を知り、いざというときにあわてないようにしたいですね。(取材・文/ひよこクラブ編集部)
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